【読書感想】「超思考」北野武

読了日:2014/4/14


北野武が世の中のあれこれについて持論を語る、という本。
Amazonで割と評判がよかったので読んでみました。

んー。
まぁ普通かなぁ。

時事問題などなどについてある特定の人の意見を読んでるわけですから、
「へー、この人はこんなふうに考えてるんだねぇ」
っていうありきたりな感想になっちゃいますわなぁ。

たけしさんは照れ屋さんだろうから、たとえ本でも真面目なことはあまり語らなそうだと思っていました。なので、ちゃんと真面目なことを語ることもあるのか!とちょっと驚きました。

読んでいて共感するところも多かったんですけど、
「昔」と「今」を比較して、「俺たちの時代はこうだったけど今はこうなってしまった」という論調が結構多くてそれが気になりました。
私もその意見になんとなく納得しそうにもなるし、皮膚感覚として現代の色んな状況に恐怖感とか閉塞感とかあるするので、すごく共感できる部分はあるんです。
でも、「昔は良かったなぁ」と言ってても、昔には戻らないわけですし、昔はダメで今よくなったこともたくさんあるわけだから昔と単純に比較しててもダメだよなぁと。

私も古臭い方なので、たけしさんの言うことひとつひとつにはすごく納得してしまうんですけど、それじゃダメというか、なんにも解決しないんだろうなーと。
本の中でたけしさんは割と過激な持論を展開してたりもするので、昔は良かったといってるだけの人ではないんですけど。。。

うまく言えないのですが、何かっつうと「昔は良かった」になりがちですけど、「イヤイヤ本当か?」とも問い続けたいわけです。己に対して。
いい部分もあったけど昔のダメダメな部分もあったはずだし、その比率は今も昔もかわらないと思うんだよね。
見る角度や視点をかえれば昔がダメで今は改善されてるところもたくさんあるのに、いいところは見ずに昔の視点を引きずって物事を見ちゃうから何かっつうと「昔は良かった」といってしまうのではないかと。
時代の流れ的には昔も今も五十歩百歩かなと。

いや、まぁそうはいっても、何度もいいますが、基本的に私も古臭い方なんでね。
たけしの言うことには「そうそう、そうだよねー」と共感するところがものすごくたくさんありましたよ。

特に共感したのは、みんなシャレとかユーモアを理解する心がなくなってる、という点。
それは感じる。
ユーモアとか笑いとかシャレをなくして、なんでも真面目に勤勉にやらないといけない風潮だけど、そんな世界、誰が楽しいんだろう。
もちろん、人を傷つけるようなユーモアはダメなんだけど、それ以外の場面でも、「ユーモア=ふざけてる」という思い込みがはびこってるのはちょっと残念。

たけしさんファンは読んでみてもいいかもね!

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