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死にたいあなたと生きていたい

死にたいあなたへ

私のために、生きていてくれませんか。
これが私のわがままなのは分かっているし、死にたくてどうしようもないあなたにお願いをしてしまうのは、おかしいのも分かっています。
でも、どうか、私のために生きていてくれませんか。

私は、死にたい、消えたいと毎日毎日思っていました。
今でも、込み上げてくる時があるし、一生付き合っていく気持ちだと思います。
死にたい。消えたい。

だけど、私は、死ねなかった。
死ぬを諦めてしまった。

私には、できないことばかりで、その中の1つが自ら死ぬことです。
あとは、私の中から、死にたい自分を追い出すこともできません。

私は、死にたい自分を諦めることで、生きてきました。
死にたい自分と一緒に生きています。

今となっては、死にたい自分がいないと生きていられるか、不安です。
死にたい自分を中心に生きてきたので。

思い込みかもしれませんが、死にたいあなたと私は、同じ種類の人間と思います。
死にたい自分と生きているあなたの存在は、私が存在することを許してくれます。
私の中にいる、死にたい自分をもう1人見つけられたような気になるからです。
勝手ですが、ありがとう。
あなたが、死にたい自分といてくれて、ありがとう。

だから、そんなあなたが、死にたい自分と生きていてくれないと、私は不安でしかたない。

もちろん、そんなこと私に言われたって死にたいものは、死にたい。
死にたい気持ちになるのは、辛い。

でも、あなたがそこにいて、この手紙を読んでくれて、本当に良かった。ありがとう。

この手紙を書くのに、10年もかかってしまいました。
でも、やっと、あなたに読んでもらえました。
本当にありがとう。

死にたい自分と生きてきたから、書けました。
そして、あなたが死にたい自分と生きているから、読んでもらえました。
本当にありがとう。ありがとう。

死にたい自分と生きてきたから見えた景色です。
たくさんの辛さとともに、あなたにも、死にたい自分がいるから見られる景色があります。
苦しみ、絶望、裏切り、孤独の真っ暗闇から見える美しさ、幸せは、一番星です。
いつだって、どこにいたって、はっきり輝いて見えます。

私にとって、あなたは一番星です。


私は、死にたいあなたと生きていたい。