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JR赤字路線の問題

◉JR東日本が、平均通過人数が1日2000人未満の35路線66区間の、経営情報を公表しました。ローカル線が廃止された地域の人間としてみると、なかなかに難しい問題をはらんでいます。うちの田舎も代替で入ったバス路線も、あっさりと撤退してしまいましたからね。でも、だからといって「庶民の足だから、赤字でも維持すべき」という安易な意見には、自分はくみしません。企業としては、メリットがなければ運用できませんし、赤字を税金などで補填というのも、違うと思っています。

【JR東日本、経営が厳しいローカル線66区間の情報を公開】インプレスウォッチ

JR東日本は、平均通過人数が2,000人/日未満の線区を35路線、66区間の経営情報を公表した。2019年度の赤字額が大きいのは、羽越本線の村上-鶴岡間の49億円、奥羽本線の東能代-大館間の32.4億円など。

地方の鉄道の利用状況は大きく減少しており、経営状況は厳しさを増している。JR東はこれまで、駅別乗車人員や路線別の平均通過人員、旅客運輸収入のデータ開示を行なっていたが、地域の現状理解と持続可能な交通体系についての議論のために、利用が少ない線区の経営情報を開示することとした。

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1428631.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、鬼怒川のトンネルの写真だそうです。

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■ローカル線廃止は必然■

うちの田舎の大隅線は1987年に廃止され、代替で入ったバス路線も2006年には廃止。19年をがんばった方と見るか、早いと見るかは、人それぞれでしょうけれど。こうなると、田舎では運転免許が必須になりますからね。けっきょく、最低でもバイク免許を持つというのは、必須です。まぁ、コレは離島の出身の友人など、当たり前のようですが。うちの田舎は平成の市町村合併で、なんとか人口10万人ちょいになった片田舎ですが。日本全国1741の市町村区では、人口10万人ちょいは277位、なんと上位16%に入ります。

それでもローカル線が廃止され、バス路線も撤退とか、普通にあるので。全国の80%ぐらいの市町村は、似たような状態でしょうね。大都市の近隣や、大都市と大都市を結ぶ中間地点の地域以外は、鉄道路線はもう、かなり少なくなってるでしょうし。だからこそ、JR伊東線が車椅子に対応していないことを、都市生活者の感覚で批判しようとして、奇矯な行動に出た伊是名夏子社民党常任幹事には、呆れ返ったわけです。詳しくは以下のnoteを参照していただくとして。

■民営化はメリットが大■

自分は地方の人間ながら、国鉄時代の職員の横柄さ、働かなさを見てきましたし。東京に上京しても、JR線が自動改札化されていないことに驚きました。要は、自動改札化されると人員が減らされるので、組合系が反対していて、関西や福岡の西鉄では当たり前の自動改札が、遅々として導入されなかったわけです。また、田舎以上に悪い駅員の態度にも呆れました。こういう連中がストを連発し、庶民に迷惑をかけながら、庶民の味方ヅラをしていたのかと。

なので、中曽根康弘大勲位のJR民営化は、トータルで見たらメリットがデメリットを圧倒的に上回っていたと、そう思います。赤字路線を廃止し、民営化したことで収益は黒字化し、オレンジカードやイオカードが導入され、今は全国津々浦々まで自動改札化は進み、何よりもあのお驕り高ぶった国鉄労組の人間が、激減したのですから。JR福知山線の事故では、元労組の連中が大騒ぎしましたけど。特殊な事例を一般化しても無理筋、その後の事故はないですからね。

■税金補填するにしても■

もし民営化されなければ、あのまま赤字を垂れ流し続け、活動家に乗っ取られた労組はストを連発し、中央リニア新幹線も、見果てぬ夢だったでしょう。新幹線の車体も未だに、昔のタイプのままだったでしょう。なのでローカル線廃止も「とにかく現状維持! 赤字? 知らん!」みたいな左翼の意見には与しません。バス路線も、運転手の人件費の問題が大きいですから。であるならば、自動運転の研究や、あるいはバス専用の道路の整備とか技術や制度の発展に、期待するほうが建設的ではないでしょうか?

Twitterで見かけた意見で、なるほどと思ったのが、この手の路線は通勤通学の足になっていいて、でも通学定期はかなりの割引率で利益が薄い……と。もともと、国の事業として始まったため、学生の通勤定期は安いわけですが、民営化された現代に、明治大正の頃の感覚を当てはめるのはいかがなものか、という意見。コレは賛成。であるならば、通学定期の割引分を通勤定期と比較して、そのぶんは税金で補填するならば、これはありでしょう。

■通学費は教育費である■

うちの田舎のローカル線も、廃止される直前まで、朝夕の通勤ラッシュはそこそこ埋まっていましたからね。そこを鉄道会社に押し付けても、しょうがないわけで。教育費の一環として、予算を割いても良いのでは? それこそ、廃止された地域の運転免許の取得などの、自動車学校の費用の補填とかなら、あり。つまりこれは、文科省マターの面も、多大にあるわけですから。バイクを買う・車を買う・タクシーを呼ぶ、それぞれの対応はあるにしても、一律にカバーはできませんしね。

日本の左派がダメなのは、知性派を気取るくせに現状維持しか対案がない、保守的な無能者だからです。邦画界と同じで、93.4%の作品が興行収入10億円いかないのに、32作品で全収益の約70%の売上を賄ってる状況で、「日本版CNCを設立しよう!」とか。儲かった作品の売上で、自分たちのお芸術作品の予算を補填しろと言ってるのと等しいわけで。いやいや、わずか6.6%の興収10億円以上のヒット作を、せめて2倍にする努力から始めろよ、という話と同じです。アニメを馬鹿にしつつ、アニメの売上にタカろうという精神のさもしさが問題。鉄道も同じ。

もうちょっと具体的で実効性のある政策の提案を、野党には求めたいですね。それこそ、和歌山→四国縦断→大分の新幹線ルートをぶちあげるぐらいの、景気刺激策と大動脈としての新幹線の整備を、提案してもらいたいですね。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ