フィンランド式教育礼賛への疑問

◉北欧のフィンランドが18歳まで義務教育になったことに対する、日本のリベラル勢の賞賛について、疑問を呈する記事がダイヤモンド・オンラインに掲載されました。個人的には、18歳義務教育は良いことだと思っていますし、日本も導入して良いと思っています。フィンランドの教育も、漠然と良いイメージを抱いていたのですが。話はそんなに簡単ではないようで。しかも実際に、フィンランド在住の日本人の方も、記事の内容に賛成のようです。

【「フィンランド式教育」は日本に必要か?本国は数学力低下の深刻な事態】ダイヤモンド・オンライン

 冒頭にフィンランドが義務教育の期間を18歳まで延ばすと発表して、日本で絶賛されたと述べたが、その多くは「フィンランドはいまだに教育世界一だ」と考えている人たちではないだろうか。
 だが、2018年調査では、読解力と科学的リテラシーで3位であったが、数学的リテラシーは11位まで落ち込んでいるのである。
 つまり、あれほど絶賛されたフィンランド式教育では、かなり深刻な算数・数学における学力低下が起こっているのだ。フィンランドに代わって「学力世界一」に輝いているのが、旧ソ連のバルト3国の一つで、現在ではIT大国として名高いエストニアである。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、フィンランドの北に位置するロヴァニエミで撮影した写真だそうです。美しく、幻想的ですね。

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■詰め込み教育は必要?■

詳しくは、元記事を読んでいただくとして。実際は、世界的な数値を押し上げているのは、詰め込み教育という現実。日本は、恋も遊びもスポーツも、すべてを捨てて東大法学部を目指した官僚が、勝手に高校生をかわいそうがって、ゆとり教育なんてやっちゃったわけですが。現実には、詰め込み教育で青春を棒に振るのは、一部の二流の才能なんですよね。本当に優秀な人間は、人並みのことをやりつつも、東大や京大や旧帝国大学に合格するわけで。

たぶん、80-90%ぐらいの高校生にとっては、詰め込み教育が必要なんでしょうね。もちろん、アメリカとか留学した人間に言わせると、数学に関しては日本の中学レベルを高校でやってるので、楽勝だったけれど、逆に日本はそこまで数学を全員に高度なレベルでやらせる必要があるのか、という疑問は口にしていましたね。また、山田五郎さんや小西克哉さんが指摘されるように、妙な英語信仰と英語教育熱には、疑問です。語学って、会話能力───特に発音は耳の良さと音楽的な能力も含む、才能の部分がありますしね。

■学習塾が支える日本の教育■

翻訳能力も、日本はけして低くはないですし。海外の文献も研究論文も、かなり読めますし。むしろ、英語以外の語学軽視も甚だしいので、こっちを改善すべき。語学高専のような文系の専門教育機関を作って、才能と適性がある人間をより高めるほうが良いのではないでしょうかね。英語が苦手で2浪した自分ですが、海外旅行で英語しか喋れない環境だと、けっこう喋れる発見がありました。エピソード記憶が強いタイプは、海外留学が大事でしょう。

田舎の公立進学校から、浪人して福岡の予備校に入った人間として、まず代々木ゼミナールなどの教育のレベルの高さに、驚きました。まぁ、正確には受験テクニックの豊富さ、なんですが。うちの田舎は平成の市町村合併で10万人都市をギリギリ超えましたが、大学受験用の予備校なんか、存在しませんからね。だから、高校で補習授業を設けて、受験対策をしていた部分があります。その、教師の方々の頑張りは今でも感謝していますが。やはり、都会の教育レベルはぜんぜん違いました。

■地域格差の教育問題■

プロ野球球団があるような大都市では、こういう形で受験テクニックを身に着け、早稲田や慶応などの私立文系に合格していくのだなぁと。でも、ハッキリ言えばそういう大都市で一浪して早慶に入った人間より、地元の国立大学を落ちて、仕方なく滑り止めの日東駒専に現役で入学した高校の同級生のほうが、明らかに自頭は良いんですよね。Twitterでこう書いたら、慶応卒のアカウントが猛反発してきましたが。事実だからしょうがないです。

国立大学医学部では最も偏差値が低い琉球大学医学部に進学した高校の同学年とか、慶応医学部とか滑り止めでしたからね。見た目の偏差値は、琉球大学医学部が65で、慶応医学部が72ですが、国立と私立では、実質10は偏差値が違いますし、東京・大阪・名古屋・福岡・札幌・広島・神戸・横浜などの大都市出身者の私立文系とか、都会という環境が生み出す受験テクニックの上げ底する偏差値を、マイナス10と換算して、国立と同レベルでしょうね。

■ドリル方式の公文式教育■

逆に言えば、学習塾のおかげで、日本の教育は維持されてるのなら、都市と田舎の格差は開くいっぽう。ただ、これに関しては、インターネットの拡大が、可能性を開くかもしれません。もうひとつ、アニメにもなった漫画『のんのんびより』で、地方の過疎化で合同学級になっているところ。ああいうところでは、生徒は授業はドリルをやる形の、自習形式なんですが。あれって、ひょっとしたら可能性があると想うんですよね。日本は横並びの学習方式で、飛び級も落第も、めったにない均質社会ですが。

公文式ではないですが、ああいうドリル方式で、数学やら国語やら、能力と適性がある人間は、小学1年生でも4年生や6年生の勉強していいし、苦手な教科は3年生でも1年生のドリルをやって、一定水準までやれば、良いと想うんですよね。できていないのに、進級しちゃうのが、実は落ちこぼれを生む原因。なら、高校まで義務教育にするか中学を5年制にして、義務教育をこなせていない人間は、4回生や5回生の2年間かけて足りてないところを学ぶ。

こなせたら旧制高校的な高校に編入したり、大学に進学したり。あんがい、戦前の学制とミックスしたら、問題が改善できそうな部分もありそうな。そうやって、英語は全然ダメだけど数学の天才とか、拾える驚異k制度が望ましいですね。難しいですけど。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ


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