レパードステークスコース論 Ver2023

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レパードステークス(新潟・ダート・1800m)

コースデータ

・左回り
・スタートから1コーナーまで 389m
・最終直線 354m
・高低差 0.5m
・直線坂 平坦
・スパイラルカーブ

特徴

・4コーナーから直線に入るところがスタート地点
・2コーナー途中までは平坦、そこから微妙に上り
・向こう正面に向いてから3コーナー途中の残り600m地点の手前までは再度平坦
・3コーナー途中で僅かに下り、残りはそのまま平坦

このコースを使用するOP以上の競争

G3
レパードS(3歳)

リステッド
BSN賞(3上・ハンデ)

○明確な外枠有利

 新潟ダート1800m・補正込み枠順別1着割合(2018年~・1勝クラス以上・15頭)
新潟ダート1800m・補正込み枠順別馬券内割合(2018年~・1勝クラス以上・15頭)

 「補正込み」とは、当該コースが最大14頭立てで開催される、即ち1・2枠の出走頭数が3~8枠に比べて少なくなることを踏まえ、3~8枠の出走頭数とほぼ同じになるように一定の係数を掛けた後の数字であることを意味する。
 今回の場合、1枠に202%の補正をかけている。

 比較的開催の多い条件で、ローカルとしてはデータの母数がそれなりに多いことから、ある程度信憑性のある統計といえる。
 その上でかなり分かりやすく外枠の馬の打率が高くなっており、このコースが本質的に外有利(もしくは内不利)なつくりになっていることを示唆している。

 以下その理由について考えていきたい。
 まず考えたいのは、スタートから1コーナーまでの距離がそこそこ長いということ。この最序盤の区間が長いということは、それだけ先行争いが激化する可能性があることを意味している。
 しかしこのコースの場合、最大の個性である急カーブがあるため、内側にいる馬が加速をつけて飛び出して行っても、そこからカーブをこなすために減速を強いられる。それに対して外からコーナーに進入した馬は、さほど速度を殺さずにコーナリングを行うことができる。
 その結果何が起こるかというと、内の馬は経済コースを通れているにもかかわらず急加速と急ブレーキをしなければいけなくなり、加えて外からの馬は進入した時の速度とさほど変わらずに迫ってくるため、レース中の負荷が大きくなったりプレッシャーを受けやすくなり厳しくなる。

 一方外の馬は、距離ロスこそ大きくなってしまうものの比較的楽に走れることが多いため、相対的に有利になりやすいと考えられる。

○典型的足切りコース

新潟ダート1800m・全頭脚質分布(2018年~・1勝クラス以上・15頭)
新潟ダート1800m・馬券内脚質分布(2018年~・1勝クラス以上・15頭)
内側の円が馬券内・外側の円が総数

 最終直線が短く、コーナーで速度を乗せることも難しい(3,4コーナーはスパイラルカーブになっているが、そこで無理に速度を乗せようとすると外に吹っ飛びすぎて距離ロスが激しくなりすぎる)ことから、極めて前の馬に有利な結果になりやすい。

 ただし、このコースでは往々にして外からロングスパート気味に動いていく光景が見られ、それで3,4コーナーで先団に躍り出て押し切るという芸当も可能。ここでは省略しているが、いわゆる捲りを打つ馬も一定数存在し、捲り切れれば成績は悪くない。

 要するに、3,4コーナーを前目で抜けられるかという位置取りによる足切り要素の強いコースとなっている。

 なお、コースの特徴が強力で、比較的ラップタイムの傾向自体はどんなメンバー構成であっても似通いやすい
 このコースが得意な馬がいたとしたら、それは序盤に消耗するタフ目なレースが得意ということになるので、中京ダート1900mや阪神ダート2000mなんかで狙ってみるのも一興かもしれない。

参考タイム

2018年以降

なお、馬場状態や頭数等を一切考慮していない平均値である。

過去のレパードステークスラップ推移

 上で述べたような特徴がそのまま反映されている重賞。世代限定戦とはいえ、その世代でも上位に位置する格の馬ばかりが集まるため、その分タイトなラップが刻まれやすい。

 タイムも早く、不良馬場の20年は上位の走破タイムが1分50秒を切っており、稍重馬場の13,14年はそれぞれインカンテーションアジアエクスプレスが1分50秒台で勝利。
 良馬場であっても1分51秒台での走破が勝ち切るには必要。

 傾向としてはやはり序盤の先行争いが激しくなりやすいが、それでも先行勢がそのまま残ることが多いため、テンから素早く繰り出していけ、かつタフさも兼ね備えている馬。身もふたもないが、強い馬ということになる。

 そもそもの話として、世代限定戦は能力差が大きくなりやすいという特徴を有しているので、コースの特性を理解することも重要だが、同様に出走馬間の比較を正確に行うことも重要になってくる。むしろこっちのほうがより重要といっても過言ではない。

 なお、大雑把な言い方になるが、レパードSの過去タイム的に古馬3勝~OPの間くらいの時計が出ると捉えることができる。
 展開にもよるが、基本的にはその週の同コース3勝クラスとほぼ同水準での決着になると考えられるので、参考にするとよいかもしれない。

まとめ

 コース論的に考えなければいけないことは、タフに先行できる馬、もしくは道中ロングスパートで動いていける馬(もしくはそういう気概を持った騎手)。
 レパードSという重賞でも基本的には考えることは同じなのだが、この重賞が世代限定戦という性質も有しているが故に、能力比較のほうも重要。

 いずれにしてもコース的な癖が強いので、慣れてしまえば馬券を当てやすいコースであるといえるだろう。


3歳戦嫌いなので買ってません。

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