見出し画像

デザイナーが成長する組織づくりって難しいですね

田舎者が“デザイナー”という職に憧れ、上京して、実際に就いて約10年。現在20名ほどの制作部門のデザイン責任者という立場になり、また制作部門を分社化するという会社の決定が下った最中で、思うこと、悩むことを備忘録程度に。

僕は、地方の四年制大学を卒業後上京し、小さなグラフィックデザイン会社で4年間働き、その後、医療業種に特化したWEB・IT会社に転職し、今も勤めている。社員数は200名ほどの企業で、人員構成はざっくりと制作部門で20名、開発部で10名、バックオフィスで30名、残りは営業組織という完全に営業主体の企業である。

良くも悪くも染み付いていた組織の依存・縦割り体質

僕が現在の会社に入社した頃、商材としてはMovable Typeをカスタマイズした独自のCMSを開発し、業界特化型のWEBサイト制作を行っていた。それこそ多い時期には月100サイトを制作するほど(思い出したくもないですが。。。)。
WEBサイトの制作はご承知の通り、なかなか一人で最初から最後まで完遂できるスキルを備えた方はなかなかいない。
弊社でも例に違わず、分業してWEBサイトを制作している。営業は顧客折衝とPM・ディレクターを担当。原稿作成・写真撮影は一部内製、溢れるものはアウトソースし、制作はWEBデザイナーがデザインし、コーディングは日本にいるフロントエンド・マークアップがコーディグにおける仕様を策定し、オフショアにて対応。デザイナーがコーディング指示を書き、海外のコーディング担当に発注するという、少し歪な体制でWEBサイト制作を進めていた。

もちろん、生産の高速化を目的とした体制であり、この体制の構築無くしては月に100件というWEBサイト納品を実現できなかったと思う。
さて、今振り返ると感じるのが、効率化のための分業化という大義名分に隠れて、組織の中にいる人材・をグロースさせるための仕組みづくりを怠っていたことだ。
デザイン制作を進める際、そのデザインが置かれる環境・求められていることを調査・思考した上で、アウトプットを進めていく(当然よね)。だが、WEBサイト制作の効率化というベクトルにのみ洗練させ、調査・思考の手段も定型化することで、考えなくとも作れる状態にまで昇華したのだった(皮肉半分)。つまり、「しっかりサイト設計を営業(ディレを担当する)が作ってくれないと」「仕様の範囲内で制作しないなら作れない」というオペレーターの気質が染み付いていたのだった。

株式会社ベイジの荒砂氏が「分業で仕事をする上で気を付けたいこと」で語られていた、気をつけたいことを全て網羅した状態になってしまっていたのだ(とほほ)。それでも、当時は自分は自分の仕事で一杯いっぱいでそんなこともつゆ知らず、一心不乱にWEBサイトを産み出していた(んーもうそんな働き方は無理かも〈嘘だけど。。〉)。当時の僕に、組織を俯瞰で見れる視野があればな、と悔やむばかりである。

調査・思考法を訓練させ、結果に対する意識づけを

イレギュラーな業種・媒体の場合、弊社から提供するサービス品質のレベルが低くなってしまっていたし、また自社サービスが衰退期に入ったタイミングでのアップロードにかなり時間がかかっていた。
今では、制作部門内でもディレクション・営業を行うようになり(私も含め)。ディレクターを部内で育成し、デザイナーもディレクションを行ったりしている。作業効率は落ちるものの(月に100件納品という数値は見なくなった)、組織としては非常に良い傾向だと感じている。

これからの案件は、市場・競合の調査し考え抜いてアウトプットするという制作フローを常とし、制作部門に所属する全ての人員が、デザインの役割は「問題解決すること」であることを念頭に置いて判断できるようになるような仕組みづくりを考えていかねばならない(たぶん)。

2018年7月までに行うこと(忘れないように)
○メンバーのスキルセットの可視化。非デザイナーにもわかるように。
○組織ができないことの可視化。何ができて何ができないか。
○頼れる外部企業との連携体制構築。
○デザイナー・ディレクター・コーダーが使用する制作ツールを揃え、職責を横断しやすくする。※Adobe XDを基調に
○社会人として備えておくべきマインドセットのための仕組みづくり。
○個人としてまた、組織人としてのデザイナーマインドセットのための仕組みづくり。
○アウトプット・学習機会の創出。
○人事労務周り、下請法、著作権、契約まわりの学習。教えを請う。
○意思決定のスピード・精度をあげる。

とりあえず、上記をテーマにした記事を自分のために書いていこうと考えています。あとは、坪田氏のスタートアップのデザイン責任者がやるべきことまとめを、自社の状況に置き換えて実践してみようかと。
まだまだこれから、やらねばならないことが多く、楽しみです(たぶん)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?