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「フリーランスからの転職」独立して見えた会社員のメリットを、カナエナカさんに聞きました!

【会社員vsフリーランス】
散々こすられてきたネタで、もうお腹いっぱいだよ、となってしまうものの、なかなかこれが実際に多くの人の決断を左右しているのも事実です。
 
「このままフリーランス続けていていいのかな…」
「独立したものの、経験してみて会社員の良さもより分かったな」
 
20代というまだまだ発展途上の中でフリーランスになった人に、特に多い悩みではないでしょうか?
 
かくいうわたしも、25歳でITベンチャー企業を辞めて、フリーランスになりました。が、いまだに自分の働き方に迷いが生じるときはあります。Twitterやブログを通して働き方を発信しているものの決して「フリーランス万歳!」なんて言うつもりはありません。
 
単純に働き方を二項対立させるのではなく、ただただ、それぞれの「やりたいこと」や「ここちよい働き方」を突き詰めてほしい。そのためには、判断材料となるフリーランスの先輩のお話って、超、気になる!
 
というわけで、今回は、最近、「フリーランスから転職しました!」というカナエナカさんにお話を伺いました。

・会社員に戻ったのはどうして?
・どちらも経験したからこそ分かる会社員のメリットって?
・フリーランスの転職活動、どうやったの?

なんて部分が気になる人にぜひ読んでほしいです!

フリーランスになったのは、やりたいことに合わせた結果

ー今日はよろしくお願いします!ずっとTwitterでフォローしていたカナエさんとお話できて嬉しいです~。カナエさんはあまり素性を明かしていない(?)ので、まずは経歴などを教えてください!
 
もともとは大手通信会社で新卒から7年間働いていました。その間は東京に住んでいたんですけど、2017年にフリーランスに転向してからは3年間、関西を拠点に活動をしています。そして今年の5月から、再び会社員に戻りました!
 
転職先はIT関係で、東京に本社がある大阪支社に勤務します。とはいうものの、完全テレワークが導入されているので、おうちでお仕事です。業務内容としてはCS(カスタマーサクセス)になります。
 
ーわたし自身、「転職活動しようかしら…」と思っていたので、カナエさんの働き方のチェンジ、とっても気になります…!そもそもフリーランスになったのはどうしてですか?
 
実は、「フリーランスになろう!」と決めて動いていたわけでは全くなかったんです。最初は転職活動をしていました。7年、同じ会社で働いていて、「30代になっても1社しか経験していなかったら、他の環境で働いたことがないと、自分の能力がどこまで通用するのか、自分に自信が持てないかもしれない…」と考えていて…ただ、なかなか転職活動が思うように進みませんでした。
 
転職エージェントを利用していたものの、いろんな可能性を考えたかったのに似たようなIT業界の求人ばかりを紹介されたり、働いていたのが大手だったのでどうしても条件面で見劣りしてしまったり…。

なかなか踏ん切りがつかない日々を過ごしていたので、転職に本気になるために「一旦、会社は辞めよう!」と退職しました。
 
ーえっ!?じゃあ、仕事が決まっていない状態で辞めたんですね!
 
そうですね。辞めてから、やりがいを感じられる会社と出会いました。出会った会社は、「家業を継ぐ」ということを支援するような事業をしていたので、興味を持ちました。

わたしの実家、食器屋さんをやっているんですけど、実家が商売をやっていることもあって、自分ごとで取り組める仕事で面白そうだなと感じて。 
 
その会社との契約がフリーランスとして業務委託で、という形になったんです。もともと前職の時から写真や文章関係の仕事もやっており、それとの両立も考えるとフルタイムよりも週4日ほどの稼動のほうが動きやすかった。結果、フリーランスになりました。

フリーランスの仕事の基準は「自分ごとにできる分野で、実績にできるか」

ーなるほど。やりたいことができるなら、働き方にはあまりこだわらなかったということですね。とはいえ、大手企業からフリーランスになるのは、心理的ハードルが高いように思われますが…?
 
「食っていければいいかな」と思っていました(笑)ひとつ固定の仕事があって、ある程度収入が安定していたのも大きかったですね。

1年目は、分からないことも多かったのですが、2年目以降は報酬の目安なんかも見えてきて、順調に収益面も伸ばすことができました。
 
ーお仕事はどのように獲得していたんですか?
 
SNS経由が多かったです。東京の企業が、関西まで出張費をだすことが予算的に難しく、現地で動けるライターを探していて…と声がかかることも。
 
あとはnoteを見て、依頼してくださるクライアントもいました。
 
ーカナエさんのnote、写真もとっても素敵ですもんね…!
 
あえて有料記事をあまり書かないのは、仕事につながるからという理由もあります。わたしのことをSNSで見つけて、気になってくださっても、どんな文章を書くのかどんな写真を撮るのかサンプルを見ないことには、依頼までは踏み込めないですよね。noteでわたしの仕事ぶりが伝わればいいなと思っていて、実際に仕事につながることが多いんです。
 
仕事を請ける基準は、「自分ごとにできる分野で、実績にできるか」を大事にしていました。前職の通信会社だと、大きな会社ですし、縁の下の力持ち的な業務が多く、他人から成果が見えづらかったことにモヤモヤした気持ちを抱いていたことも関係しています。

やりがいで仕事を選べるようになるためにも、自分がどんな特徴で仕事をする人間かを知ってもらうためにも「自分自身を見せられる実績」は重要です。

「やりたいことができる会社員」なら、そのほうがいい

ー3年間はフリーランスとしてお仕事をしたということですが、今回の転職はいつぐらいから考えられていらっしゃったんでしょうか?

フリーランス2年目くらいかなあ。惹かれる会社はあったものの、ぴんとこなくて…いまの会社に出会ったのは今年の1月です。
 
実はわたしは保守的な性格なので、「東京オリンピックが終わったら日本は不況にはいるだろう」というのを見越して、求人が減ってしまうより前には転職しようと考えていました。
 
ーどちらも経験した今、それぞれの働き方についてどう思いますか?
  
3年間フリーランスをやってみて、自分の裁量で仕事ができるというのはメリットである一方、「自分がしゃんとしないとだらけてしまう」というデメリットも同時に感じていました。もっとぴりっとした現場で働きたい、という気持ちが強くなったんです。
 
3年スパンで自分のキャリアを見つめることが多いのですが、現在わたしは34歳で、3年後となると37歳ですよね。まだその年だったら、ハードな仕事だってやっていけるな、と思っています。

ただ、わたしの場合、ここでもっと筋肉をつけずに、フリーランスとしてゆるっとやっていたら4〜5年くらいで息切れしちゃう未来が見えてしまって…。
 
ー仕事を筋トレに例える感覚、すごく分かります。会社はパーソナルジムのトレーナーさんというか、負荷を自然と得られて鍛えられますよね。フリーランスで、自分で自分を追い込むのって相当むずかしい。だからこそ、会社員に戻ることへの怖さみたいなのもあるような…。
 
もちろん、自分から「この会社なら!」と思って門を叩いた会社ですし、この上ない環境で働ける会社に採用してもらえたと思うので、やるからには全力でやります。ただ、本当に辛くなったら、辞めるのもありだと思います。

フリーランスをやって会社員以外の働き方や世界を知ったし、自分でも何かしら食べていけると知っているから、そういうこころの逃げ道をもっていられるのは余裕につながりますね。
 
ー確かに!「この道しかないんだ」と思い込むのは自分の首を絞めかねないので危険です。ほかに、フリーランスを経験したからこそ見えた、会社員のメリットはありますか?
 
どんな働き方だっていいじゃん、とは思うものの、やはり会社員のメリットはあります。自分ひとりでやる仕事よりも組織に属することで規模感の大きな、自分の能力を超えた仕事ができます。案件が、自分の伝手とかちいさい経済圏じゃないところからやってくるのも面白さです。
 
いわばストレッチですね。自分が知らないこと、できないことまで手を伸ばして、できるようになっていく。そんな仕事がしやすい環境が会社です。
 
ーフリーランスで同じことをしようとなると、かなり意識的に動かないといけませんよね。
 
もともとフリーランスの頃は、細々としたお金を複数のクライアントからいただく、という形ではなく、ある程度まとまった報酬をいただける太いパイプがあるような契約形態でした。

なので、楽な部分はあったんです。でも、福利厚生などありませんし、自分の仕事以外に役所の手続きや確定申告など庶務的なことに気を回さなければならない部分が多かった。
 
フリーランスだからこそできる仕事があるなら、フリーランスをすべきだ、と思います。でも、会社員でもその仕事ができるなら、会社員でもいいんじゃないかな。

フリーランスは仕事以外の部分にまで考えなきゃいかないこと・やらなきゃいけないことが多いから…会社員は純粋に仕事に集中できる分、成長もはやくなりますよね。

フリーランスからの転職活動

ーわたし、転職活動したことないんですけど…フリーランスからの転職活動、どうでしたか?
 
いま野里さんって26歳ですよね?一概に年齢でどうこういう気は無いですが、なるべく早い方がいいな、と思います。スキルアップも考えるのであれば、早いに越したことはないかなと。

特にベンチャーへの転職だと、やはり若いということは有利に働いているんじゃないかな、と感じました。いまわたしは34歳ですけど、やっぱり若さには敵わないな〜と感じてしまうこともあって…(笑)年齢が上がるにつれ、それまでの経験や突出した強みをより求められますし...こちらはまだまだやれる、頑張れる、と思っているんですけどね(笑)
 
あと、転職エージェントの利用はおすすめです!あちらは紹介業が仕事だから、かなりタイトなスケジュールをきってくるんですよね(笑)なので、必然的にこっちもそれに応えるべくはやく動かざるをえなくなって、実際に行動にうつるようになります。担当者さんとの面談で、自己分析のきっかけも得られますし、登録して面談して、損することはないんじゃないかな。
 
ーわたし、ついつい先延ばしにする性格なので、転職エージェントをちゃんと利用しようと思います…!今後は会社員一本でやっていくんですか?
 
副業OKな会社なので、写真や文章のお仕事は続けていく予定です。家業についても、いままでの経験を通して、新しい販路を開拓するなどなにかしら関わっていけたらいいなと思っています。
 
ーますますのご活躍が楽しみです!本日はありがとうございました~。
 

カナエさんのキャリアへの視点は「自分の筋肉になるか」「やりたいことなのか」に常に置かれているように感じられました。納得感もあり、次のステップにもきちんとつながる仕事をするうえで、欠かせない視点です。
 
会社員、フリーランスという枠組みに必要以上にとらわれることなく、「この仕事で自分はどんな成長を遂げられるだろう?」「自分のどんな欲求を満たせるだろう?」と、常に自分の変化に敏感になって、柔軟にキャリアを考えていきたいなと思いました!
 
取材協力:カナエナカさん(Twitter / note

取材・執筆:野里のどか(Twitter / ブログ

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