日記(駅前犬)

今日は、駅前のベンチで休憩している

サモエドと少年を見かける。

サモエドも、少年も、ベンチの上に横並びで
座っている。

サモエドは大きいので、ベンチはぎゅうぎゅうだ。

少年は縮こまるように座っている。

すると、そんなサモエド&少年の前を

ポメラニアンを引いた少年が通りかかる。

そして、ポメラニアン&少年は同じように

隣のベンチに腰掛ける。

並びでいうと

少年→ポメラニアン→サモエド→少年

という感じになっている。

少年(ポメラニアンの連れ)は、

少年(サモエドの連れ)に話しかける。

「犬、でかいね」

すると、突然の声に警戒したのか

サモエドが、えげつなく吠え始める。

少年(サモエドの連れ)は

「なんて?」

聞こえなかったようだ。

すると今度は少年(サモエドの連れ)の声に反応し、

ポメラニアンが吠えまくる。

少年(ポメラニアンの連れ)

「なんて?」

サモエド

「ワン」

少年(サモエドの連れ)

「なんて?」

ポメラニアン

「ワン」

のくだりが、もう一度繰り広げられる。

痺れを切らして、

少年(サモエドの連れ)がベンチを立ち上がり

少年(ポメラニアンの連れ)のところへ。

「なんて?」

少年(ポメラニアンの連れ)は、

「犬、大きいね、って言いたかったんだけど」

「たしかに、僕も、君の犬小さいねって言おうとしてた」

「ははは」

「ははは」

サモエドは少年のどいたベンチで、

ゆったりとくつろいでいる。

少年(ポメラニアンの連れ)

「僕の犬、君から見たらどんくらい小さく見える?」

少年(サモエドの連れ)

「うーん、ちょうどりんごぐらい。姫りんごのほう。」

少年(ポメラニアンの連れ)

「そうなんだ。僕は君の犬、大きく見える。ちょうど洗濯機くらい。」

少年(サモエドの連れ)

「そっか、それは大きいね。」

「ははは」

「ははは」

少年(サモエドの連れ)

「姫りんご取りに行こうよ」

少年(ポメラニアンの連れ)

「いいね」

すると2人は、それぞれ

ポケットから手のひらサイズのカプセルを出す。

2人が

「ワンワンワン!」
「ワン!」

と言うと、

犬はカプセルに吸収されていった。

まじすごい。

が、どうやらポメラニアンのカプセルにサモエドが、

サモエドのカプセルにポメラニアンが吸収されてしまったらしく

少年たちは

「えっと、じゃあ」

「うん、えっと、こういうことか」

とカプセルを交換する。

2人はカプセルをパーカーのポケットにしまい、
駆けていく。

少年(サモエドの連れ)はサモエドくらい、
少年(ポメラニアンの連れ)はポメラニアンくらい
速かった。

姫りんご見つかるといいね、と思った。

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