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防災士が選ぶ、防災グッズ③(インフラを維持する。水編)

ここしばらく、日向灘や南米など、地震のニュースも多くなってきました。
嘘か本当か、6月には日本でも大地震が…などという記事も。

私は予知に関しては門外漢ですので、その点についてはコメントはできませんが、
「周期性があるので、いつか必ず起きる」
ということ、そして
「1年という時間は、地球にとってほんの僅かな誤差に過ぎない」
ということは間違いありません。
何せ、地球の歴史は45億年…。
「その時」は5分後かもしれませんし10年後かもしれません。
ただ、現在発表されている各地の大地震の発生確率は「異常に高い」ということだけは間違いありません。

さて、前回の記事では、

基本的なインフラ(電気・ガス・水道)のうち電気について触れてみました。
今回は残りの2つのうち、水道について考えてみたいと思います。

まず最初に、前回の記事でも触れた、復旧までにかかる期間からおさらいしてみます。

・水道
復旧までにかかる時間=3日~3週間ほど

水道管の破損状況によって、復旧までの期間は大きく異なります。
また、集合住宅については、建物内の給水ポンプや水道管の破損がないかを確認しながら給水を再開するため、さらに時間がかかります。
下の階から給水を再開するため、階が高くなるほど復旧に時間がかかります。

状況によっては給水車が浄水を供給してくれますが、復旧まではかなりの不自由を強いられます。

※こちらで紹介するアイテムは、すべて私が自分で使ってみたものですので、自信を持ってお勧めします。

1、水はどれくらい必要なのか

水は、生命を維持する上で必要不可欠なものです。
ところで、人は1日にどれくらいの水を飲めば良いのでしょうか。
年齢や体重によってその数字は大きく異なりますので、
MAYO CLINIC

という団体が出している計算方法がありますので紹介します。

自分の体重に、年齢に応じて以下の数字をかける
・30歳未満の場合:×40
・30歳以上55歳以下の場合:×35
・56歳以上の場合:×30

出た数字を990.5で割る
例:体重70キロ、年齢40歳なら 70×35÷990.5=2.47リットルくらい

ということになります。
成人男性が必要な水分量は2.5リットルくらいと言われていますので、大体合致しますね。

計算式を見るとわかりますが、年齢が若いほど、体重あたりでは多くの水分を必要としていることになります。
夏場であれば、水分蒸発量が増えますのでさらに多くの水が必要になるでしょう。

さて、飲料水の確保はどれくらいの期間を見ればよいのか…ということですが、一般家庭では最低3日分です。
3日後というのは、公的な給水活動が軌道に乗り、水道の復旧作業が本格化する頃でもあります。
ということは、成人1人であればおよそ7.5リットルくらい。
2リットルのペットボトルがひと箱(6本)あれば事足りますね。

集合住宅にお住まいの方は、水道の復旧が遅れることがあります(建物ごとに、給水ポンプや水道管の破損がないかを確認しながら給水を再開するため)。
また、高層階でエレベーターが止まっている場合、給水車に頼ることもなかなか難しいです(重い水を高層階まで運び上げること自体が極めて重労働)。
集合住宅にお住まいの方は、水の備蓄を多めにしておく必要がありそうです。

2、どのような水を備えるか

さて、水の確保というと、まず思い浮かべるのがペットボトルでの備蓄です。
確かに大切。長期間とりあえずストックしておくのであれば、

こちらは、5年という保存期間の長さのわりに、値段もお手頃でお勧めです。
定番のブランドでもありますので、その辺りも安心感がありますね。
災害時は、不安感を和らげるために「見慣れたもの」を使うことも大切です)
ただ、この手のペットボトルは通常でも2年の保存期間がありますので、普通のペットボトル

を購入して、毎年入れ替えても良いのでは?と個人的には感じます。
5年は忘れてしまいそう…という方は、毎年時期を決めて入れ替えでもいいような。

3、給水にも備える

そして、給水活動が始まったら水を取りに行く必要がありますね。
そのためには水を入れる容器が必要です。
私のお勧めは

アイリスオーヤマさんのウォータータンク。
普段はコンパクトに収納できます。
※アイリスオーヤマさんから買いましょう。割安の出品者から購入し、よくわからない商品が届いてトラブルになったケースがあるようです。

20リットルは水を入れるとかなり重いので、よほど腕力に自信がある方以外は10リットルをお勧めします

また、手持ちは大変なので、リュックサックに入れて持ち運んだほうが良いです。
手持ちのリュックで試してみましょう。防災用リュックがあればそれで大丈夫です。

4、実は一番備えてほしいもの

さて、これらの備え以外に、私がもう一つお勧めしたいものがあります。
それは「ポータブル浄水器」

状況にもよりますが、個人的には

最初はお風呂などに貯めている水を、浄水器を使って消費していく
その水が減ってきたら、ペットボトルを開ける
給水が始まったら、給水車の水を優先的に使う

というプランを立てています。
つまり、「日持ちするペットボトルの水は、最後までとっておく」ということです。

携帯型浄水器には、いくつかの種類があります。

①ストロータイプ
水に浄水器を入れ、直接吸い上げて使用します。

メリット
・コンパクト
・安価
デメリット
・浄水量が少ない
・吸い上げるためには肺活量が必要(幼児や高齢者には不向き)

コンパクトですので、バッグに備えておいたり、小学生以上のお子さんに非常用に持たせておいたり…という使い方が向いていると思います。

②ボトルタイプ
水筒型のアイテムに水を入れ、ボトル内の浄水フィルターを使って水をろ過する方式です。

メリット
・飲むために肺活量は必要ない
・ハイキングなどでも普段使いできる
デメリット
・ややかさばる
・浄水量は多くない

ストロータイプよりは浄水量は多いので、ある程度の期間の水の確保が期待できます。
また、沢の水を飲む、という使い方もできるので、アウトドアがお好きな方は普段使いもできますね。
フィルターの交換費用はかかりますが、マイボトルとして使ってみても良いかも
そういった意味では、最も汎用性が高いタイプとも言えます。

③ポンプタイプ
携帯型浄水器としては最もクラシックなスタイル。
名前の通り、ポンプを使って水をくみ上げ、圧力をかけてフィルターを通し、ろ過します。

メリット
・大量の水を高速でろ過できる
デメリット
・かさばる
・高価なものが多い

※携帯型浄水器の多くは、泥水など汚れの目立つ水のろ過は想定していません。風呂水くらいが限界と考えた方が良さそうです。中には、オプションのフィルターを装着して泥水のろ過まで対応するものもありますが…。

ひとまず、おすすめをそれぞれ挙げておきます。
(エラーでカード化ができないので、ひとまず普通にリンクを張ります。後ほど修正します)

①のストロー型浄水器ですが、個人的なお勧めは

東洋技研 ストロー浄水器 mizu-Q.P(ミズキューピー)

とにかくコンパクト。
ストロー型のメリットを最大限に生かすならこれかな、と思います。

②のボトル型浄水器。お勧めとしては

アーバンテック SUPER DELIOS(スーパー デリオス) 携帯浄水器

です。
コンパクトに収納できること、
防災用品として備えておくなら、これが良いと思います。

もし、アウトドアにも持ち運ぶ!ということであれば

Platypus(プラティパス) META BOTTLE MICROFILTER

アウトドアでもバッチリ使える高性能さ。
費用対効果は最も良いと思います。

泥水でも安心して飲める!というスペックを求めるなら、イギリス軍仕様(ミルスペック)の

LifeSaver Bottle

価格は飛びぬけて高いですが、性能は超一流です。

そして、③のポンプ型浄水器。
このタイプは高価なのでお覚悟の上で…。

MSR 浄水器 Guardian ガーディアン

この浄水器は、他のモデルに比べてフィルターの性能が良い(0.02ミクロン)こともあり、ポンプ型ならこの一択かな…と思います。

そして最後に。
ストロー型とボトル型のハイブリッドなのが

SAWYER ソーヤー ミニ SP128

です。

コンパクトで、パウチに水を入れ、別の容器に浄水を注ぐことができます。
または、ペットボトルなどにに接続し、直飲みすることも可能。
使い方のバリエーションが多いので、とりあえず迷ったらこれ、というアイテムです。

というわけで、今回は水の確保について書いてみました。
ご参考になれば幸いです。

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