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【ずっと覚えていたい】notte stellata2024【あの日の満天の星空】

13年前の3月10日、何してたかな~と思い出してみたんですが、10連勤だか11連勤だかの最終日で「やっと明日休みだわ…ごろごろしよう…」とか思っていたのでした。

11日に自宅にいられたのは、運が良かったのだな。と思います。

何回か話している事なのですが、私の身の上話的なものを少し。

2011年3月11日14時46分。私は北関東の某県の自宅で被災しました。
地震が起きた直後は事の重大さが分かっておらず、めっちゃでかい地震が来たんだけど!?くらいにしか思ってなかったかな…

事の重大さに気付いたのは、伯父の安否を確認する為に母の実家へ向かおうと道路に出たら信号が点灯していなかった時。
そこで初めて「これはやばい」と思いました。そんなの見た事なかったから。

それまで当たり前のように出ていた水も流れず、どれほど時間が経っても電気はつかない。
けれど陽はどんどん傾き、夜の暗闇が迫ってくる。
「え、ずっとこのままだったらどうなるの?死ぬ?」とか思ったのは…二日目だったかな。一日目は恐怖よりも混乱が大きかったかもしれない。

父は道路関係の仕事をしていたので二次被害を防ぐ為に交通整理や補修の為にその晩は家には戻らずずっと作業。
私も母も、この事で怨み事を言った事など一度もありません。
不安だから帰って来て欲しいとも思わなかったし一度も言わなかった。
むしろ誇りに思います。父の仕事があったから助けられた人がたくさんといると思えば。

あの日の夜は…何で外に出たんだっけかな…
母が近所の一人暮らししてる仲良しのお家の奥さんが気になるからとちょっと出かけて、家に一人でいた時だったかしら。
まぁ13年前もいい歳した大人だったんですけど、流石にあんな状況下で家でポツンとしているのも気が滅入ったし、かあちゃんまだ帰ってこないんかいと思ってふらっと外に出たような、気が、する。

外がびっくりするくらい明るくて、遠目にも星がもうたくさん見えていて、見上げたらそれまで見たことがないような満天の星空がそこに広がっていた。
たぶん、ずっとそこに住んで何もなかったら見ることがなかったほどの星空。
宵闇の空を埋め尽くす程のたくさんの星々。
完全にね、見惚れてしまったよね。作り物ではない、本物の、ありのままの煌めく満天の星空。今でも思い出せる。

人生で心に一番深くて大きい傷を負った日に、人生で一番美しい星空を見た。

けれどそれを「綺麗だった」と言えるようになったのは随分後。
それまでは、なんだか言ってはいけないような気がずっとしていた。
震災という大きな災害の中に、美しい記憶など持ってはいけない、語ってはいけないと、ずっと長い事蓋をしていました。
でも羽生さんがあの日の星空の話をしてくれた時に「綺麗だと思っていていいんだ、美しいと思ってもいいんだ」と、なんというか、呪いから解放してくれた気がしたんですよね。

災害は、とても辛くて悲しい経験です。
あの出来事を境に、私の中の色んなものが変わってしまった。
けれど、そんな中であっても、美しいものは美しいと言っていいのだと。
あの夜に見上げた満天の星空を宝物にしてもいいのだと、羽生結弦さんの様々な言葉や活動を見て、自分で自分にかけていた呪いがひとつ、またひとつと解かれていったんですよね。
羽生さんを知らないままだったら、もっと世間を無意味に憎んだり怨んだし、どうしようもない怒りを抱えるような人間になっていたかもしれない。
そう思うとちょっと怖いな。

だから羽生結弦という人は私の英雄なんですよ。
呪いから解放…って無意識に書いたけど、やっぱり羽生さんは陰陽師だわ。

全然ショーの感想を書かないままこんなに長文してしまった。すみません。ここからはちょっと頭のネジ2億個くらい外した感想を書きたいと思います。

29歳成人男性のビールマンスピン…
見るたびに美しさと軽やかさが増し増しなんですけど…チーム羽生というか、フレンズ羽生というか、なんかもう私の競技フィギュア熱最高潮だった時のメンツばっかりでぐっと来ました。
もう、あの、エモい。
デカ氏、ちょっと見ない間にええ男になっとるなぁ!
無良くんもずっとゆづ坊のいい兄貴分よな~ゆづ坊がどんだけ無茶振りしてもしんどいしんどい言いながらもやってくれる無良のアニキ…かっこええでほんと。
さとこ、俺のさとこがどんどん美しくなっていくんだ…俺のさとこ…(おまえのじゃない
ハビ~!ハビ~!よく来てくれたよハビ~~~!!!
やっぱり何が一番嬉しいってハビと羽生さんが一緒にスケートやってる事ですね…
そしてスケートが上手い…当たり前なんですけど…スケートっていうかスケーティングが上手い…綺麗…

発表された時に「また推し(ジャンル)と推しがコラボ!?」とびっくりした大地真央さまのご出演…
ちょいちょい書いてるとは思うんですけどわたくしそれなりの宝塚ファンでありまして、やはり元宝塚の方が羽生結弦様と共演されるとなると、こう、美と美のマリアージュ!こんな汚い私が見たらおめめ潰れそう!と思っている反面めちゃくちゃめんどくさいメンタルオタクなんで2ミリくらい不安だったんですが(だって元ヅカOGの人にヅカっぽい事させようとすると中途半端過ぎてだいたい事故ってんだもんよ)(ごめんなさい口悪くて)
ついに、ついに、ついに羽生結弦様のカルミナ・ブラーナがこの地上にご降臨あそばされると!!!
「羽生結弦が運命に翻弄される人間、大地真央が運命の女神を演じる」みたいな事は前情報で知っていたんですけど、いや、あのすごかった…
あの時間だけ空間がまるで神話の時代の何かのそれだったわ…
確かに羽生結弦を翻弄できるほどの運命の女神なんて元ヅカのトップ様連れて来ないと無理やわ…(と、納得できるくらいにはヅカオタであり脳がヅカに支配される事を望んでいる
あの、運命の女神と繋がっている鎖だか糸みたいなのにマリオネットみたいに操られそうになって、でも必死で抗って、みたいな振り付けめっちゃ好き。
あと本編始まる前のメルヒェンなあれ、マジで「あれ?ついに羽生さんディズニープリンセスに…?」って思っちゃった。

ローラン(Sound Horizonのファンのこと)脳なんてついつい運命って聞くと「運命は残酷だ!されど彼女を恐れるな!女神が戦わぬ者に微笑むことなど決してないのだから!」って歌詞がよぎっちゃう。
何を捨てても奪われても、捨てたくないのに捨てざるを得ない環境になったとしても、羽生結弦からスケートだけは奪えないし、どんなに強い向かい風であっても羽生結弦の決意という翼は折ることはできない。
この辺で書いてることだいたいSound Horizonっていう超素晴らしいアーティストさんの歌詞なんで気になった方は調べてみて下さいね!
羽生さんいつかブレデフォの曲で滑ってくれないかしら!?

あと運命っていうと平昌の時に中国のアナウンサーの方が言っていたあの言葉が好き。
「運命が勇者に囁いた。嵐には逆らえない。勇者は囁き返した。私こそが嵐だ。羽生結弦は運命に立ち向かう勇者です!」と。

羽生さんも運命に喧嘩売って行くタイプだよね。

羽生結弦さんの新プロ「ダニー・ボーイ」
い~~~~~や~~~~~~見た瞬間変な声出た。家で見る配信で良かった。
私はめんどくさいオタクなんで(何回言うねん)羽生さんに「イケメン」って言いたくないんですけど、言うとしたら「男前になったなぁ」って感じかしら。
私が羽生さんのファンになったのは2014年なので19歳の時。
年上ぶった事を言うつもりはないんですけど、よい歳の重ね方しとりますなぁ羽生さんは。
今年末に30歳になるとは思えん。マジで平昌あたりから歳取ってない気がする。

昨年の鎮魂や追悼、祈りと言ったコンセプトを感じた公演に比べてエンタメ性が増してアゲな雰囲気になりましたね。
2023年は初ノッテであり、あの場所で滑る事も初めで、色々な思いがあったかもしれませんが、今年は一度成功を収めての二度目のノッテ。
この一年で羽生さんやチームのみなさんにも様々な変化があったことでございましょう。そして多くの人々にも。
「明日はまた暗いニュースに包まれる」と羽生さんが言った時、少しドキリとした。
正直私は一番そういうのが嫌だ。
わかってる。当日なのだからそういうものが流れるのは分かっている。
分かっているけれど、あまり見たくはない。聞きたくはない。
自分から話すのはいいのに、他者が語るのを嫌がるとは、どこまで我儘なんだとわかってはいるけれど、上手くは言えないけど。
この神経質さだけはどうしても治らんな。前よりはマシになったとは思うけど。
それでも生きている限りは3月11日は何度だってやって来る。
様々な思いを抱えている人もいれば、抱えていない人もいる。
私の傷は私にしか分からないから。分かってもらおうとするのは傲慢。
自分が傷付かないようにする為、自分の心を守ることの大事さも、羽生さんを応援して行く中で知りました。

さて、私は明日をどう迎えるでしょうかね。
今は元気だけど、明日はわかんないなぁ。
会社の人とかに軽い感じで話振られるのとか絶対嫌なんでなるべく一人で過ごそうと思います。
だってなんて喋っていいのか分かんないんだもん。
あっちだってマジレスされても困るだろ。

私は黙祷をしません。いや、できません。怖いから。
私は誰も喪っていません。
けれど喪いかけました。そうだったかもしれなかった。
津波に、倒壊に、大事な人を奪われていたかも知れなかった。
それを思うと悼みの祈りというものが、どうしてもできない。
友達を亡くしていたかもしれないと思うと、怖くて出来ない。
だから私はいつも今生きている事を噛み締めます。
自分が今生きていること、家族や友人達が生きていること、あの日から今日まで人生が続いていること、そして続いて行くであろうことを噛み締めるのです。
なんというエゴなんでしょう。でもこれでいいと思います。
私ができる事なんてたかが知れているから。
羽生結弦みたいな凄い人を応援してたって、私自身はただの小市民なんですよぉぉぉん…
でも私にとってのより楽で、より幸せで、より前向きな考え方の生き方は、今の所これなんですよね。

私は何者にもなれない。なれないなりに、希望の光を胸に、明日も明日の明日も、その先も、生きて行こうと思います。

ありがとう。羽生結弦さん。私の英雄。私の満天の星空。

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