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老化に葛藤はつきものだけど

以前、ご紹介した「骨のことが好きになる」おすすめ絵本、『ながいながい骨の旅』。

この絵本のことは、上大岡トメさんのコミックエッセイ『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎文庫)の参考文献で紹介されていて知りました。

今までとりたてて病気を経験したことのなかった上大岡さんが、50歳を目前にして喘息を発症。これから先、自分の体はどうなっていくんだろう、骨や筋肉、脳はどうなっていくんだろう……。と、不安と興味を持つようになったのをきっかけに、5人の専門家から教わったことをマンガにしたのが、この本。

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10年ほど前、骨の接合に使う医療品のリーフレットデザインの仕事で調べものをしていたとき、「骨も新しい細胞と古い細胞が入れ替わっている」と知って、驚いたことが。

それまでなんとなく、骨って硬そうだし、鉱物のようなものと思っていた。でも、まだそのときは、教科書的な知識を頭に入れて終わった感じだったのでした。

昨年、骨のことを知りたいと思うようになったとき、上大岡さんの本に出会いました。ここでは骨の新陳代謝の仕組みがイメージしやすいよう描かれていて、よかったです。

骨を強くする運動も紹介されてます。同じ運動するのでも、この本を読むと、骨が強くなるようイメージして出来るのでいいです。

ちなみに「筋力」の章でも、日常で出来る体操が紹介されていて、続けられそうなものをやっています。中でも、ふくらはぎにあるヒラメ筋を鍛えるストレッチを始めてから、足首からふくらはぎにかけてが引き締まりました(当社比です)。おすすめです。

この本がどんな本なのか、しっくり伝わってくる辛酸なめ子さんによる「解説」も素敵です。

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ただ、『老いる自分をゆるしてあげる。』というタイトルは、ちょっとだけ気になります。

老いるのは、生きものにとって、自然なこと。

見た目や体の機能が変化していくのは不安になるし、受け入れるのに葛藤はあります。そんな心情もまた自然なこと。

それでも、若くて元気だったときが正解じゃない、老化は不自然なことじゃない、自然なことなんだという考え方がもっと伝わっていくといいなと思います。

そのことを頭の片隅に置いているだけでも、自分の中に起こっている変化をゆっくり受け入れる下地ができると思うんです。



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