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六月二十三日と「戦争中の暮しの記録」

こんにちは。今日は6月23日。沖縄慰霊の日。天皇陛下が以前仰った、日本人として忘れてはいけない四つの日。
6月23日、8月6日、8月9日、8月15日。昨日の夕刊でも紹介されていた。

ご縁があって、何回か沖縄に行くようになり、もちろん海の綺麗さやリゾートな雰囲気、沖縄独特の海の匂いと美味しいご飯にすっかり虜になっているけど、せっかく沖縄にいったんだから行くべきだよと、数年前に旦那さんが沖縄の南部に宿泊予定をたて、平和祈念公園、ひめゆりの塔に行きお花を供えて手を合わせてきた。

南の澄んだ海を見ながら、この海から米兵が乗り込んできたのかと胸が苦しくなった。本当に綺麗な海。ここから鉄の雨を降らされ、銃で追われて、逃げ場なんてないなか必死で逃げ回った一般市民がいた事実があったこと。沖縄戦に備えて連れてくるだけ連れてこられて、たくさんの女学生も兵も、後は自分でなんとかしろと解散命令を受けたこと。沖縄は失礼ながら狭い。逃げてどこへいけばいいのだろうか。どこへいけと言うのだろうか。想像するだけで恐怖しかない。海を見ながらいろんなことを考えた。

日本国内での戦争の被害は沖縄だけではないけれど、沖縄は唯一の地上戦で島民の四人に一人が亡くなっている。沖縄戦全体では24万人と言われているし、尋常な人数ではない。それに加えて戦後もアメリカ統治。

私は恥ずかしながら、沖縄戦について自分でも掘り下げて調べたのは大人になってから。学生と言われる立場の時は広島・長崎と同じ比重では教わっていない。アメリカ統治で知られていなかったのか、私の使えない頭の問題だったのかは知れないけれど。。

歴史って言うと、社会の科目としての一つの認識の人も多いと思うので、(私もそのパターン。)今は情報が溢れている時代。科目としてではなく、自分で興味を持ってぜひ掘り下げて日本の歴史を知れたらいいと思う。歴史は繰り返す、けど戦争だけは繰り返してはいけない、と知るためにも。

今回の本は、戦時中の暮らしについて市井の人たちの声を集めた本。

「戦争中の暮しの記録」

 朝ドラのとと姉ちゃんにハマった時に、これは読みたい!と思って購入したもの。戦時中の普通の人々の暮らしを、投稿の形で全国から話を集め、まとめた本で、朝ドラで出てきたすぐは買えなかった。テレビってすごい。

 疎開先でのこと、子どものいる家庭の話、戦時中残されたのは女の人が多かったので、家庭や子どもの話がほとんどだと思うけど、歴史に残りにくいそれらを知る手段は今まであまりなかったように思う。
どの投稿も、涙が出てくる。戦時中、旦那さんを戦地にとられ、女の人や子どもたちの歯を食いしばっていきた姿が鮮明に浮かぶ。

戦争の経過や、それを指導した人たちや、大きな戦闘についてはずいぶん昔のことでも、詳しく正確な記録が残されれている。しかし、その戦争のあいだ、ただ黙々と歯をくいしばって生きてきた人たちが、なにに苦しみ、なにを食べ、なにを着、どんなふうに暮らしてきたか、どんなふうに死んでいったかどんなふうに生き延びてきたか、それについての、具体的なことは、どの時代の、どの戦争でもほとんど残されていない。


昭和43年に発行されたものだけど、それまでに発行してきた暮しの手帖の中でもこの本だけはずっと早く売り切れたそうだ。そして今でも増版が続いている。

増版が続いている理由は、編集後記にもあるけど、これは、「はい売り切れました」ですむ本ではなく、活字が読める日本人が一人でもいる限り、読み継がれて読み潰してほしい本だとある。編集長の思いが伝わるよう。

中の絵も、どれ一つとっても秀逸です。

そんな物を、何をそういちいち書くんです、と妻はいう。
こんな物でも、もう二度と手に入らないかも知れないから、せめてもの記念に書くんだよ、と夫は応える。

この文章に並んでいたのは野菜の絵。

私にとっては文字数が相当あるので、読み終えると言うよりは、たまに開いて読む感じ。戦争の話を思い出すと、必ず手にとって開いている。沖縄からの投稿は那覇から一つだけ。(私が見た中では)沖縄戦の数ヶ月前の時代のことと書いてある。それ以降はない。郵便事情だけではない、沖縄が戦後もアメリカ統治だったことを証明しているように思う。(沖縄返還は47年)

私はこの日本人の忘れてないけない四つの日には特に、食べものや物を絶対に粗末にしない日にしようと決めている。365日あるうちの4日。しずかに手を合わせようと思う。戦争は最近は8月でも特番など見なくなってしまったけど、一年中ではない、たったの4日じゃないか。日本人なら目を逸らしてはいけない歴史だと思うんだ。そんな時代があって今があると思う日があってもいい。

今日のおやつは、沖縄にちなんで「サータアンダギー」

早く沖縄に行って食べられる日が来るといいと思いながら。

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端っこのは昨日のおやつの残りのポンデケージョなり。

長々お付き合いありがとうございました。あぁ長い。ごめんなさい。
ではまた来週〜

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