"Designing Death" - TEDxUTokyo終了しました


5/29、東京大学安田講堂にて開催されたTEDxUTokyoに登壇してきました。

公式Facebookより抜粋

私の直前の登壇者は歌手のサラ・オレインさんと脳科学者の茂木健一郎さんの素晴らしいトークとパフォーマンス。ハードル上がりまくりだしマジで登壇直前まで不安でしたが(しかもピンマイクが外れちゃっていっぺん登壇からやりなおした)意外や意外、スタンディングオベーションが起きて感動しました。

プレゼンテーションでは、新作の「デジタルシャーマン・プロジェクト」を中心にお話しました。科学技術の時代に宗教は淘汰されていったけれど、人間の合理的でない感情を救うのは宗教や弔いの文化です。その宗教をテクノロジーの側に逆輸入する意味合いで作品を作った、という話などをしました。通訳チームのみなさん、「Designing Death」というかっこいいタイトル付けていただきありがとうございます!

他のスピーカーやステージホストのみなさんもすごく面白かったしお客さんもあたたかいし、何より運営のみなさんがフルスロットルでがんばってて感動した!!本当に参加できて良かったです、ありがとうございました!!

■登壇が決まってからの流れ

今回はじめてのTEDxトークだったので、経緯やプレゼン制作の流れについて書いてみます。
独立して間もない頃に、昨年に明和電機のお花見で出会った東大留学生のオリビアちゃん(香港とイギリスのハーフ)から登壇の打診をいただきました。私は学生時代から「学生団体」というものに漠然と苦手意識があったのですが、オリビアちゃんめっちゃいい子だったからきっと大丈夫!!というザックリした理由で快諾。

登壇決定後は初回MTGから担当者の方々がついてくださり、発表までのサポートをしてくれます。初回からお世話になった東出さんとオリビアちゃんがすごく優秀で、私が漠然と話した内容をすっきりとした構成にまとめてくれました。時たま東大の新入生の方が見学にきてくれたりも。途中からサポートで入ってくださった角野さん、奥部さんもめちゃくちゃいいキャラでした。でもみんなさすが頭のキレが良いです、論理的な整合性やコンセプトの面など、バンバン突っ込んで頂いて内容の深掘りができました。

日経カレッジへのオリビアちゃんの寄稿文すごく面白いのでぜひ→TEDxUTokyoへの期待(1)私がぶち壊したかった東大の閉塞感とは

本番までのMTGが多いのでびっくりしましたが、別のTEDxイベント登壇者の方にきいてみると私はこれでも少ない方みたいです。発表までになんと20回以上打ち合わせるケースもあるそう。本番の2週間前ぐらいに発表スライドはだいたいFIX。1週間前に事前リハ。こんなに時間かけてプレゼンテーションの準備したことないので新鮮でした。

■プレゼンテーションの設計について

TEDxのプレゼンテーションはおおよそ10分前後にまとめる必要があり、なんでもかんでも言いたいことを詰め込めるわけではありません。
運営のみなさんに言われていたのは

言いたいメッセージはひとつに(=キーメッセージを明確にする)
・最初にストーリーラインを設計してからプレゼンテーションつくる

という感じ。これまで作ってきた作品自体は色々あるのですが、全部喋っていると焦点がボケてしまうので、新作の「デジタルシャーマン・プロジェクト」にフォーカスしたプレゼンにすることにしました。初めに送ったストーリーライン案は「10分で喋るには内容ちらかってるかもしれません」というフィードバックが・・・・たしかに^q^

あと、自分はアドリブが苦手なのでいわゆる「高橋メソッド」でプレゼンする習慣がありました。高橋メソッドはとにかくスライド枚数が多く、短文のスライドを怒涛のように畳み掛けるIT系ライトニングトークに最適化されたプレゼン方式です。TEDx系のイベントで浮くのでは、、?という懸念が直前まで拭えなかったのですが、TED創始者のクリスアンダーソンが良いトークについて解説したプレゼンをみて、あんまり形式にこだわらなくていいのかも!と思えるようになりました。

■リハで気付いたこと

で、本番一週間前のリハで通しで運営のみなさんの前で喋って気付いたことがありました。

本音でそう思ってることしか、喋りに力が入らない・・・!

書き言葉では人間いくらでも嘘がつけるのですが、大勢の人の前に立つ時は、自分が心から納得し、咀嚼していることじゃないと薄っぺらさが滲み出てしまうことが発覚。がんばって書いた内容だけど、喋って違和感のあった内容はごっそり削りました。リハからサポートに入って下さった奥部さん(TEDxKobeのキュレーターなども兼任されている方です)が「はい、どんどん削っちゃいましょ〜〜」て感じで後押ししてくれましたw

具体的に言うと、「デザイナーや社会起業家と比べてアーティストのアプローチは云々」みたいな話を盛り込んでいたのですが、自分はデザイナーとしての仕事もしてるし、おいおい起業もしそうな流れだったので、特に「アーティスト」としてのスタンスに強いこだわりがあるわけではないんだ、ということがわかりました。違和感のある部分はなんで違和感があるんだ?ということを分析すると、新しい発見があって面白いです。

■当日

今回のTEDxUTokyoはステージとエキシビションが同時開催。私はトークと展示を同時にまわすことになってあたふたしたのですが、案外これは良かったです。というのも、トークの前にお客さんが一体どんな人たちで、どんな語り口で話されることを好み、どういったトピックに関心を持っているのか、探りをいれられるから。

撮影:安宅和人さん

展示をしばらく回してみると、技術的なことよりも作品を作った経緯や動機について尋ねられる事が多かったので、本番でも制作のきっかけになった出来事について厚めに話す方向に調整しました。あと「なんでシステムが49日までなの?」と聞かれることも多かったので、意外と49日という概念は日本の若者にとってポピュラーではないのか?と気づき、話の流れ的に置いてけぼりにしないように本番ではそのへんも簡単に解説いれたりしました。

■嬉しかったこと

TEDx系のイベントは観客が豪華です。以前に登壇された「イシューからはじめよ」の安宅和人さん、今回登壇された東大の山中俊治先生、明和電機さん、政治家の鈴木寛さんなど。尊敬しているみなさんに自分のプレゼン見せるんか・・・!と思うとなかなか恐怖だったのですが、プレゼン終了後に憧れの方々からポジティブなフィードバックをいただくことができてとても嬉しかったです。下記の山中先生のTweet、嬉しすぎてスクショしました。

また、レセプションでも色んな方に「感動した!!」と声をかけていただきました。中でも嬉しかったのが、baoくんという10歳の天才少年と出会えたこと!学校には行かずに自分で学習する方法をとっているらしく、ものすごく大人びてました。

医療の分野で働いている方、医療機器の会社の方、医学生さんなども多くいらっしゃっていて、「死についての新しい切り口を得た」と話しかけていただきました。「死」についての作品制作は、医療の分野にも繋がる側面があるのか!というのは新たな発見でした。

ということで、緊張はあったものの、総じてとても良い体験になりました!!人の感情や反響、刺激など、目に見えない側面での報酬がとても大きかったと思います。もしまた出る機会があったら、ちゃんと英語でプレゼンテーションしたいと思います(今回思い切り日本語でトークしました)。沖縄の女子高生起業家の仲田洋子さんが堂々と英語プレゼンしてるのは感動的な風景だった。。茂木健一郎さんに至っては「即興で英語プレゼンをする」という別次元の試みをされてました。

ボランティアベースで運営しているイベントにも関わらず、高いモチベーションで運営しているTEDxUTokyoオーガナイザーのみなさん、本当にありがとうございました。

もし、これを読んでる方に登壇する機会がやってきたら、何か参考になることがあれば嬉しいです。自分もかなり謎な枠で参加させていただきましたが、「広めたいと強く思うアイデア」があるかぎり、誰にでも登壇機会が回ってくる可能性があるのがTEDxなんだとわかりました。


文:市原えつこ
1988年、愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。学生時代より、日本特有のカルチャーとテクノロジーを掛け合わせたデバイス、インスタレーション、パフォーマンス作品の制作を行う。主な作品に、大根が艶かしく喘ぐデバイス《セクハラインターフェース》、虚構の美女と触れ合えるシステム《妄想と現実を代替するシステムSRxSI》、脳波で祈祷できる神社《@micoWall》等がある。2014年《妄想と現実を代替するシステムSRxSI》で文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選出。

http://etsukoichihara.tumblr.com/


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