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日本の司法は公正か?

◉関西電力大飯原発の運転差し止め訴訟で、再稼働を認めない判決を出した樋口英明元福井地裁裁判長の、科学的知識と公正さを疑わせるトンデモ記事が、毎日新聞に掲載され、各方面から批判が繰り出されています。当たり前です、基本的な科学知識もなく、でたらめな判決を下して国民の生活に間接的なダメージを与えたのですから。でも、あのような左重心に偏りすぎた判決を出したことで、退官後もこうやって左派マスコミからお仕事がもらえ宣伝になり、講演会で儲かるのですから。

【「原発安全」は思い込み、耐震性も低い 元裁判長、樋口氏が講演】毎日新聞

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め訴訟で、2014年に再稼働を認めない判決を出した元福井地裁裁判長、樋口英明氏(71)が新潟県柏崎市で講演した。樋口氏は能登半島地震(M7・6)発生時の北陸電力志賀原発の例から、原発の耐震性の低さを指摘。「日本の原発はそれなりに安全だろうという先入観が脱原発を妨げる」と主張した。

 講演のテーマは「能登半島地震と原発」。地元住民団体「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」(本間保・共同代表)の主催で7日にあり、市民ら約160人が耳を傾けた。

https://mainichi.jp/articles/20240424/k00/00m/040/075000c

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■コミュニティノート砲■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。先入観を語る樋口英明元福井地裁裁判長自身が、先入観の塊になっていますね。このような問題はあくまでも科学的なエビデンスに基づいた判断を下すべきであって、科学音痴なマスコミや文化人のお気持ちに沿うような、偏った判断を下すべきではありません。残念ながら日本の反原発派は昔から、科学音痴で扇動屋の挙げる数字を鵜呑みにして騒ぎ、間違や勘違いを指摘されても反省しません。

 「原発に関心のない人は、日本の原発はそれなりには安全だろうと思い込んでいる」とし、福島第1原発事故までは自身もその一人だったと告白。「日本の原発の最大の弱点は耐震性だが、私たちは耐震性が高いと思い込んでしまっている」と話した。脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した。

この記事の内容を報じたX(旧Twitter)のポストには、科学者はもちろん、政治家などからも批判が殺到し、案の定コミュニティノートがつけられました。毎日新聞、これでいったい何度目のコミュニティノート砲直撃でしょうか? 自分のような一般人ですら、1回も コミュニティ ノートが表示されたことはないのに。マスコミとして非科学的な記事内容であると指摘されること自体、とても恥ずかしいことだと思うのですが……。

コミュニティノートを引用しておきます。

能登半島地震で、志賀原発の外部電源から電力を受ける変圧器が破損した事例を紹介していますが、それは必ずしも原発の耐震性を損なった事例ではありません。
https://www.rikuden.co.jp/outline1/shika_noto.html

「日本の原発の最大の弱点は耐震性」と説明されていますが、そもそも樋口氏は原子炉建屋の耐震性について重大な誤解をしています。
志賀原子力発電所の岩盤面の揺れの大きさとして設定された現在の基準地震動(600ガル)と、ハウスメーカー等が公表されている地震の揺れが大きく増幅される地表面に近い表層地盤の上に設置する一般建築物の耐震性の値(約5,000ガル等)を単純に比較することはできません。
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20210422/biz/00m/020/040000c
https://www.fepc.or.jp/sp/notojishin/

https://twitter.com/mainichi/status/1782975250851852789?t=KQ5gCWJsWSmJWuN1_tvjvw&s=19

■政治家からも批判の声■

国民民主党の玉木雄一郎代表も、毎日新聞の記事を厳しく批判しています。もう、立憲共産れ新社民は、まともな科学知識がなく、こういう言説に乗っかるだけで、まともに批判ができません。参政党や日本保守党と同じレベル。国民民主党が唯一、革新系野党でまともな部類です。健全な野党が存在しなければ、与党は容易に不健全になり腐っていきます。しかし、批判すること自体が自己目的化しては、かえって不健全な状況を助長します。

主張の科学的根拠が見当たらない。メディアもこうした言説を検証なく拡散することはやめた方がいい。私は発災後、実際に志賀原発に入って確認したが、北陸電力では社長が率先して安全神話に陥らないよう警鐘を鳴らし続けている。彼らの名誉のためにも申し上げておきたい。

https://x.com/tamakiyuichiro/status/1783521745120702602

政治家 なので言葉を選んで、科学的根拠がない点を批判されています。しかし、日本の場合は学術会議が、中国 や韓国の野党による非科学的な、福島のALPS処理済み水へのイチャモンに対してさえ、批判声明のひとつも出せないほど、赤く染まっています。この国の問題の多くは、マスコミ(特に新聞・テレビ・ラジオ・雑誌などの旧メディア)とアカデミズム(日教組・全教・大学)と、そして法曹界(弁護士・法学者・裁判官)です。高裁や最高裁でひっくり返される判決を出す、地裁の裁判官が多すぎます。

■エビデンス? ねーよ■

何度も書いていますが、第2世代 や 第3世代の原子力発電所は、古くて硬い岩盤の上に建設されるのが基本です。理想的には、第三紀以前の古い岩盤。福井や福島、玄海、川内などの原子力発電所が恐竜化石の産地に近く、泊や島根や伊方などの原子力発電所が貝化石の産地に近いのは、偶然ではありません。樋口英明元福井地裁裁判長の非科学的な見解については、分電でんこFCアカウントの解説が、わかりやすいです。

怪文書のように語り継がれる定番デマですが、報道機関が定期的にもてはやすため、なかなか消えません。誤りであると指摘し続けることが重要です。改めて記事の内容を見てみます。

https://x.com/denkochan_plc/status/1783312085306474721

記事中には、原発内の震度が5強に対し、変圧器で油漏れが発生したと書かれています。ただし、原発の震度5強は原子炉建屋基礎上の観測値です。基礎は岩盤上なので、周辺で観測される一般的な震度よりも小さくなります。観測される加速度は表層の概ね半分から1/3程度です。

https://x.com/denkochan_plc/status/1783314960510251512

コチラの画像も、わかりやすいので転載しておきますね。

福島第一原子力発電所の事故の原因は、津波による外部電源の喪失によって、炉心部が冷却できなくなって、加熱された水分が水蒸気爆発したのが原因であって。反原発派はこれを、地震の揺れによって炉心部が損傷したかのように、混同させます。現実問題、福島第一原発より震源に近かった女川原発は、問題なく運転停止し、それどころか 地域住民の避難所にも利用されました。鹿児島県西北地震や新潟県中越沖地震、今年の能登半島地震など、震度5〜6クラスの地震は何度もありますが、地震の揺れで炉心部が損壊したことはありません。

福島第一原発の爆発も、核爆弾の核分裂による爆発とは、全く別のものです。原子炉内の核燃料は核爆弾に比較すると、はるかに濃度が低く、核爆弾には使えない代物です。原爆に用いるためには、天然にはあまり存在しない・核分裂を起こしやすいウラン235の濃度を、通常では90%以上に高めなければならず。ウランやプルトニウムが核分裂を起こして爆発するためには、起爆装置も必要。でも反原発派は、科学音痴であるだけでなく、軍事音痴でもあるので。説明しても聞く耳を持ちませんけどね。


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