自衛隊に統合司令部を24年度末設置へ

◉統合司令部って、要するに大本営の復活ですか? 大本営とは、日清戦争から太平洋戦争までの期間に設置された、大日本帝国軍の陸軍と海軍を指揮する、天皇直属の最高統帥機関のことです。まぁ、今では「大本営発表」は、デタラメな発表の代名詞ですが。240人が多いのか少ないのか、そこはよく解りませんが。船頭多くして船山に上るになるのか、多様な意見を集約できるのか? 3軍の長としての、内閣総理大臣の力量が最終的には大事と。

【「統合司令部」240人で発足 防衛省の概算要求案判明】沖縄タイムス

 防衛省の2024年度予算の概算要求案が判明した。陸海空3自衛隊を一元的に指揮する常設の「統合司令部」を24年度末に240人規模で設置。南西諸島への装備や物資の輸送を迅速に行うため、3自衛隊共同の部隊として「自衛隊海上輸送群」を新設する。関係者が20日、明らかにした。
(中略)
 防衛省は24年度予算概算要求に、過去最大の7兆円台の防衛費を計上する方向。装備品の部品不足解消や可動率向上に2兆円超を盛り込む。自衛隊施設の老朽化対策や火薬庫の整備に計約8千億円を求める。(共同通信)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1207854

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、東京上空を飛んだブルーインパルスの写真だそうです。

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■強襲揚陸艦■

それより重要なのは、『南西諸島への装備や物資の輸送を迅速に行うため、3自衛隊共同の部隊として「自衛隊海上輸送群」を新設する。』の部分でしょうね。戦前の日本は、陸分と海軍の縦割り、予算の分捕りあい、縄張り意識のせいで、連携が上手くいっていなかった部分があります。まぁ、やったもん勝ちの陸軍の暴走が、戦線の無用な拡大を生み、泥沼の戦争に陥らせた面が強いです。陸軍の推す日独伊三国同盟を後押ししたのが、朝日新聞などのマスコミなんですが。

戦後の自衛隊は、空軍と海軍重視で、陸上自衛隊の影は薄いです。専守防衛のドグマからすれば、当然ですね。陸軍は、海外に展開することがないので。海上自衛隊と、航空自衛隊が守りの要。まぁ、今でも変な動きというか、暴走気質は陸上自衛隊にある気がしますが。でもそれでは、軍が有機的に機能しませんから。特に、将来的にはワスプ級かアメリカ級クラスの強襲揚陸艦を保有するなら、この3軍の連携の緊密化は、避けて通れません。現状のいずも型も、海上自衛隊と航空自衛隊の連携は必須。縦割り行政ではダメです。

さらに強襲揚陸艦は、戦闘機やヘリコプターを航空自衛隊から出して貰い、戦車や歩兵を陸上自衛隊から出して貰い、それを海上自衛隊の艦艇が運用するわけで。また、強襲揚陸艦は病院船にもなるし、災害救助での活躍も期待される艦艇。自衛隊海上輸送群という発想は、現在のおおすみ型では輸送能力に限界があるし、いずも型を改造してのF-35B運用には限界があるので、本格的な4-5万トン級の強襲揚陸艦の運用を、視野に入れての発表ではないかと。島嶼部が多い島国日本には、必須の戦力。

■精密誘導弾■

共同通信のベタ記事なんですが、ベタ記事故に、情報がコンパクトに詰まっていますね。共同通信社も桜ナントカみたいな卑怯者に就業時間に珍論をツイートさせるのではなく、情報を伝える通信社本来の仕事をしてくれれば、それでいいのに。この部分も、重要ですね。精密誘導弾の開発と、射程を伸ばす能力向上型12式地対艦誘導弾の艦艇搭載と。今まで目立たないように開発してきた兵器が、艦艇に搭載されることでいよいよ、台湾有事での中国軍艦艇に対応する兵器になる、ということでよろしかったでしょうか?

 艦艇や地上目標を攻撃する「精密誘導弾」を開発するため320億円を要求。国産の12式地対艦誘導弾の射程を延ばす「能力向上型」を艦艇に搭載する費用や、射程3千キロの「極超音速誘導弾」の量産費も求める。

同上

ううむ、射程3000キロの超音速誘導弾…ですか。ちなみに東京から那覇までの距離が約1544キロ。東京から札幌までが約820キロですから。たぶん、宗谷岬から発射して尖閣諸島に届くレベルですね。もちろん、イージス艦に搭載して、できるだけ近くから発射した方が、友好でしょうし。さらにちなみに、那覇から韓国の首都ソウルまで1275キロ、中国の首都北京まで1859キロ。敵基地攻撃能力や、反撃能力って、抑止力になると言うことは、ウクライナ侵攻でも明らかになりましたし。非武装中立なんてお花畑平和論は、瓦解しました。

■イージス艦■

イージス・アショア計画に代替として、イージス・システム搭載艦2隻の建造。これ、実際のところは、台湾有事を見越して、予算を専守防衛の地上配備型迎撃システムから、攻撃にも転用できるイージス艦に振り替えたというような気がしますね。素人考えですよ、もちろん。でも、地上に固定する地上配備型迎撃システムでは、北からロシア連邦軍が、南から中国軍が、西から韓国軍…じゃねぇ、北朝鮮軍が攻めてくる可能性がある日本では、柔軟に位置を変えられるイージス艦のほうが、有効なんでしょう。

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画の代替案として28年度までに整備する「イージス・システム搭載艦」2隻の建造費として約3800億円を計上。1隻当たりの整備費は計約3950億円となる。

同上

ベタ記事ですが、なんかいろいろと考える材料が詰まった、良記事になっています。それでいいんだよ、共同通信社。何も切り取らない、何も足さない。通信社にオピニオンは求めていません。まぁ、新聞社にもオピニオンは求めていません。だって、ロクなオピニオンがないんだから。ロシア連邦軍のウクライナ侵攻で、憲法九条なんて有っても、敵は攻めてくるってのが、明らかになり。お花畑平和論は、終焉を迎えつつあります。2500年前の理想主義者である孔子でさえ、国家の基本は兵力(軍事)・食料(経済)・信頼(民度)と喝破しています。軍事は大事。

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