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【読書感想】「パナマ文書」 バスティアン・オーバーマイヤー/フレデリック・オーバーマイヤー

読了日:2016/11/14

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「タックスヘイブン」が抱える闇が今、明かされる!リークを受けたドイツ人記者が書いた事件の内幕。
「BOOK」データベースより

この本の概要

2016年4月に公開され世界中で大きな波紋をよんでいるパナマ文書。
パナマ文書をものすごくざっくり説明すると、
「世界中の政治家・金持ち・犯罪者たちが、自分の資産を自国の税金にとられないよう、こずるい手口で手元に蓄えてたぜ!こんちきしょう!」
ってことを公にしたリーク文書のことです。

どこから情報が漏れちゃったかといいますと、パナマを本拠地にして世界中に支社をもつ「モサック・フォンセカ」(通称モスフォン)という法律事務所からです。

作者のオーバーマイヤーブラザーズは、このリーク情報の受け取り手となった南ドイツ新聞の記者。
情報提供者(いまだに誰か情報提供したのかわからない!)が南ドイツ新聞に「すごい秘密に興味ないかい?」とメールしてきたところから始まります。

Kindleで面白い本を探してたら、冒頭の1章と池上彰さんのコメントを無料で読むことができて、読んでみたらメッチャ面白かったので、高かったけど(¥1800)買っちゃったわけですよ。

結果としてどうだったかといいますと、、、
長い( ´△`)
超長い!!

いろんな国のメジャーな人たちがどうやって資産を蓄えてるか、いーっぱい紹介してるんだけど、細かい違いはあってもだいたい同じだし、世界のメジャーな人のことも私よく知らないし(笑)、経済にも疎いので、中盤はかなりテキトーに読んでしまった。。。

だがしかし。
延々続くリーク話はくどいけど、これはもうリアルなサスペンス映画でして、リーク話以外の部分は超面白い!

「タックスヘイブン」が抱える闇とは?

何が問題なのか、私も読むまでさっぱりわからなかったんですが、読んで理解しました。

例えば日本で稼いだ金は、普通なら日本で税金としてとられます。その税金は、日本社会に再分配され庶民への社会福祉というかたちで還元されます。

でもお金持ちたちは、少しでも税金を回避して手元にお金を置いておきたい。
そこで彼らはどうしたかというと、タックスヘイブンと呼ばれる税制のゆるい地域(パナマとか)にペーパーカンパニーを作って、ビジネスしてるふうにしてそこにお金を移します。

そうするとどうなるか。
日本の社会で得たお金が日本で循環せず、金持ちの懐にどんどん溜まってしまいます。
結果、どんどん金持ちと庶民の経済格差が大きくなる、というからくり。

モスフォンという会社は、ペーパーカンパニー設立を助けたり、お金が最終的に誰のものになるかを目隠ししてわからなくしてくれる、金持ちたちのお手伝いをしていた会社なんですね。

さらに問題なのは、金持ちのお手伝いだけじゃなく、犯罪者のマネーロンダリングの幇助をしてたことが、パナマ文書によって明らかにされました。
モスフォン、ピンチ!

有名人、いっぱいでます。
プーチンとか、習近平とか、アサド大統領とか、キャメロン大統領とか、メッシとか。

情報はどうやってもれたのか?

情報がどっから漏れたかはまだはっきりしていません。
モスフォンの会社で使ってたCMSがWordPressらしく、そのプラグインのぜい弱性を利用して情報とったというウワサもあります。
ホントなのかな。社内リークじゃなく外部からだとしたら、その人すごい。。。

Netflix がこれを映画化するというニュースもあります。
本は長いしあまりオススメしないけど映画は面白いと思う!!
今後に要注目!

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