◉ああ……また一人、名優が旅立たれました。貴家堂子さん、これを「さすが・たかこ」と読むのは、だいぶ後になって知りました。病院の娘さんで、貴家は本名なんだそうで。ベテランの割に、ぱっと名前が出てこないのは、この難読のためもあったかも。自分らにとっては、『サザエさん』のタラちゃんに『天才バカボン』のはじめちゃん、『ハクション大魔王』のアクビちゃんと、国民的アニメの声でお馴染みですが。50年経っても自分が幼稚園の頃の声を維持されていたんですから、素晴らしいですよね。貴家堂子はパッと出てこなくても、「タラちゃんの声の人」といえば、誰もがわかる声優さんでした。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、桜新町のサザエさんの銅像だそうです。サザエさんは姉妹車が版権にうるさいという印象があるので、避ける人も多いですね。

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サザエさんもハクション大魔王も、自分が生まれた年の放映。でも、ハクション大魔王は再放送が、自分が小学校の頃までよくあったので、リアルタイム世代ではないけど、よく知ってるんですよね。興味深いのは、そのハクション大魔王の主人公のカンちゃん、加藤みどりさんが声を当ててるんですよね。そう、サザエさんのコンビで、同じ年に代表作を共演されているというめぐり合わせ。しかしサザエさんも、初代メンバーは加藤みどりさんのみに。初代ワカメ役の山本嘉子さんと二代目の野村道子さんは、ご存命ですが、もう３代目ですからね。

古川登志夫さんがTwitterで語っておられましたが、声優は70歳になっても同じ役をやれるのが良いですね。役者だと、それはどんなに若作りしても、無理ですから。でも声優なら、53年前の幼児の声を、87歳になっても出せるんですから、素晴らしいです（もちろん、御本人の節制も、あってのことですが）。役者は役者で、若い頃は浅野内匠頭で、中年になったら大石内蔵助、歳を取ったら吉良上野介と、薬を変えることはできますが。それは声優も同じですから。同時に、同じ役を持ち役としてできる。ジャッキー・チェンとか、石丸博也さんのイメージが強くて、本人の生声を聞くと違和感が出る逆転現象さえ。

そして、例え声優が亡くなっても、役は次の人に受け継がれて、また新しいファンを獲得していく。俳優の中には声優を馬鹿にする人もいますが、そういう部分で息の長い商売として、良い面も多いですね。まさに生涯現役のお仕事。ウィキペディアを見ますと、『鉄腕アトム』でも出演されているんですよね。まさに、日本のアニメ黎明期から、第一線で活躍されてこられたわけで。ここ数年、声優界のレジェンドたちの訃報が続いていて、寂しいですが。昭和もそうやって、終わっていくのでしょうね。平成生まれがもう、三十路中盤になりつつあるのですから。

数多くの作品で自分たちの子供時代と、大人になってからも彩ってくださった貴家堂子さんのご冥福をお祈りします。合掌