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ミッションとプロダクトの関係

私は無類の営業好きだ。

私がなぜ、新卒入社のタイミングから営業職を選んだかというと
  
「コミュニケーション能力がある方だ」という自他の評価があったから × 他にできそうなことがなかったから 

なんとも単純な理由だった。
  
今思うと、前職の人材紹介会社も今のIT会社も、日本の何か社会の大きな課題があって、それの解決のために立ち向かうファーストペンギンのような会社だ。
  
こういう会社で営業をするときに必要になるのは
「私」という人間は、ただの物売りではなく顧客にインサイトを与え続ける第一人者であるという視点だ。
  
プロダクト自体の価値はもちろん、顧客も「私」の会社へのミッションに共感がないと短期的には良くても中長期的にサクセスしない。
  

タイトルを説明するには必要そうなので、例えば話をしたい。

私の前職の人材紹介会社で紹介するのは「20代の第二新卒・フリーター」だった。
今の採用市場には溢れているワードなのでもう目新しくないが、
内定斬りが横行していたリーマンショック当時から、この層への支援を始めていた所謂、市場の老舗だったと思っている。

実際に年間300社以上の社長や人事担当者に提案をしていたので肌感がわかるのだが、今のような採用難とはいえ、どの会社も大学中退者やフリーター、早期退職者を採用したがっていたかというとそうではないと思っている。

そこで、「私」が提案するサービスを使ってもらうためには顧客にインサイトを与える必要が出てくる。

単に売るサービスへの理解ではない。
私が顧客に与えるインサイト=会社のミッションへの共感だった。  


前職の人材紹介会社のミッションには「人」と「組織」と「貢献し続ける」というワードが入っていた。
(ちなみに、私はこのミッションとサービス・商材がマッチしていたから入社を決めた)

このミッションには、この会社がファーストペンギンとして実績を出し存続し続ける理由が詰まっている。(と、思っている)


まず、業界外のみなさんは人材紹介会社と聞いて何を連想するだろうか。

私は行く先で
「今の時代、こんなに企業も採用に困ってるしねぇ〜。ヒト売りって楽でいいね〜人身売買で金もらえちゃうんだもん。」と嫌味を言われることが複数回あった。(言われる度に、頭の中で目の前の人を殴っていた)
  
確かにおっしゃる通りなのだが、

・ヒト(就職する側)は、この情報超過社会で「自分に合った会社」を探すことが大変困難になっている。(情報超過は時に人を惑わす)
・会社(採用する側)は、少子高齢化は元より、時代の流れに合わせた組織体制/風土の見直しや、会社の発信の仕方を工夫できないことで「自社に合った人」の採用のみならず、そもそも面接することさえ困難になっている。
   
だから、世の中に人材紹介会社がたくさん誕生している。
お互いがこれまで以上に「ピンポイント」に、「自分たちに合った」ヒト・会社を求めている時代だ。
  
少し話が逸れたが、こういった背景があるのを良いことに目先の利益得たさの業者はうじょうじょある。(と、思っている)
  
それらと前職との差異として、ミッションが登場する。
  

就職する側・採用する側は何を求めているのか。
ヒトも組織も、その会社に居ることではなく「活躍」を求めているはずだ。


ヒト(例えばフリーター、社会人未経験者)が活躍するためには?
組織がヒトを活躍させられるためには?
そして、それがその場限りではなく中長期的にwinwinになるためには?
  

前述した前職のミッションである『「人」と「組織」と「貢献し続ける」』

このミッションを元に提案サービスが成り立ち、進化し、そしてそのミッションに共感する社員がそのサービスを営業をしていた。


何が起こるか?

・ヒト(就職する側)には、研修の場と履歴書を通さず直接企業と面接ができる場を提供していた
そこから、履歴書に左右されない人生の一歩を踏み出し、自分は活躍するんだという決心を持たせて旅立たせた


・組織(採用する側)には、決意ある20代
と一斉に複数人と面接ができる場を提供していた
そこから、「え!履歴書と印象違うやん!」が生まれ履歴書への偏見が薄くなり、そのヒトに関心を持つようになる。そうすると、採用層へのこだわりを排除できることで面接できるnが増えるという副次的な効果が得られる。
そして、何よりそのような決意を持った20代に活躍してもらうにはどのような工夫が必要か?と、組織変革を考えさせた



今回の例でいうと、「私」が営業担当者として売上を得られる売りものは「ヒト」だった。周囲からは、単なるヒト売りかもしれない。

ただ、「私」の「うちの会社」は違うぞ!という思いには
履歴書採用がなくならない日本の課題感や、「採用できない」「社員が定着しない」という顧客の組織課題を解決する使命感を胸に、精一杯、顧客にインサイトを与えようとしていたという背景があった。

価格がつくモノのみに提案を置いていては、「私」と顧客の間に発展性はない。ましてや、社会は変わらない。

そこには、値はつかないかもしれない。
ただ、この話にこそ社会を一歩ずつ着実に変えることができているという実感と、営業をやめられない面白みがある。

前職の例えを出したが、今の仕事もこれと同じくらいの熱量でやれているのはわたしにとってものすごく幸運だ。
(すべて個人的見解です)

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