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【読書感想】「ダ・ヴィンチ・コード」 ダン・ブラウン

読了日:2012/7/25

仕事でパリを訪れていたハーバード大学教授ロバートラングドンは、深夜、警察の来訪で目を覚ます。
その日、面会する予定だったルーブル美術館館長ジャックソニエールが館内で死体となって発見されたという。
刑事とともに現場を訪れたラングドンはそこで、警察の暗号解読官ソフィーヌブーと出会う。
ソフィーから「ラングドンは容疑者として疑われていること」を伝えられたラングドンはソフィーとともに館内から逃げ出し、ソニエールが残したメッセージの解読をすることになる・・。

大ブームになり、映画化もされた作品。
一度読んでたけど、最近の(自分の中での)秘密結社ブームを受けて再読。 

すっかりストーリーを忘れていたので、普通に楽しめた。
こういうのは小説を通して読んだ方がわかりやすい。フリーメイソンの解説書とか超つまんなかったけど、ストーリーがあると入ってくる。

これ、どこまで本当なんだろう?
小説の中にはシオン修道会という秘密結社がでてくる。
シオン修道会は、実はキリストにも子孫がいて、その子孫をひそかに守ったり、秘密の文書や聖杯を守ってるっていう話。
どこまでホントなのか、すごく気になる。

世界史を勉強する前にこういう小説を最初に読んでおけば、勉強への取り組み方とか意識がかわるような気がした。
なんのための勉強かわからないと、勉強はつまらない。でも「あの話は本当なのかな」っていう疑問を解決するために世界史の授業を受けたら、入ってくる情報量がかわると思う。
そういう授業の作り方ができると面白そう。
国語で面白い小説読んで、社会や歴史で小説の真偽を調べる、とか。

ダヴィンチコードのストーリーには、宗教が密接に絡んでいる。
私は無宗教(あえて言えば仏教)なので、神を信じる感覚はさっぱりわからない。
宗教は救いにもなるけど、政治の道具にも、戦の原因にもなる。
子供の頃から
「命を粗末にしろっていう神様はほぼいないのに、神様の名の元に戦争するのは本末転倒だよな」
と常々思っていた。

神様とか宗教の名の元に起きる戦争は愚かしい。
戦で何らかの利益を享受したい人が、戦に正当性を出すために使う道具のひとつが宗教であり、それに煽動されるのは悲しいな、と思う。

宗教によって救済され、心豊かに人生を送れる人がたくさんいるわけだし、人々の気持ちを豊かにする宗教を否定はしない。
でもなんにしろ盲目的であることは危険だな、とも思う。
ラングドンのような客観的視点はやはり必要だと思うし、そういう視点を自分は忘れないようにしたい。

宗教に限った話ではないけど、「何かを信じる」とか「自分はこうだと思う」という思いは、いきすぎると排他的になりがち。
「私はこの神様を信じてるけど、あなたはその神様を信じているのね。お互い信じるものがあっていいわね~」とか
「あなたは信じる神様がいないのね。神様がいなくても強く生きているなんて素晴らしいわ」とか、
宗教問わず、そういう自分以外を認める発想のほうが、平和には大事なように思う。

宗教戦争も学校や職場のいじめも「異なるものを排除しようとする」っていう人の悪しき部分が発露した結果で、規模が違うものの本質は同じ。
「みんな違ってみんないい」っていう金子みすず的な発想が、もっと世界に広まればいいのにな。

それにしても宗教とか秘密結社がらみのネタは面白い。
書いててドキドキする。

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