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ニンジャスレイヤーTRPGリプレイ『テイルズ・フロム・ザ・オーファニッジ』より『ドラゴン・インスピレイション』ほか

◆注意◆これは、2月14日から2月15日にかけて行われたニンジャスレイヤーTRPGのジツ修行やスキル習得をロールプレイング形式にしたものです。本リプレイはプレイヤー、そしてNM=サンから許可を取って掲載しています。この場を借りてお礼を申し上げます。◆奥ゆかしさ◆また、ダイスの表記が統一されていないが原文をそのままに掲載する。◆太字は基本NM=サン(ANIGR=サン)の発言な◆
◆加えて、オリジナルのログから編集や一部表記を変更しているため、原文ままではないことを明記する。◆
インデックス

◆『ヒナコ・ミーツ・YCNAN」◆

【ハラジュク・孤児院アジト】

ヒナコ「ふう……」

電算室でハッキング作業を終えたヒナコは、昔父が使っていた肘掛け付きのオフィスチェアに身を預けたままため息を付いた。

ハッキングといっても犯罪行為ではない。
この少しでも電子的防御を疎かにすれば次の日には口座残高がゼロになっているこの時代、
ハラジュクに無数にある商店からの依頼でファイアーウォールを構築するのが彼女のアルバイトだった。

ヒナコ:「あ、また本家プーレクと元祖プーレクがハッキング合戦やってる……!」:

ヒナコは自らの耳の後ろの生体LAN端子を再びUNIXにつなぐと、不毛な争いに介入すべく電脳空間にダイブした。
この仕事を初めてから、そんなに長いわけではない。もともとパソコンは得意だったが本格的に始めたのは生体LAN端子を開設してからだ。

ヒナコ:「結構高いものもらっちゃったな……いいのかなあ」

ボソリと呟きオーガニックセラミック製のLAN端子に触れる。
ピグマリオン・コシモト社とスゴイテック社共同開発の高級生体LAN端子で、
オーガニック・セラミック素材と高いニューロン通信安定性で身体へのリスクを極限まで抑えている……のだとか。
女子高生の身であるヒナコにはメンテナンス回数券付き、というのが一番の魅力だったが。

しかし、こうして自分で稼げるというのは嬉しいものだ。
プーレク紛争を両成敗したヒナコはLAN端子をつないだままネット空間をザッピングしながらぼんやりと思った。
共同生活している奇妙なニン……ジャーナリスト達は家にそれなり以上のお金を入れてくれるが、頼り切りになるわけにはいかない。

先日スケルター=サンが30万札持ってきたときは流石に驚いたものだったけれど。
(本人はトミクジが当たったからだと言っていたが)
しかし、ヒナコは最近の生活が楽しかった。
二ヶ月ほど前、父と孤児院の皆が殺された時は後を追って死ぬつもりだった。
それが今や、ヒナコの周りには再び家族同然の同居人達がいる。

しかも最近新たに二人、同世代の女の子まで入ってきたのだ。
思わずテンションが上がってしまったなあ、と少しだけ反省する。少しだけ。

ヒナコ:「……そういえば」


女の子といえばスケルターも女性なのだよな、と思い出す。
スケルターはどうもそのことに触れたがらないようで、ヒナコは深入りしないようにしていた。
ヒナコにだって隠し事の一つや二つはある。そういうものは本人が話したくなったら話せば良いのだ。

PING!

突然送られてきた電子的メッセージに、ヒナコは目を丸くした。

ycnan:こんばんは子猫ちゃん、良い夜ね。

((ycnan!?))IRC世界で伝説的なヤバイ級ハッカー! ヒナコの電子肉体が一瞬恐怖でこわばる。

k-hina:ドーモycnan=サン、k-hinaです。はじめまして

KICKコマンド、緊急切断、様々な選択肢が脳裏をよぎったが、ヒナコはあえてアイサツした。
そもそもヒナコは今LAN直結中。もしヤバイ級ハッカーであるycnanがその気になれば、いつでもニューロンを焼き切られ殺されるだろう。
逆に言えば今ヒナコが生きていることが、相手がサイコパス殺人鬼でない証拠でもある。

ycnan:ドーモ、ycnanです。まさか普通にアイサツされるなんてね、逆に驚いちゃったわ。
k-hina:ここは私のローカル空間ですけど、何の御用ですか?
ycnan:プライバシーの侵害については謝るわ。ただ一つ聞きたいことがあって
k-hina:私に?なんですか?
ycnan:正直に答えて。今貴方は幸せ? 毎日が楽しい?

あまりに唐突すぎる質問に、ヒナコは電子的首をひねった。
これはいかなる意図か。あるいはヤバイ級ハッカーの間だけに伝わる一種の符号なのだろうか?
それともLAN直結ニュービーに対して行われる、洗礼めいたちょっとしたからかいなのかもしれない。
だがycnanから伝わる01信号には悪意は感じられない……少なくともヒナコはそのように感じた。

k-hina:……

では、幸せか。父を失い、家族同然だった孤児院の仲間たちを失い、一人になった。
きっと世間的な基準では自分はとても幸せとは言えないだろう。

だが…

k-hina:楽しいですよ。
人のビール瓶を勝手に切ってはしゃいだりしてるような連中がそばにいるから。
ycnan:!

ycnanの驚いたような、笑ったような電子的信号がヒナコの耳元をくすぐった。

ycnan:アンケートへのご協力に感謝します。けど、未成年飲酒は感心しないわね。
k-hina:勝手に人のローカル空間にハッキングして、
年齢まで盗み見るような人には言われたくないですね。
ycnan:これは一本とられたわね。XD

その言葉を最後に、ycnanとの接続は切れた。

ヒナコ「はーっ……まったく、なんだったんだろ」
ヒナコは生体LANを外すと、再びため息をついた。
幸せかと言われたら答えるのは難しい。でも少なくとも今は、多少はタノシイ。ヒナコはそれで良いと思う。
そんな女子高生らしいセンチメントを胸で反芻しながら、ヒナコはキッチンにビールを取りに行った。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆


?「……どうも、予想と違ったみたいよ?」

?「いや、まだわからぬ。ジツやクスリで操っている可能性もある」

?「接続した感じ、そうは感じなかったけど……」

「ヌゥーッ……」

?「ともあれ、これがアルマゲストの討伐のバックドアになるかは私にはまだ分からない。どうするかは貴方に任せるわ――」
?「――ニンジャスレイヤー=サン」

【TEAM ORPHANAGE】


◆カラテの高まりを感じる…◆

ドラゴンボーン…
『ドラゴン・インストラクション』

……とある夜
ドラゴンボーンがいつものように寝酒を飲もうと蜂蜜酒を手に取ると、いつのまにかリビングの椅子にモウケが座っていた。

モウケ:「よいところに来たコワッパ。少し付き合わぬか」

ドラゴンボーン:「……なんだ爺さん。酒か?」 瓶を振る

モウケ:「当然よ。お前達の中で一番サケが分かるものはお前だろうからな」
モウケは言うと、懐から素朴な白い瓶を取り出しました。
「今日は良い月だ。現代で作られる数少ない最上級オーガニック・サケ【カワウソ・マツリ】。ご相伴に預からせてやる」


ドラゴンボーン:「まあな。船上じゃそれだけが楽しみだったからなぁ……マジかよ!」
珍しい褒め言葉。そして我が身に不相応な高価なサケ。一瞬疑念を感じたが、高級酒を前にそんな考えは吹き飛んだ!
ドラゴンボーン:「そういう事なら喜んでお付き合い申し上げるぜ爺様!」

モウケはオチョコを2つ取り出すと、ゆっくりとサケを注いだ。
透き通った液体がオチョコで満たされると、部屋の中はたちまち芳醇な香りで満たされる。
モウケ:「ハッハッハ! 元はオヌシらの授業料だ、ゆっくり楽しめ」


ドラゴンボーン:なるほどな、と思いながらオチョコを軽く回し香りを立たせた後、ゆっくり口に含む
ドラゴンボーン:「アー……これはたまんねぇぜ……」

モウケ:「カカカ!だろう!」
モウケは自分もオチョコを乾かすと、再びドラゴンボーンのオチョコにサケを注ぎました。
モウケ:「いけるクチだな。どんどん飲め!」

自分のオチョコも気にせず注ぐサマからは、普段の胡乱さがわずかに薄れているようにも見える。

ドラゴンボーン:「オイオイ、こんな上等なサケを……いやアンタがそう言うんなら俺も遠慮はしねぇけどよ!」
流石にサケを飲む時は胡乱さも薄れるのか。意外と風流のわかる爺さんじゃねぇか……そう思いながらどんどんオチョコを空ける


モウケ:「昔はワシにもオヌシのような弟子が山程いた……オヌシがワシの弟子かは置いておいてな」
しばらく飲んだあと、いつのまにかオチョコから持ち替えていたグラスを飲み干したモウケは、わずかに酔いをにじませた目で呟きました。

モウケ:「そして一人残らず死んだ。モータルもニンジャも人生は短い、ショッギョムッジョよ」


ドラゴンボーン:「……アンタとは事情は違うが。俺も部下を喪った。全員な」

モウケ:「……そうか」
モウケは一瞬驚いたように間を置くと、寂しそうに笑い、繰り返しました。
「そうか」


ドラゴンボーン:「俺の場合はインガオホーってやつだな……」 サケの甘みはもう感じず、舌に残るのはアルコールの辛さだけだ。わずかに芳醇な香気が喉から鼻に抜ける…

モウケ:「インガオホー、インガオホー……ハハ、ブッダのやつも上手いこと言うものよな」
「さて」
モウケが手を揺らすと、空になった瓶が灰色の砂となって崩れ落ち、消え去ります。
「オヌシ、今は無頼を気取っておるがこれからどう身を立てるつもりだ?」


モウケ:「今のような生活、長くは続くまい……他の童子達と違い、オヌシならわかっておるだろう」

ドラゴンボーン:「……俺は。また、絶対に勝てねえイクサに突っ込んで死ぬのは御免だ。そういう意味ではソウカイヤに尻尾振ってるのが最善なんだろうよ」
ドラゴンボーン:「だが……」「仮に、仮にだ。絶対勝てない死ぬ気でやれば勝てるかもくらいになったら。……それは楽しいイクサじゃねえか。オーディンよご照覧あれ、ってやつだ」
「勝利か、ヴァルハラか。……まあいずれにせよ今のカラテじゃダメだな。それは俺が1番わかってるさ」

モウケ:「なるほど、まるで火花のようだ」クック、とモウケは愉快そうに笑いました。「ワシも少し長生きして耄碌したかもしれん。想像しなんだ答えだったわ」
目に鋭さの戻ったモウケはすくりと立ち上がります。
モウケ:「カラテが足りぬと言ったな。来い、サケに付き合ってもらった礼だ。貴様にはちょっとしたインストラクションをくれてやる」

答えを聞くまでもない、というようにモウケはドージョーへと降りていきました。
ドラゴンボーンは無言でついていった…

◆◆◆

【ドージョー】

モウケ:「……とはいえ、ワシには貴様のソウル……ドラゴンニンジャ・クランのカラテのことはよくわからん」
モウケはドージョーの中央まで来ると、あっさりと言った。
モウケ:「あやつら暇さえあればザゼンし妙な呼吸をしておって……気がつくと恐るべき閃きとカラテで襲いかかってくる」


ドラゴンボーン:「ドラゴンニンジャ・クラン……?そりゃまた……妙な縁のある名だな」

モウケ:「名前だけ覚えておけ。すぐに分かる。身体でな」そう言うとモウケは「**カガミ・オブ・シ**」を持ち上げ、フロシキを取り去りました。
モウケ:「ほれ、オヌシの嫌いなオカルトじゃ」


ドラゴンボーン:「グワーッ!?爺ィてめぇ何しやが……」 目を逸らそうとする

モウケはカッカと笑いながら香炉に火をつけた。ミルクめいた白い煙がドージョーを満たしていく。
白く覆われた視界の中で、不思議なことに、カガミだけがハッキリと残っている。
目を逸らそうとしても、そこにカガミがある。
ドラゴンボーン:「ヤメロー!ヤメロー!」 モウケにか、鏡にか。自分にもわからぬが叫び続ける

モウケ:「ドラゴンニンジャクランのことは、ドラゴンニンジャクランのニンジャに聞くのが一番よ」
楽しげなモウケの声を最後に、ドラゴンボーンの視界は真っ白に染まった。




白い霧は晴れ、ドラゴンボーンはどこまでも広がる砂浜に立っている。
海は墨絵めいて白と黒で揺れ、それは空も同様だ。

ドラゴンボーン:「……クソッ!完全に油断してたぜあのジジイ……帰ったらメチル蜂蜜酒飲ませる…………帰れるのかこれ」

気づくとドラゴンボーンの眼の前に、一人のニンジャが立っていた。ニンジャは身体の輪郭がおぼろげで、メンポの奥の目が影にかくれて見えない。

ドラゴンボーン:「!」 カラテを構える

???:(((ドーモ)))影法師めいたニンジャはオジギをし、声なきアイサツをした。

ドラゴンボーン:「ドーモ、ドラゴンボーンです」 油断なくオジギを返す

ドラゴンボーン:(ドラゴンニンジャ・クランの事はドラゴンニンジャ・クランのニンジャに聞け……か)
「アンタが俺に憑いたソウル……ドラゴンニンジャ・クランの者ってワケか?」

影法師は答えずジュージツの構えをとった。その構えは今まで見てきたどのジュージツにも似ていない。古いそれだ。

ドラゴンボーン:「ヘッ、喋れねえのか。或いは言葉はいらねえってか? そういう所は気が合いそうじゃねぇかよ……」 対するドラゴンボーンは荒々しいヴァイキング・カラテを構える

影法師にはさほどのカラテを感じない。おそらく腕力でもワザマエでもドラゴンボーンの方が上だろう。
だが、奥から湧き上がる熱のようなものを感じられる。
「スゥーッ……!ハァーッ……!」

ドラゴンボーンの海の男が腕っぷしの強さを見せつけるためだけに編まれたそれは洗練された戦闘術とは言い難い。だがそれでも腕力もワザマエも勝っていると確信した

◆戦闘開始な◆

【影法師】(種別:ニンジャ)
体力:6
精神力:3
カラテ:6
ニューロン:3
ワザマエ:3
◇装備や特記事項
◎タツジン(チャドー)
このスキルを持つキャラは、『近接武器』を装備していない場合に限り、
自分が近接攻撃を試みた際の相手の『回避判定』の難易度を+1する。
加えてこのスキルを持つキャラが『近接攻撃』に成功し、かつそこに出目6が2個以上あった場合、
『サツバツ!』の代わりに『ドラゴン・トビゲリ』を宣言してもよい。
『ドラゴン・トビゲリ』に対して敵は回避を試みられるが、回避難易度は+1される。
回避されなかった場合、この『近接攻撃』のダメージは+1される。
『サツバツ!:1』のように敵は後方の壁または障害物に向かって、何マスでもまっすぐ弾き飛ばされる(他のキャラのいるマスは通過する)。
壁または障害物に接触した時点で、敵はさらに1ダメージを受ける。このダメージも必中となる。
吹き飛ばせない巨体のキャラクターの場合は床にたたきつけられ1ダメージを受ける。このダメージも必中となる。

◎チャドー呼吸
自分の手番開始時に【精神力】を1消費して使用、以下の効果を得る
・体力1回復
・その手番のみカラテ+2:

影法師:「……!」
影法師は無言のまま地を蹴ると、ドラゴンボーンへと飛びかかった!


◆ドラゴンボーンの手番◆

NM:アトモスフィアはULTRA HARD(6以上で回避です
ドラゴンボーン:ふむ…
ドラゴンボーン:連続攻撃2、配分4-4
ドラゴンボーン:4d6+4d6>=4= (2+6+5+6)+
(5 ,3,2 5, 2 successes) = 21
NM:サツバツ判定どうぞ
ドラゴンボーン:1d6 = (1) = 1

ドラゴンボーン:「そんなひょろっちい構えで耐えられるかな!イヤーッ!」力任せの2連撃!

影法師:「……!」影法師は回避する。

4d4+4d2>=6= (2+3+1+4)
+(1,1,1,1, 0 successes) = 10

「……!」ドラゴンボーンの激しい一撃が影法師を直撃する!「……!!!!」 影法師は激しく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた!3ダメージ(吹き飛ばされたため連続攻撃の二発目は命中せず)

「……」仰向けに倒れた影法師はゆっくりと立ち上がる。吹き飛ばされたはずの距離はいつのまにかタタミ2枚分の距離に戻っていた。

ドラゴンボーン:「ハッハー!ザマぁねぇぜ! さぁ来いよ……楽しませてく」

影法師:「スゥーッ……!ハァーッ……!」

ドラゴンボーン:目を見開く! (ハヤイ!)

ドラゴンボーンは目を疑った。夥しい血を流していたはずの影法師の傷がみるみるうちに塞がっていくではないか!

◎チャドー呼吸(精神力1消費)
・体力1回復
・カラテ+2

ドラゴンボーン:(なんだ!?ニンジャ回復力ってレベルじゃねェぞ!):

影法師:「……イヤーッ!」
影法師が地を蹴り、ドラゴンボーンへチョップを放つ!

 8d6 = (4+4+2+1+3+3+1+5) = 23
NM:ULTRAHARD+難易度1=必中

チョップの鋭さが先程よりも増している!振り下ろされた影法師のチョップがドラゴンボーンの胸を浅く切り裂いた!

影法師:「スゥーッ……!ハァーッ……!」
ザンシンした影法師は更に謎の呼吸を深める……!


ドラゴンボーンは逃れる手を高速思考で探るも……見つからない!どう避けても必ず当たる軌道!「グワーッ!なんだ…これは…!」

◆1ラウンド目終了◆
影法師残りHP4

影法師:「スゥーッ……!ハァーッ……!」
耳障りな呼吸音が墨絵めいた世界で響く……

◆ドラゴンボーンの手番な◆

ドラゴンボーン:再び連続攻撃2、配分4-4
ドラゴンボーン:4d6+4d6>=4 = (5+4+6+5)+
(3,3 4 2, 1 success) = 21:

ドラゴンボーン:「クソッ!だが押し切れば……!イヤーッ!」荒々しい二連撃!

影法師は慌てる風もなくそのカラテを見つめる……。

回避:6d6+6d6>=6 = (6+4+3+2+5+4)+(1,2,2 ,1,3,4, 0 successes) = 24:

ドラゴンボーン:(なんだあの呼吸は……!?あれをやめさせねぇとヤバイって気がビンビンするぜ)

影法師はカラテの一撃目を回避!ドラゴンボーンは辛うじて二撃目を肩口に掠らせる!
影法師:「スゥーッ!ハァーッ!」

これは錯覚ではない。影法師のカラテの鋭さがどんどんと増している……!
影法師はじっとドラゴンボーンを見つめている……。


ドラゴンボーン:(なんとなく、じゃねえ……どんどん強く……いや洗練されていっている……あの呼吸を繰り返すたびに……?):

影法師:「……イヤーッ!」
再び影法師が地を蹴り、ドラゴンボーンへチョップを放つ!

8d6= (4+3+5+4+4+6+6+3) = 35:
ドラゴンボーン:サツバ……いやこれは!

影法師はチョップを振りかぶり、それを砂浜に叩きつける!
砂が爆散し、ドラゴンボーンの視界を覆った!:

ドラゴンボーン:「!?」

NM:○『ドラゴン・トビゲリ』を宣言。(『近接攻撃』のダメージ+1、回避難易度さらに+1)
ULTRAHARD+難易度+2=必中(過剰)

影法師:「ドラゴン!!」

力強いシャウトが砂煙の中から響く!目眩ましを破って襲いかかってきたのは……恐ろしい威力のトビゲリである!

破壊的な一撃がドラゴンボーンの胸に突き刺さった!

ドラゴンボーン:「てめぇ、小細工を……グワーーーーーッ!?」

NM:『吹き飛ばし』→『壁が無いため地面に叩きつける』(+1ダメージ)
合計3ダメージ
ドラゴンボーン:残り体力5

影法師:「スゥーッ……ハァーッ……!」
影法師は更に呼吸を深める。その傷が癒やされていく……。残り体力4


ドラゴンボーン:「グワッ…ゴホッ!ゴホーッ!」 地面に叩き付けられ、咳き込みながらも立ち上がる!

影法師はドラゴンボーンを見る。「スゥーッ……ハァーッ……!」ドラゴンボーンの耳に否応無しにそのリズムが刻み込まれていく……。

影法師:「スゥーッ……!ハァーッ……!」

ドラゴンボーン:「ゴホッ!ゴホッ!……チクショウ……」 (冷静になれ……最初は勝ってると思ったが……ヤツがあの呼吸を始めてから逆転しちまった)
ドラゴンボーン:(今の俺のカラテじゃあの呼吸をやめさせる事はできねェー……ならば)
ドラゴンボーン:「ゴホッ……スゥーッ…!フゥーッ…!」

影法師:「スゥーッ……!ハァーッ……!」

ドラゴンボーン:「スゥーッ…!」 (真似するのみだ……)
ドラゴンボーン:「ハァーッ…」 (やつの呼吸音をよく聴け…)

「スゥーッ……!ハァーッ……!」影法師は更に呼吸を深める。

ドラゴンボーン:「スゥーッ……!ハァーッ……!」 (やつのカラテの流れを…)

影法師:「スゥーッ……!ハァーッ……!」

ドラゴンボーン:「スゥーッ……!ハァーッ……!」

影法師:「スゥーッ……!ハァーッ……!」
これはいかなることか?影法師とドラゴンボーン、2つの呼吸音が徐々に溶け合っていく。
ドラゴンボーンが影法師に合わせているのか、影法師がドラゴンボーンに合わせているのか、最早それも分からぬ。
だが……ドラゴンボーンには一つの感覚があった。己の身体の深奥にあるカラテ炉に火が灯ったような感覚が


影法師:「スゥーッ……!ハァーッ……!」

ドラゴンボーン:「スゥーッ……!ハァーッ……!」 (……これは。いや、これだ!)

影法師:「スゥーッ……!ハァーッ……!」

ドラゴンボーン:「スゥーッ……!ハァーッ……!」 (呼吸するたびにカラテが満ちる……これがヤツのカラテのカラクリか)

((チャドー、フーリンカザン、そしてチャドー))ドラゴンボーンは、天啓めいて声を聞いた。それはソウルからの声か、あるいはオヒガンから得たエテルの一欠片か。

ドラゴンボーン:「チャドー、フーリンカザン、そしてチャドー」 半ば無意識に反復する。荒々しいヴァイキングカラテといにしえより伝えられしチャドーが、今ドラゴンボーンの中で矛盾無く融合していく。

◆ドラゴンボーンは以下2スキルを取得◆
 

◎タツジン(チャドー)
このスキルを持つキャラは、『近接武器』を装備していない場合に限り、
自分が近接攻撃を試みた際の相手の『回避判定』の難易度を+1する。
加えてこのスキルを持つキャラが『近接攻撃』に成功し、かつそこに出目6が2個以上あった場合、
『サツバツ!』の代わりに『ドラゴン・トビゲリ』を宣言してもよい。
『ドラゴン・トビゲリ』に対して敵は回避を試みられるが、回避難易度は+1される。
回避されなかった場合、この『近接攻撃』のダメージは+1される。
『サツバツ!:1』のように敵は後方の壁または障害物に向かって、何マスでもまっすぐ弾き飛ばされる(他のキャラのいるマスは通過する)。
壁または障害物に接触した時点で、敵はさらに1ダメージを受ける。このダメージも必中となる。
吹き飛ばせない巨体のキャラクターの場合は床にたたきつけられ1ダメージを受ける。このダメージも必中となる。
◎チャドー呼吸
自分の手番開始時に【精神力】を1消費して使用、以下の効果を得る
・体力1回復
・その手番のみカラテ+2:

◆ドラゴンボーンの手番な◆

ドラゴンボーン:「チャドー。これが……チャドー!」

影法師:「スゥーッ……ハァーッ……」影法師はじっとドラゴンボーンを見つめている。

ドラゴンボーン:チャドー呼吸を宣言。近接攻撃:

ドラゴンボーン:10d6>=4= (1 4 6 5 1 2 3 6 2 3 , 4 successes) = 4:
ドラゴンボーン:サツバツ!に代わりドラゴン・トビゲリを宣言。

ドラゴンボーン:(思い出せ。あの飛び蹴りを。絶対不可避の瞬間を狙ったその一撃を!)
先程食らった飛び蹴りを想起し、沈むこむようにしゃがみ……飛ぶ!脚にカラテが満ちる!

ドラゴンボーン:「イイイヤーーーッ!ドラゴン!」 ドラゴン・トビゲリ!それは荒々しさを残しつつも、均整の取れたフォームで放たれた!

「……グワーッ!」ドラゴンボーンのドラゴン・トビゲリは影法師の胸元をオーディーン・ヤリめいて貫いた!!その朧げな輪郭が墨絵めいた飛沫を散らす!

反動で宙返りをうち、着地!呼吸を整えようとするがそのリズムは自然と

ドラゴンボーン:「スゥーッ……!ハァーッ……!」

チャドーのものに!

影法師はそのまま地面に激しく叩きつけられると、仰向けに倒れたままドラゴンボーンのチャドー呼吸と溶け合うようにチャドー呼吸を始めた。

「スゥーッ……!ハァーッ……!」

2つの呼吸は共鳴し、溶け合う。

「スゥーッ……!ハァーッ……!」「スゥーッ……!ハァーッ……!」「スゥーッ……!ハァーッ……!」「スゥーッ……!ハァーッ……!」

2つのチャドー呼吸が繰り返される中で、墨絵めいた景色が崩れていく。空が、海が、砂浜が散り散りになり、白へと還る……。

……
……
…………
………………

【ドージョー】


気がつくとドラゴンボーンはドージョーの真ん中で一人立っていた。後ろには見守るモウケの姿。

モウケ:「終わったか、ご苦労であったな」

ドラゴンボーン:「スゥーッ……!ハァーッ……!」 確認のように、あるいはため息のように1回チャドー呼吸
「……まったく、大したセンセイだぜ」それは自らのソウルにか、モウケにか。

モウケ:「ハッハッハ! ワシはオヌシが何を習ってきたかは分からん。まあ、祝いの言葉くらいはかけておこう」

ドラゴンボーン:「ヘッ、そりゃドーモ!」 言いながら札束をモウケの胸に押し付ける。それだけの価値を認めたのだ

モウケ:「クック、これでまたカワウソ・マツリが飲めるわい」モウケは喉を鳴らすと、一瞬だけ優しげな眼差しでドラゴンボーンを見つめる。
モウケ:「全てはショッギョ・ムッジョ。せめてオヌシの中のカラテがオヌシの短き生の行く先を導かんことを」
チャントめいたその言葉を言い終えた瞬間、モウケはドラゴンボーンの眼の前から消え去っていた。


ドラゴンボーン:「おうよ。チャドー、フーリンカザン、そしてチャドー。先の事はどうなるか分からねえがよ、まあ上手くやってみせるさ」
ドラゴンボーンは虚空に言い残して、木人に向き直りカラテを構える。あのカラテを。チャドーをこの身に染み込ませるために。
ドラゴンボーン:「スゥーッ……!ハァーッ……!

イヤーッ!

『ドラゴン・インスピレイション』終わり

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