見出し画像

トランプ前大統領が語った真実

◉貴重なデータが載っている記事なので、紹介します。アメリカの内需と貿易損度という点でも、簡潔にまとまっていますが。それ以上に、なぜアメリカの有権者は、ダークホースと言われたドナルド・トランプ氏を支持し、ホワイトハウスに送り込んだのか? 単なる衆愚政治だという人もいますが、自分はそうではない、暴走しすぎたリベラル派に対する対抗運動であって、そんな単純なものではないと思っていたのですが。それを裏付けるような、興味深い数字が並びます。

「米国社会について真実を言っていたのはトランプのほうだった」エマニュエル・トッド見抜いた「トランプ支持者の合理性」文春オンライン

「ふつうの有権者の視点から見て、米国社会について真実を言っていたのはトランプのほうだったのだ」――2016年のアメリカ合衆国大統領選挙で、なぜアメリカ人の多くがトランプを支持したのか?
 知の巨人エマニュエル・トッドが「トランプ支持者の合理性」について解説。新刊『我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源』より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)

https://bunshun.jp/articles/-/58485

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、コタツでミカンを食うトランプ大統領のかわいいイラストですが、noteのヘッダーのトリミングの関係で、一部しか表示されないのが残念です。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉

■プアホワイト問題■

プアホワイト───白人貧困層の問題が、かなり数字でハッキリ現れていますね。ここの層が、トランプ前大統領を支持し、ホワイトハウスに導いたと。詳しくはリンク先を読んでいただきたいのですが、特に衝撃的だったのが、白人の主な死亡原因を示したグラフでした。麻薬中毒に自殺、肝臓の慢性疾患……要するにアルコール依存症などからくる、肝硬変などですよね? つまり、貧しい白人男性層が、かなり荒れた生活をしているという現実。

 すなわち、麻薬中毒、アルコール中毒、自殺。したがって、自由貿易と規制緩和の効用についての議論は、もはや「これにて終了!」である。成人死亡率のこの上昇が示唆するものこそが、2016年にドナルド・トランプがまず共和党の大統領候補者に指名され、次に大統領に選出されるという事態を可能にしたのだと、私には思われた。奇しくもかつて私が、1970年~1974年のソ連の乳幼児死亡率の上昇に注目した結果、早くも1976年の時点で、ソ連システムの崩壊を予想することができたのと同じように。

https://bunshun.jp/articles/-/58485?page=3

教育による階層化、奇しくも自分が2019年に福田恆存の一匹と九十九匹論と絡めた書いたnote『一匹と九十九匹とZOZO前澤社長と』で指摘した、中の下の問題があります。ちょっとまだ整理されていない部分もあったので、主要部分を抜き出して、加筆訂正しつつ、以下に語ってみますかね。

■救われない子羊たち■

人間の階層を上・中・下に分けると、社会に貢献したり地位や名声を得るプラスの突出がある層がで、角の貧困だったり犯罪を犯したりするマイナスの突出がでしょう。上は言うまでもなく、もし何か挫折するような事態があって、も自力で立ち直る可能性が高いです。また下は、浄土真宗の親鸞が説いた悪人正機みたいな感じで、宗教や芸術によってあんがい救済の対象になりやすいです。ところが、本来は政治が救うべきこの中の層にも、中の上・中の中・中の下が存在します。

中の上・中の中はともかく、中の下が問題です。犯罪を起こすほど突出はしていない、でも平凡以下でこれといった特技も能力もなく、世間一般的にはつまらないと評価されがちな人々。前澤氏が金を配らない層と言っても良さそうです。ところが、国民皆保険制度がないアメリカを極端な例としても、禁欲的なプロテスタントの文化では、ここの層は努力が足りん怠け者として、排除や侮蔑の対象になりがちです。

犯罪を起こすほど酷い人間でもないのに、金銭的には貧乏でキツく、結婚もできなかったりして、しかも努力が足らんと言われる。本来ならぎりぎり通っていたはずの高校も、マイノリティ優先枠があって、不合格になるような。この中の層はやぱっぱり数が多いんですよね。平均的な人間ですからね。下手すれば、全体の60%から80%がそうじゃないですかね。その中の中の下となると、20%から40%ぐらいを占めそうな。ここらへんの統計とかあれば、更にありがたいのですが。

■学歴格差社会アメリカ■

政治は煎じ詰めれば、国民を飢えさせない、食わせることです。中国史上最高の宰相(王様に任命された総理大臣のようなもの)とされる管仲夷吾は「倉廩満ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱を知る」と喝破しています。だいたい2700年ぐらい前の言葉ですが、政治の本質を言い表しています。人間はまず、生存本能を満たすことが最優先で、それが満足して初めて礼節(=文化)にも関心が向くし、最低限の衣食住ができて名誉とか恥とか体面とかが出てくる。民主党政権……というか日本の左派の政治活動はしょせん、金持ちの道楽という問題が、ここで出てくるわけです。

西武セゾングループの辻井喬こと堤清二氏や、中世研究の網野善彦氏など、お金持ちのボンボンは、東京大学に入って共産党に入るというルートを辿りがち。お金持ちの子供というのは、自分が努力したわけでもないのに恵まれた環境にあることに、負い目に感じるようで。これは手塚治虫先生や高畑勲監督、宮崎駿監督も同じ。だいたい、60年安保や70年安保の頃の大学進学率はとても低く、1959年で10.1%、1969年で21.4%という低さ。56%になろうとする現在の進学率とは違って、富裕層が行くもの。学生運動は富裕層やエリート層の道楽です。上中下の上の人達。

アメリカでは、高卒未満の平均年収が2万8829ドル、高卒が4万6835ドル、学士号持ち=大卒が8万0075ドル、修士号で9万0709ドル、博士号で11万5065ドル。もう完全に学歴格差社会です。私立大学が主流で、学費は目の玉が飛び出るほど高く、奨学金で進学できるう貧乏人は、めちゃくちゃう優秀な一握り。そして、年収300万円の人間と3000万円の人間の能力さは、3%もないと言われます。これでは、むしろ才能を腐らせ、国家の損失に思えるのですが。日本でも、この学歴格差を固定したい東大での官僚や学者がいるような。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ



売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ