日記

今日は、きったない川の川沿いを歩いていると、

橋のふもとに


このはしっこ渡るべからず


と書かれた木の立て看板が設置されていた。

私は、お、あれじゃんかと思った。

はいはい、と思って橋の端に一歩踏み出そうとしたところで、

しかし、あれ、と思う。ちゃんと


このはし渡るべからず


だっただろうか。

私はもういちどちゃんと読み直した。

読み直したところ、

このはしっこ渡るべからず


やっぱりそうだった、「このはし渡るべからず」じゃないじゃないか。

読み直してよかった。

ちゃんと読んだので、私は自信を持って橋の真ん中に一歩踏み出す。

ずんずん進んでいく。

すると、20歩くらい進んだところで、

向かい側から袈裟みたいな格好の丸坊主のおっさんがずんずんやって来るのが見えた。

おっさんは、なんと禁じられた端っこを、しかも堂々と歩いている。

あれ、と思った。

でも私はちゃんと看板を読んだ。

絶対に合っているので、真ん中を堂々と引き続きずんずん進んでいく。

しかしおっさんもおっさんで堂々とずんずん進んでくる。

いよいよおっさんが真横に。

あろうことか袈裟のおっさんは、迷惑げに私に一瞥を投げてくる。

私も、えっ、とおっさんを見る。

切られたこと無いので分からないが、たぶん私はメンチを切られた。

いいか、とも思ったが、

せっかくなので、切ったこと無いなりに私もメンチを切ってみることに。

メンチ!

するとお袈裟のおっさんは

「ひいっ」

と尻尾を巻いて逃げていった。

やったー

メンチ、これから困ったら切れる時には切っていこうと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?