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【読書感想】「エニアグラムで分かる9つの性格」 ティム・マクリーン 高岡よし子

読了日:2017/10/18

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完璧を求める人、助ける人、達成する人、個性を求める人、観察する人、信頼を求める人、熱中する人、挑戦する人、平和を好む人。「本当の自分」を知る、新しい生き方と人間関係のヒント。
「BOOK」データベースより

この本の概要

「エニアグラム」というのは、人の性格を9つに分類したもの。
それぞれの性格が持つ傾向や行動動機を知ることで、自己理解&他者理解を深め、円滑なコミュニケーションに役立てることができる画期的なメソッドだそうです。
エニアグラムを使った社内研修を夫が受けてて「面白かったよ」と教えてくれたので、ずいぶん前に買ってたんですよね。

こういう自己分析系、楽しいし面白いから大好き。
占いは胡散臭さしか感じないから好きじゃないんだけど、こういうのはウラにベースとなる分析や統計がきちんとあって、占いよりも説得力がある。それに、目的がはっきりしてるから実生活ですぐに役立つのもいい。

エニアグラム 9つの分類

エニアグラムでは、人の性格をざっくりと、以下の9つに分類しています。

1 完璧を求める人
2 助ける人
3 達成する人
4 個性を求める人
5 観察する人
6 信頼を求める人
7 熱中する人
8 挑戦する人
9 平和を好む人

タイプ診断をやってみたところ、私は
7(熱中する人)
8(挑戦する人)
のどちらかのようです。

インターネットにもタイプ診断があったので、やってみました。
割とオフィシャルっぽいこのサイトで調べたら、やはりタイプ7、8の傾向が強かったので、私はおそらくそのどっちかなんでしょう。

エニアグラムは、人を型にはめるだけのものではありません。

リソ&ハドソンは、著書の中で、「エニアグラムは、私たちを箱(分類)にいれてしまうものではなく、 すでに入っている箱について、またそこからどうやって出ればいいかについて教えてくれるのです」と書いています(『エニアグラム −あなたを知る9つのタイプ 基礎編』角川書店)。

「自分の基本性質を理解しつつ、その性質によってとらわれてしまいがちなマイナス面やこだわりを自分で把握して、よりよい方向に変えていけるようにしましょうね」
というのがエニアグラム提唱者の思いでもあるようです。

企業研修にしたら面白そう

夫が、会社でエニアグラムを使った研修を受けたように、このエニアグラムは企業研修でもよくつかわれるそうです。

ビジネスにおいては、個性を活かした人材育成やキャリア計画、コミュニケーション/リーダーシップ能力の向上に役立てることができます。コーチングにおいては、相手の資質や性格傾向を具体的に把握することできめ細やかな対応が可能となり、成長の可能性をサポートしやすくなります。チームにおいては、メンバーそれぞれのコミュニケーションの取り方や仕事の仕方を把握することで、お互いを活かしあう関係を気づき、困難を乗り越え、目標に集中する力を培うことができるのです。

いいなぁ。
以前読んだ「サーチ・インサイド・ユアセルフ」にEQ(Emotional Intelligence Quotient)の話が出てきました。
マインドフルネスや、今回の本の内容であるエニアグラム。その他、コーチング、リーダーシップなどを組み合わせて、要素を整理してEQ研修みたいなものを作って広めていけたら楽しそう。

健全度

あと、このエニアグラムの本を読んで面白くて斬新だな~と思ったのは、「健全度」「不健全度」という考え方です。

筆者の先生であるリソは、ひとつの性格タイプの中にも、「健全度(成長)のレベル」というものがあることをつきとめました。各タイプの中に、病理的で「不健全な段階」から、一般的な「通常の段階」、そして可能性が花開いた「健全な段階」まで、3段階あるとしています。さらに、それぞれに3つのレベルがあり、もっとも不健全なレベル9から、もっとも健全なレベル1まで、合計で9つのレベルがあります。
エニアグラムにおける健全度という考え方を理解すれば、人が可能性を伸ばし、成長していくとき、そして逆に精神状態が悪いときにどのような特徴が出てくるのかわかります。同じタイプなのにどうして人によって特徴が違うのか、ということも説明できるようになりました。

この本に書かれてるタイプ診断はかなり簡単なものだったので、自分のタイプ診断以外にも、
「他の人はどのタイプかな~」と、具体的な人を何人か思い浮かべながら読んだりしてました。
それをやってると、この「健全度」っていう指標がすごく活きてくるんです!
単純なタイプ分類に加えて、この「健全度」という指標があるおかげで、いろんなパターンにしっくりくるようになるんだな~と思いました。

不健全になるとどうなりやすいかも説明があるので、自分の状態を把握する目安にもなります。
(ただ、実際、不健全な状態に陥ってる場合の多くは、自分のことを正しく客観視できなそうだけど。)

ワタクシ的名文

本の内容は、性格分類の話ではあるんですけど、最後の章「人生が楽になるエニアグラム9つの原則」は、性格分類問わず、とてもいいことが書いてました。
特に自分的にインパクトのあったものをいくつか抜粋。

①性格の問題は、性格では解決できない
アインシュタインの言葉に、「ある問題を起こしたのと同じマインドセット(心の在り方)で、その問題は解決できない」というものがあります。リソ&ハドソンは、「性格の問題は、その性格パターンを使っては解決できない」と言っています

そうだなぁ。
失恋したときとか、自分一人じゃ癒せなかったけど、いろんな考え方の友達からいろんな考え方で励ましてもらったおかげで結構あっさり立ち直ることができたので、なんか実体験として納得。

②「頑張る」と「本気」の違い
「頑張る」というのは、これまでの自分の性格パターンのままでもっとやろうとすることです。
(中略)
それに対して「本気」というのは、大切な自分の人生や人間関係のために、今までの自分のパターンを変える勇気を持つことです。人によっては、もっと努力するよりも、休むことが必要かもしれません。

これもそうだなぁ。
努力とか頑張るとき、そこに思考停止が絡んでいないかは気を付けていきたい。
「頑張る」なら効率よく、
「頑張る」がズレてるなら軌道修正する勇気と覚悟を持つ、 そういうふうになりたい。

⑥成長を妨げる「心の中の批判の声」に気を付ける
私たちの成長への取り組みを邪魔するのは、「心の中の批判の声」だと言われています。自分の可能性を広げ、成長しようとしているときに、いろいろな批判の声が聞こえてくるのです。
(中略)
こうした声は、もともとあなたをリスクから遠ざけようとする心のメカニズムなのですが、放っておくとゆきすぎる傾向があり、あなたの可能性や変化、成長を制限する方向で働きます。

私、中学生くらいから20代前半までは、この心の中の批判の声にかなり実直に従って生きてたという自覚があります。常に最悪を考えた言動だったし、「まぁ自分はこんなもんだよね」みたいに、あらかじめ自分を小さくまとめておく、みたいな逃げの姿勢が常にありました。

たぶん、私、20代は健全度が低かったんですよね。
30代からは、健全度上昇中だと思います(‾ー‾)ニヤリ

こういう本を読んですぐに「こういう研修あったらいいな」という発想になってしまうあたり、私自身の指向性は、「教育」や「人材育成」にあるんだなぁと改めて思いました。
前職で研修関連業務やっていたものの、今は別の仕事で、研修業務からは遠ざかっているけれど、また研修関連(IT系ではなく主にヒューマン系)の仕事をやりたいな。

自分を知る意味でも、他者とのコミュニケーションを考えるうえでも、エニアグラムは役にたつと思うので、興味ある方は読んでみてください。
健全度の話は、Webの簡易診断ではでてこないことが多いので、より深く知りたい方は書籍がオススメ。

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