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【読書感想】「世界を旅して考えよう」 ちきりん

読了日:2012/8/9

著者は、おちゃらけ社会派ブロガーちきりん。
ちきりんさんを知ることになったきっかけは、ともさん(夫)が、この人の本「ゆるく考えよう」を買ったから。
読んだらすごく面白かったので、私もブログやTwitterをながめるようになった。

この方、もとは一流金融系企業でバリバリ働いていたんだけど、今は会社を辞め、高等遊民のような生活(ブログ書いたり、旅したり、うまいもの食べたり、韓流ドラマ見たり。)を、現在進行形で楽しんでいる。
ここ数年は、ブログがどんどん話題になって、書籍を出したり、講演会やイベントもやってたりして、忙しいらしい。

ちきりんさんの文章は、非常に明快でわかりやすく、極めて論理的。
さまざまな社会のニュースを独自の切り口で論じたり、分析したり、時におちゃらけたりしていて、読んでるだけで、視野を広げるきっかけをくれることも多い。
たまに極論な時もあるけど、それがまた愉快で刺激的。
文章が論理的かつクールなので、しばらく私はこの人は男性だと思っていた。(ホントは女性)

そんなちきりんさんは、旅が大好き。
学生時代から、色んな国に行っているそうだ。
欧米諸国だけではなく、アジア、中東、南米、ソ連などなど。

この本では、ちきりんさんが旅先で、どんなことを考え、どんなことを発見し、どんな気付きが得られたのか、旅の経験がいかに自身に影響を与えているか、を語っている。

私は、そんなに旅好きではないんだけど、これを読んだらすごく旅に出たくなった。
世界を旅して、色んな感情や考え方を左右するような経験をしてみたい。

読んでて特に行きたくなったのは以下。
・イースター島
・マチュピチュ
・アフリカ
古代の秘密とか謎はゾクゾクする。
あと社会主義国もみてみたい。

旅好きな人はもちろん、私のように旅好きとは言えない人の意識も変えてくれる、そんな素敵な本だった。

ちきりんさんのように、世界史とか各国の社会事情を知ってると、旅がより一層、豊かで実りあるものになるんだと思う。
これを読むと世界史も勉強したくもなった。

ワタクシ的名文

(1980年代のビルマで)
私はこのとき「お金とは、価値あるモノが存在しない環境ではなんら意味をもたない」というごく当たり前のことを理解しました。日本では時に「お金で買えないものがあるか?」、「愛はお金で手に入るか?」などという議論が行われます。
しかし「お金で買える価値あるものが何もナイ!」環境では、その質問自体が非常に滑稽に感じられます。
そういった言葉は、「お金があれば何でも買える」という前提があって初めて出てくる質問なのです。
(ケニアのサファリで)
私は何日もサファリカーで草原を走るうちに「これが人生の基本だよね」と思いました。
楽しいとか楽しくないとか、有意義な人生だとか生きる意義が感じられないとか、社会に貢献できているとかいないとか、そんなことはどうでもいいのです。その前に私たちは、まず「食べ」、そして「生きる」のです。
(エジプトの建造物を見て)
奴隷的な立場であったとはいえ、彼らもまた私たちと同じように、泣いたり笑ったり、怒ったり喜んだりしながら一生懸命生きていたはずです。それでも人間なんて、いずれ露と消え、後世まで残るのは石と砂でできた無機質な建造物だけです。
そう思うと、日々のあれこれに一喜一憂することがなんだかバカらしく感じられます。どんなにじたばたしても、一人の人間が生きられるのはたかだか百年です。反対に、数千年残るものは「生きていなかったもの」ばかりです。「命ある者」は、生きているその時をこそ、目一杯楽しんですごすべきということなのでしょう。
(インドにて)
日本でも最近よく経済格差の存在が問題視されます。それは多くの人が「格差」を認識しているからです。そしてその「格差の認識」こそが、日本が豊かな社会であることを示しています。格差が当然のように存在する社会では、格差問題自体が(少なくとも当事者には)認識されないのです。

なるほど!と思う文がいっぱい。
こういうのを知識ではなく体験で得るっていうのはやっぱり全然違う。
経験してナンボだな、人生。。。

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