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文字を速く読める方法

◉文字を読む速度と理解について、ちょっと興味深い記事がナゾロジーにあったので、ご紹介を。文字を読む速度を上げるには、1行あたりの文字数を多くして、改行を少なくすることが大事という、タイトル通りの結論なんですが。ただ、それだけではない知見が含まれていて、興味深いです。新書版の小説などのレイアウトなどでも、ちゃんと理由があるんですねぇ。

【1行あたりの文字数を20-29文字にすると文章が速く読める】ナゾロジー

1行あたりの文字の表示数を多くすると文章が速く読めるようです。

レディング大学のポール・コラーズ氏(Paul Kolers)らの研究チームは、一行当たりの文字数と読む速さの関係性を検討しています。

結果、一文当たりの文字数が多いほど、読み終えるまでにかかる時間が短くなる現象が確認されました。

スマホやkindleで文章を読むときに縦ではなく横向きにし、一行当たりの文字数を多くすることで読み終わる時間を短くすることができるかもしれません。

また表示の文字の大きさを小さくし、一文当たりの文字数を多くすることでも早く読めるようになります。

この一行当たりの文字数を多くすることで読むスピードが速くなる現象は、日本語の文章を対象にした研究でも確認されています。

この研究の初期の報告は、学術誌「Human Factors: The Journal of the Human Factors and Ergonomics Society」にて1981年10月1日に報告されています。

https://nazology.net/archives/136891

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■速読は理解力を保てない■

自分は、一般人の中ではかなりの速読だと思います。日本人の平均読書速度は、1分間にだいたい400~600字前後とされています。中学校の頃、自棄に読むのが速いなと友人が興味を以て、速度を図ってくれたのですが、だいたい3~4倍の速度でした。といっても、これは速読術とか学んだわけではなく。本好きが昂じて、読んでる内に自然に早くなっただけです。ちゃんとした速読術を身につけると、1分間で3000文字以上読めるそうですから。ただ、無理に速度を上げると、理解力が落ちるとのこと。

しかし、近年の文章を読むスピードに関する研究をレビューした、カリフォルニア大学のケイス・レイナー氏(Keith Rayner)らの研究によると、高い理解力を保ったまま読書スピードを上げる技術には科学的な根拠はないと結論づけています。

つまり、速読はただの飛ばし読みで、理解力が落ちるのは避けられない、と? そういう意味では、ナチュラルな速読で、無理せず読むのが大事ですね。自分が読みやすい速度は、人それぞれでしょうし。ナチュラル速読の人は、無意識に拾い読みをしてるのでしょうし、文字を文字としてではなく、絵として画像的に処理している可能性。欧米の表音文字のほうが、速読には向いている部分はあるようです。ただ、漢字という表意文字は、各情報を圧縮できるので、そこはメリットもデメリットも表裏一体かと。

ただ、こういう部分を勘案しても、実は読書は映像情報よりは、素早くコンパクトに情報を得られるという点で、優れているんですよね。普通の人が1冊本を読む間に、4冊から8冊も読めるんですから。動画を2倍速で見る人というのは、逆に言えば映像の速読ができるということですね。これは、耳で聞くスピードも同じで。自分が安易に否定しない理由です。百聞は一見にしかずも事実で、そういう意味で図版の豊富な百科事典は、子どもにとって重要な読み物なんですよね。

■一行あたりの文字料を増量■

人間の目は、左右に視界が広く、上下に狭いという特徴があります。左右は180度から200度ぐらいの視界があるのに、上下は130度と狭いです。だから、縦書きよりも横書きのほうが読みやすいんですよね。眼球をあまり動かさないので。野球でも、カーブやスライダーなど横の変化球よりも、フォークやシンカーなど縦の変化球のほうが、捉えづらいと言われますが、コレが理由。そういう意味では、情報中心の学術書とか、横書きのほうが読みやすいのでしょうね。

この結果は、スマホやkindleを縦画面から横画面にし、一行当たりの文字数を増やすことで読むスピードを速めることができる可能性があると言えるでしょう。

一行あたりの文字を多くするのは、文字が小さくなるので、近眼で老眼の年寄には、ちょっとつらいのですが。でも、友人の家の50インチの巨大な液書を見て、なるほどコレなら大きな文字でスラスラ読めるわいと思った次第です。歳を取ったら、Tablet型ではなく100インチとかの超大型モニターで、映画を見たり読書したり。そんな未来が来るかも知れませんね。というか、43インチとかだともう、5万円を切る安い値段で売られていますし。映画館が潰れても、ホームシアターで自宅で封切り日に鑑賞とか、そういう時代が来るでしょう。

自分が、電子書籍に期待するのは、コッチの理由も大きいですね。自分の視力や状況に合わせて、文字の大きさを変えられますし、背景も白背景・黒背景・セピア背景など、選べるのがいいです。紙の本では、それが難しい。図書館などには、大型活字本とかありますが、まだまだ数は少なく。わざわざ大型本を編集し、出版するのも大変ですしね。今後の出版社はデジタル対応は必須で、レイアウトとか大変ですから。まぁ、それもデジタルデータなら、元データの組み換えで、簡単なんですが。いずれにしろ、デジタル対応は必須です。

■ウェブトゥーンが読みにくい■

もうひとつ、なるほどと思ったのが、1行あたり20文字から29文字のほうが読みやすいとのこと。これは、英文なのか日本文なのかはわかりませんが、重要ですね。原稿用紙が、20文字✕20行の、400字詰め原稿用紙なのは、ちゃんと理由があるんですね。人間が一度に読めるのは、そこらへんが生理的にも合っているのでしょう。新書版の小説だと、1行あたり23文字から26文字ぐらいで、2段組という本も多いですからね。けっきょく、人間の心地よい文字組は、だいたい収斂されるということでしょう。

日本語の文章では、一行当たりの文字数が約20から29文字のときに読むスピードが頭打ちになってしまうようです。

そうなると、自分がウェブトゥーンは時代の徒花になりそうという指摘は、ちょっと根拠がありますね。そもそも、縦スクロールのウェブトゥーンは、世界最大の漫画市場に、韓国系企業が参入するための方法論でしたから。縦書きと縦スクロールは相性がいいですが、速読には向きません。慣れの問題だという人もいますが、どうやっても速読のスピードには追いつかないので、文章を読み慣れた読者には、イライラします。最近は、言い訳に窮したのか、ウェブトゥーンぐらいのスピードのほうが読みやすいと言い訳していますが。アレが読みやすい読者は、ディープな読者とは言えず。

ライトな読者は、そもそも大量に本を読みませんから。世界市場を狙うなら、縦書きを横書きに組み変えるぐらいの覚悟でやらないといけませんし、でもそれは二度手間です。まぁ、他にも出版社が版面権を握りたいという、事情も背後にありますが。日本は作家の権利が強いので、レコードの原盤権みたいなものを、出版社が持ちたいのでしょう。こういうことを書くから、自分はウェブトゥーン推しの方々から、ブロックされるんですけどね。反論できずブロックの時点で、答え合わせなんですが。

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