前科あります(1)
1.はじめに
女性です、年齢は言いたくない。
昔、警察に逮捕されました。
時期と、場所は身バレが怖いから内緒。
だって、新聞にもテレビにも出たから、検索されると……。
でも、全く書かないとリアリティがないから、場所は関西、時期は平成ということだけは。
捕まった訳は、やっぱり内緒。でも、女の子が捕まるなんて、覚せい剤、か横領か、窃盗、ぐらいあと自動車運転過失ぐらいでしょ。まあそんなもんです。
売春? 捕まるの? 学校退学にはなるけど、捕まったことないし、捕まった友達もいない。けど、よく知らないから断定はしない。
あ、だから、援助交際とかで捕まった訳ではないって言っておきます。
十月に逮捕されて、取り調べの間は警察署、そのあと拘置支所というところに移されて、一月半ばに執行猶予の判決を受け自由の身になりました。
足掛け四か月ほどの間ですが、普通はできない経験ができたので、興味のある人もいると思うから、書いてみることにしました。
2.警察が来た
ある平日の朝、アパートのチャイムが鳴りました。ざっとメイクを終えて、さあ出かけようとしたところだったので、思わず「チッ」と舌打ちが。
でもそこは一応外面のいい女の子、「はーい」と笑顔でドアを開けたら、中年の叔父さん三人と同い年ぐらいの女性が一人。
おっさん胸から手帳を取り出す前に、彼らの招待と用件が分かってしまった。ちなみに、実際は手帳を出すことはあまりありません。
「りんかさんですよね、警察のものです。我々が来た理由はわかりますよね。ここじゃなんなので、中に入れてもらえますか」
おっさんは小声で話をしてくれた。私の世間体を考えてくれたのだろう。
下着類を含めた衣服、お金などの貴重品、を大きめのバッグに入れて車に乗せられました。
ここではまだ逮捕というか、手錠をかけられることはなかったのですが、後部座席の中央に載せられたら逃げられるわけがありません。
最寄りの警察署にいったんつれて行かれて、そこで逮捕状を執行されて手錠をかけられ、数時間かけてドライブ。
そこは割愛
事件は前の勤務地で、警察が来たのは転勤先。
途中コンビニでお昼を買ってもらって、それ食べるために手錠を片一方外してくれた。意外と優しいじゃん。私が女だから?
管轄の署についたら、もう夕方。ミステリーでおなじみのヨンパチって時間の制約はあるけれど、もう夕食に時間なので、取り調べは明日からということになった。
まあ、車の中で、概略については話したから。明日までに供述調書作るのかもね、そんなことを思っていた。
3.留置場初体験
腰縄と手錠をかけられ、荷物をもって、金属の扉の前まで。
私の腰縄を持ったままの刑事がインターホンを押した。
待つことほぼ十秒、ガチャと鍵の開く音。
中から出てきた警官に私を渡すと、刑事はそこでバイバイ。
留置場には捜査官は入れない。
テレビなんかで、刑事が留置場の中で話すシーンは、まあ大ウソということです。
さ、鉄格子の部屋に、という訳にはいかないんです。
入ったことのある人は知ってますよね。
これから何が起こるかを。
ということで次回に続きます。
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