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【読書感想】「読書という荒野」 見城徹

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この本の概要

幻冬舎の代表取締役社長、見城徹の読書論。
見城徹が自分の人生を振り返り、読書がどのように自分の人生に影響を及ぼしたかを語っています。
コワモテなおっさん(おそらく本人)がこちらを睨み付けてる表紙が印象的で、みるたびにビミョーな気持ちになります(笑)
こわいのよ。

一人の編集者の読書観と人生観で、なにかを学ぶというよりはこの人の考え方を知るっていう類いの本なので、感想も「ふーん、そうなのね…」という感じww。
安保闘争とか学生運動時代を生きてる人なので、影響をうけた本も「思い込んだら命がけ」みたいな苛烈なものが多く、さらに「苦しくなければ読書じゃない」みたいに言われてしまうので、若干の胸焼け感がありました。

言わんとすることはわかるし、否定はしないけど、「○○じゃなければ読書じゃない」という考え、私は好きではない。
いろんな読書があっていいし、 気楽に小説を読んだって良いじゃん。
読書の間口をあなたがせばめないでちょうだいよ、と思ってしまった。

あと、時代的に仕方がないのだけれど、ひと昔前の、バブリーな編集者の仕事っぷりや、それを肯定している感じに若干イラッとしてしまいましたwww

自分の人生に影響を与えた本

上記のように、あまり共感もなく読んだので、本にたいしてこれといった感想はないのですが、読みながら、
「私の人生に影響を与えた本ってなんなんだろう?」
と考えてました。

そこで、私なりに自分の根っこを作ってくれた本を思い出してみました。
※マンガから影響受けることが多いので、マンガも含めます。

「わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集」 金子みすゞ

大学生のとき、なんとなくテレビを見ていたら金子みすゞの人生を再現した番組をやっていて、そこで紹介されていた詩がすごく心に響きまして。
で、本屋で探して買った童謡集です。
どの詩も本当に優しくて、「こういう感性を持った優しい人間になりたいなぁ」と心から思います。
「みんな違ってみんないい」。
多様性の本質、ここにあり。

宮部みゆき作品

小中学生時代は、恋愛とミステリーが合体したコバルト文庫の本を大量に読んでいました。(懐かしい!!)
高校生~大学前半は読書からは遠ざかっていたんですが、そんな私の読書熱に火をつけたのが宮部みゆき作品。
大学の友達が「レベル7」を貸してくれて、それがすごく面白くて、そこから宮部みゆき作品を読むようになりました。
宮部作品の時代物を読んだことで、他の作者の時代物にも手を出すようになったし、宮部さんと大沢在昌、京極夏彦が同じ事務所だと知ってからは、大沢在昌や京極夏彦にも手を出すようになりました。
私の読書ライフで、視野を広げるきっかけをくれたのが宮部みゆきです。
人の世のままならなさとか、理屈じゃどうにもできない感情とか、人の心の脆さとか、私の心の部分を豊かにしてくれました。
あと自分や他人の「心」を、客観的に、俯瞰して見れるようにしてくれたんじゃないかなぁと思います。

「野火」大岡昇平

高校の国語の教科書に載ってました。
教科書に載ってたのは一部だったけど、ストーリーが気になって文庫を買ったんですよね。
話としては戦争小説。
フィリピン・レイテ島の戦争で、クリスチャンの田村一等兵が、孤独と飢えの末、人肉を食べ、人を殺し、狂うっていう話。
「究極の状況になったら人はどうなるかわからない」っていうのが強烈に残りました。 
「自分にも他人にもわからない自分」はそういうところで出てくるんだな、というのを知った感じです。
あと人肉を食べたっていうのが強烈で…。
ちなみに大学の卒論は、大岡昇平の「武蔵野夫人」。
あまり本を読まなかった中高生時代で、大岡昇平は結構なインパクトだったんでしょうね。

⚫「スラムダンク」 井上雄彦

なにかを諦めたくなったとき、私の心に必ず出てくる安西先生のセリフ。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」
は、今も私の心をもうひとふんばりさせてくれています。
安西先生、バスケがしたいです。

⚫「宇宙兄弟」 小山宙哉

次男が生まれて我が家も兄弟になったというのと、当時流行っていたってことで大人買いした漫画。
宇宙兄弟は、名セリフのオンパレード!
特に私の心に残っているセリフ2つを紹介。

・「「どっちが楽しいか」で決めなさい」
迷えるムッタにシャロンがアドバイスしたこのセリフ。
人生で迷うときは「正しいか正しくないか」よりも「楽しい」で決める。
今の私の人生で、選択肢が現れたときのひとつの指針になっています。
私の人生の判断基準を変えた。

・「俺の敵はだいたい俺です」
ムッタのセリフ。
自分の行動の邪魔をしているのは、ストッパーをかけようとする自分の心であることが圧倒的に多く…。
そこを自覚させてくれる一言。
なにか行動しようと思ったとき、「○○だからできない」と考えるのは、人の心の防衛反応で、自然なことなんだと思うんです。
かくいう私も、そういう考えをすることは多々あります。子どもらも、「○○だからできない」というように、やらない言い訳をすることは多くあります。
こういう心の防衛反応は「当然あるもの」として受け止めつつ、そこを越えていける勇気を自他ともに育てていきたい。
そこにはまず、敵は何であるかを自覚しないといけないんですが、それを自覚させてくれることば。

十二国記シリーズ 小野不由美

小野不由美さんのファンタジー小説。
作中のセリフに考えさせられるものが多く、「自分の愚かさを認める」とか「自立」とか「当たり前を疑う」とか、そういうマインドを教えてもらったような気がします。
これを書くにあたって久しぶりに流し読みしてたら、とまらなくなってしまったwww

⚫「WORK SHIFT」「LIFE SHIFT」 リンダ・グラットン

小説ではないですが、これも私の考え方をアップデートさせてくれた本。
仕事と生活を主体的に生きるためにどう動けばいいかを教えてくれました。
転職への意識を高めてくれたのも、この本の影響があったので、まさに私の人生を変えた本。

他にもあると思うけど、ざっと思い付く「私の人生に影響を与えた本」を挙げてみました。
見城さんと比べると、私の選んだ本、エンタメ感が強い(笑)
ここで純文学をあげられないのが残念なところだけど、まぁ仕方ない。
世代も違うし。

見城さんの真似して、こうやって読書を振り返る機会がもてたのはとてもよかった。
どんな本も自分ごと化すればおもしろくなる。




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