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教養として身につける地理9 大陸と地形の成り立ち(アフリカ大陸)

前回までの記事

では、北アメリカ大陸について取り上げました。

ロッキー山脈、アラスカ山脈、アパラチア山脈などの平均標高がかなり異なる理由、サンアンドレアス大断層やカリブ海諸国、ハドソン湾についても、その大地の構造や歴史、ちょっと不思議な現象などについても取り上げてみました。

それぞれの高度分布・平均高度を起点に地形や地質について考えることで、その大陸の成り立ちや現状の概観がこれだけ幅広くわかるのだ…と楽しんでいただければと思っています。

では、今回はその続き、他の大陸について同様に考えていきます。

今回のテーマは

高度別割合から見る大陸の概要(アフリカ大陸編)

です。

ちなみに、Africaという言葉の語源には諸説あり、今のところ確実な説はありません。
しかし、私が最もしっくりくる説を一つご紹介します。
1800年代後半、イギリス人作家Gerald_Massey

が提唱した
「Africaとは、エジプト語の「af-rui-ka」が語源である」
いう仮説です。
「af-rui-ka」はエジプト語で「カー(ka)の始まりに回帰する」という意味です。
「カー(ka)」は「すべての人々」という意味があると同時に、「カーの始まり」とは「子宮・生誕地」という言葉も意味しています。
つまり、「回帰するべき生誕の地」という意味で、人類がアフリカから世界各地に拡散した(アフリカ単一起源説)をとれば非常にそれらしい言葉ですね。

現生人類の祖先は一体何者なのか、人類のゲノム解析が進む中で色々な事実が明らかになってきています。
例えば、現生人類の祖先は、およそ20万年前にアフリカにいた一人の女性(通称「イブ」)

だといわれています。
また、30年位前には教科書に当たり前のように掲載されていた猿人→原人→旧人→新人と人類は「進化した」という言い方は、最近では見なくなりました。

今では、それぞれの人々は共存していた時期があることはほぼ確実視されていますし、我々の中にそれらの人々の遺伝子が残っているという話も定説になりつつあります。
さらに、昨年末には

こんなニュースが世界を騒がせたりと、人類の起源に関する探究はまだまだ続きそうです。

さて、大陸の話に戻りましょう。
再度、こちらの表をご覧ください。

今回はアフリカ大陸。
これを見ると…際立つ特徴は

・200m未満の低地の少なさ
・500~1000mの高原の多さ

アフリカ大陸には、他の大陸に比べて巨大な山脈が少ないのですが、それでも平均標高は750m。ヒマラヤなどの巨大山脈を擁するアジアに次ぐ高さです。
以前の記事でも取り上げた通り、南極は平均2500mもの厚みがある氷床に覆われているため平均標高が高くなっています。

しかし、アフリカにはと特にそういった「上げ底」的な要素がないにもかかわらず、標高200~1000mの地域が67.1%を占めているというのは、かなり大きな特徴と考えて良いでしょう。

そして、アフリカ大陸全体の地形をざっくりと表すと、大きく3つの特徴を見ることができます。

①高原地帯(南部・東部)
②平原地帯(北部・西部)
③東側、南北に走る大地溝帯(グレートリフトバレー)

これらを取り上げていくことで、アフリカ大陸の全体像を理解することができます。

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