見出し画像

インタビュアーの聞く技術

インタビューの成否を決める聞く技術

文字起こしの音源には、会議や講演など様々な内容のものがあります。その中でもとくに多いのが、インタビューの文字起こしです。
そのインタビューの成否を決めるといっても過言ではないのが、インタビュアーの聞く技術ではないでしょうか。
実際、インタビューの文字起こしをしていると、インタビュアーの力量には個人差が大きいことがよくわかります。

素人インタビュアーの「あるある」を紹介

文字起こしの対象となる音声の場合、プロの編集者やライターなどがインタビューを行っている案件もありますが、じつは結構、普段は取材などしたことのない素人のインタビュアーも多いです。
そこで本記事では、素人、初心者のインタビュアーについて、失敗しがちな共通する特徴をあげてみたいと思います。以下のような素人インタビュアーは、結構「あるある」ではないでしょうか。

事前の調査不足

取材相手であるインタビュイー自身のことや、その活動・研究などに関する情報収集が足りないケースです。
インタビューの目的にもよりますが、やはり、事前にネット検索したり、資料や著書を読んだりはしておくべきでしょう。
プロのインタビュアーでしたら、どんなテーマであっても、上手に話を引き出すスキルをもっていたりします。いま何を聞けばよいか瞬時に判断できますし、今回の記事ならこの流れで聞いていこうなど、取材のポイントを心得ています。
しかし、素人のインタビュアーの場合は、情報不足ですとインタビューの内容自体が浅くなりがちですし、話の核心になかなか迫れないこともよくあります。場合によっては「そんなことも知らないでインタビューしているの?」といった気まずい雰囲気になることもありますね。

質問がなくなり無理に話をつなぐ

これも素人には「あるある」だと思いますが、途中で質問することがなくなり、無理矢理に話をつないで、苦しいインタビューになってしまう場合があります。
これは、インタビュアーの質問力がないだけでなく、上述した事前の情報収集が足りていないことも原因の一つでしょう。
インタビュイーにとっては、質問して欲しいことをなかなか聞いてもらえず、自分が伝えたいことを話せずにいるので、イライラが募ったりします。
ときどき、インタビュイーが逆に気を使って(あきれて?)、聞かれていないこともしゃべってくれることもありますね。こうならないようにはしたいものです。

用意した質問を読むだけ

インタビューに慣れていない方によく見られますが、質問を紙に書いたりして用意する方がおられます。
そうした準備自体は決して悪いことではないですし、一発勝負のインタビューを「失敗しない」ためには有効だといえます。しかし、デメリットもあるので気を付ける必要があります。
どうしても経験の少ない素人のインタビュアーですと、用意した質問を事務的に進めて、一問一答式の単調なインタビューになりがちです。
そのため、話の広がりやストーリー性もなく、想定通りの教科書的な面白みのない答えしか得られない内容になってしまいます。
準備した質問をこなすのに精一杯で、相手の話をしっかり聞けておらず、会話のキャッチボールが成立していないこともあるようですね。

インタビュアーが話しすぎ

質問するインタビュアーのほうが、話しすぎるケースがときどきあります。文字起こしの対象となる音声には、調査や研究などのインタビューも多く、そのような場合、インタビュアーが先生や研究者で、インタビュイーが一般の人や学生や患者などのこともあります。
明らかに、インタビュアーのほうが知識もあるし弁も立つので、もどかしくて我慢できずに相手の話をまとめたり、自説を延々と述べ始めたり、答えを誘導したりしてしまいます。
あと、よく知っている者同士のインタビューですと、話が盛り上がって脱線したり、雑談が多くなったり、緊張感がほぐれすぎて会話が雑になったりしがちですね。

以上、文字起こしから見たインタビュアーあるあるでした。インタビューを行う機会がある初心者の方に、多少なりともご参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?