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キャッシュレス決済とその次にくるもの―雑感

ただでさえあまり多くない脳みそのリソースを一気に消費した。

来月から始まる、中小企業でのキャッシュレス決済5%還元事業という、政府主催の大型キャンペーンについて、先日簡単な記事も書いたのだが、
https://note.mu/moipe/n/n8efac3bb5024

この記事とは全く関係なく、年老いた母親から「消費税増税前に何を買えばいいのか?」とか「キャッシュレス決済ってやってないから、5%は諦めなきゃいけないのか?」とか、電話がかかってきて、それなりに調べたりしたからだ。

私は学生時代から信販会社でアルバイトしていたくらいなので、もともとキャッシュレス決済には積極的な方なのだが、しかし、それでも最近は分かりにくい。

スマホ決済などはキャンペーンが何しろ10日とか二週間とか、長くても半月の単位で目まぐるしく変わっていくのでいちいちチェックしていられない。
毎日利用するスーパーで何が一番お得かを知っておけば十分である。

しかし、ポイントほど人によって反応が違うものも珍しい。
ポイントカードを忘れたので・・・といってわざわざ家にカードを取りに戻る人、ポイントカードを持っているか聞かれなかったから出し忘れた、といって再度計算しなおさせてポイントを付けさせる人、ポイントの計算がおかしいんじゃないかと言ってクレームをつける人もいれば、
ポイントカードを財布から取り出すのが面倒くさいからいいという人、ポイントカード持ってますか?と聞くと「ポイントポイントうるさいんだよ」と怒り出す人、人によってあまりにも反応が違いすぎるので落としどころが難しい。

10月から始まるキャッシュレス決済での5%ポイント還元事業は、お店のポイントカードではなくてあくまでクレジットカードやスイカなどのキャッシュレス決済につくポイントなので、正直お店側にはそれほどは、関係ないのだが。

しかし、実際には(お年寄りなどには)何かと分かりにくい制度なので、クレームの窓口になるのは実店舗の方だろう。

今回の9ケ月間のキャッシュレス決済還元事業で、一体どのくらいまでキャッシュレス化は進むのだろうか?
政府の目論見通りの効果が出るかどうかはなんとも微妙である。
・・・普段から現金派の人達は今のところ動きがないように見えるからだ。10/1になったからといって急にキャッシュレス決済を始めるとも思えない。

勤めているスーパーでのお客様の決済手段には、今のところあまり変化がみられない。

ただ、店舗内で使えるポイントカードにプリペイド機能を持たせていて、現在は絶賛キャンペーン中。
通常のポイントカードに、現金をチャージしておいてキャッシュレス決済を行えば、10月1日からは残高に5%分の現金が即時入金されるという仕組み。
とても分かりやすいし、必要な個人情報は通常のポイントカードを作る時に必要な分だけでOK、銀行登録も何もいらない。
なので、とにかく面倒くさいことは何もしたくない派にはおススメなのであるが、多分このポイントカードからのチャージ払いは増えると思う。

パソコンもスマホも必要ない。面倒な登録が何もないので、お年寄りでも面倒くさがり屋でも簡単にキャッシュレス決済が利用できるからだ。
常連客などのお年寄りは、最初はとっつきにくくても慣れてしまうと現金を数えなくて済むから、と言って手放せなくなる人も多い。

年を取るととにかく目が弱くなるので、現金が数えられない。小銭の見分けがつかないらしい。なので余計に面倒くさくなって、いつもお札で支払ってお釣りの小銭を山ほど持っている人が多い。
難儀なことだ。
キャッシュレス決済を利用すればそういう小銭の問題もなくなる。

しかし、チャージ払いを使っていたのに、面倒な手間が無くなる分使いすぎてしまう、といってまた現金払いに戻す人もいる。
反応は人さまざまでこればかりは他人が干渉することでもない。

だから、今回の5%還元事業についても、踊らない人は踊らないと思うが。

しかし、今回の政府主導のキャッシュレス決済5%還元事業は2019年10月1日~2020年6月末日までの9ケ月間だが、なんでもその後に、マイナンバー登録、キャッシュレス決済紐づけで25%還元とかいう祭りを政府が検討しているらしいじゃないですか?

それはどうだろう。

政府主導のそういう政策・・・って今までは企業への助成金とか、税金の優遇策とか規制とか規制緩和とか・・・企業や団体を通してやるものだと思っていたが、なんかこう直接的に国民の行動を操ろう、みたいなのって特に何もなくてもなんかちょっとイラっとくる。

マイナンバー登録とキャッシュレス紐づけ、とういう行動をとらせるために政府が試算した金額が25%ということですか・・・。

今回のキャッシュレス決済で5%還元の成果がどんな感じになるかによって、その第二弾の発動期間とかいろいろ変わるんだろうが。
そもそも、マイナンバーカードの普及がいまだに進まないといっても、それはそもそもマイナンバーカードに対する不信感があるから進まないのであって、その不信感の払しょくもなしに、お金出すからマイナンバーカード発行してキャッシュレス決済と紐づけしてよ。・・・ってどうなの?

企業への社員のマイナンバー登録義務付けとともに、個人の収入は政府に完全に掌握されているわけで、次はキャッシュレス決済と紐づけて支出も把握されることになる。
収入と支出が政府に掌握されて、町中に設置されている監視カメラにより行動が監視されていて、もちろんインターネットなどのバーチャルな世界でもGOOGLEなどを通じてすべての行動が監視されている。

私たちはすべてが監視されているわけだ。そしてその監視を通じて行動を操ろうとされている。
まあ、マーケティングというものは全てそういうものなのだが、政府主催で5%還元されるからとか、25%還元されるからとか言われちゃうと、行動を金で買われる感が露骨すぎてさすがに気分が悪くなる。

こういう感じ方は個人によって非常に差が出るだろう。自ら進んでやるものならともかく、やりたくないのに、行動をお金で規制されると思うと大変なストレスになる。

人によってはこういうストレスに非常に敏感に反応するだろう。

「ポイントポイントうるさいんだよ」と、怒りをあらわにする人がより一層増えることになりそうだ。

私たちはまさしく高ストレス社会に生きているのだ。






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