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カボションカットのダイヤモンドで概念イヤーカフを作ってもらったはなし。

 現れた左の耳たぶには、きらきらするストーンが一石だけ入った、シンプルなイヤーカフスが嵌っていた。

引用元:∫∞「doublestars」

 広く「推しの概念」という概念が(変な日本語だな)定着する以前から、割と頻繁に作品イメージのアクセサリーやインクを作って貰っていました。

 過去にキャラが着けていたのとイメージが近いキュービックジルコニアのイヤーカフも持っていたのですが、後述の不便に因って着用しなくなってしまいました。

 それでも重要アイテムのイヤーカフは諦めがたく、自分が着けるならやはり「世界でただ一つ自分だけのもの」が欲しい。そう思って15年以上。今の言葉で表現するなら「概念イヤーカフ」を漸く手に入れることが出来ました。

カボションダイヤとの出会い

カボションカットのダイヤモンド

 ダイヤモンドと言えばブリリアントカット、ダイヤモンドと言えば輝きが命――そんなイメージだったので世の中にカボションカットのダイヤモンドが存在するとは思ってもみませんでした。

 遥か大昔にカラーダイヤモンドを少々集めていた私は興味を惹かれ、Parakeeさまの販売会に行きました。

 やっぱつるりとしててもダイヤモンドはダイヤモンドなのでカラーとクラリティが良いのは目玉飛び出るぐらい高いのですね。自分に五千兆円の資産があったらアステリズム効果の出てる大粒カボションを買いましたとも。

 そこで出会ったのが画像のホワイト系ダイヤモンドです。

 遠目からだと半円パールかと思いますが、紛れもない金剛光沢なので真珠光沢と違って艶がギラッとしてるのです。これほんと写真じゃ伝わらない。

 ホワイト系かつ少々黄みがかって薄いクリーム色なので余計に真珠との違いが面白く、ギリッギリ予算が足りたので「いつか何かに仕立てよう」と思い購入しました。


アクセサリー作家・kitohiさま

 話変わってイヤーカフをオーダーした作家さまについて。

 kitohiさまは宝石・鉱物を使ったシルバーや真鍮のアクセサリーを製作されているアクセサリー作家さまです。

 月に数回、テーマに沿った作品をTwitter(現X)で抽選販売されています。シンプルながら個性的なアームや石座、そこに載る石もメジャーどころから稀少石・人工石まで幅広く、人気のある方です。

 販売に当選した場合はリングのサイズや材質、(モノによっては)石座の向きやアームの種類の指定ができるので、サイズぴったりの素敵なリングが届きます。
(もちろんリング以外の作品の販売もあります)

 最近は鉱物系のイベントに出店もされました。私は所用でそれには参戦できなかったのですが、今後も機会があればぜひ見に行きたい……!

 ほんと素敵なので是非インスタで過去作品見てください。


セミオーダー権利獲得

 kitohiさまは定期的にセミオーダーの抽選募集をされるのですが、これまた非常に人気。なかなか当選しないので、連続で落選が続いた人には救済措置があります。私も昨年末にはずれカウントが貯まった為、遂にセミオーダーの権利を獲得しました。

 実は以前から気になっているデザインがありました。幅広アームの横に石座が付く「木の実デザインのイヤーカフ」です。

 私の耳は普通のイヤーカフだと耳の頂点付近でしか軟骨を挟めない形状をしています。まぁぶっちゃけイヤーカフに不向きな耳ですね。キュービックジルコニアのイヤーカフをしなくなったのもこれが理由で、それ以降も買っては苦戦していました(開口部の大きいものを買った結果、落下して破損したり)。

 木の実デザインのイヤーカフはリングを縦長に変形させたような形状かつ開口部も上の方に寄っているので、耳の穴周縁の軟骨に届きます。これなら私でも問題なく着用できそうです。

 つまりkitohiさまの木の実デザインなら推し概念たる一粒石のイヤーカフが実現できるのではと感じたのです。

 冒頭に引用したイヤーカフは、改めてキャラクターデザインを見ると「長い筒状のシルバーで中央に無色透明石が嵌まっている」デザインになっています。ハナから私には着用不可じゃねえか……。というか選ばれし耳たぶじゃないと着けられないのでは……。

 ですが自分の中でのコンセプトは同じイヤーカフでも「再現」ではなく「概念」。

 実はいつもしているイヤーカフスも、ストーンが北極星を連想させるから買った。

引用元:∫∞「polestars」

 材質はシルバーを指定すれば一致しますし、石も私北極星を想起できれば何でも良いわけです。そこで思いついたのが前述のカボションダイヤ。サイズはイヤーカフに丁度良いし、金剛光沢の艶も美しい。ブリリアントカットようにキラキラしていないのが却って日常使いし易そうです。


デザイン決定までのやり取り

 作ってもらうアクセサリーは決まっていましたので、Twitter(現X)のDM上でkitohiさまと詳細を詰めます。

kitohiさまからの最初のご質問
みねのの最初の回答

 まずはカボションダイヤの写真と一緒にセミオーダーの基本事項をお伝えしました。⑥の設問は、kitohiさまのアクセサリーを5つ以上所持している場合のみ可能なオプション(例:ファセットカットされた石の覆輪留め)があるための確認です。

 回答送付時点では木の実デザインの場合シンプルな爪留めの石座のみ可能だと思っていたので、別の石座も選べるのは嬉しい驚き。セミオーダーのオプション一覧画像を確認して何にしようか迷いつつ、カボションダイヤをkitohiさまのもとに送り出しました。

 また、石座の位置に関しての追加質問は左耳用のイヤーカフなので正面から見て右側である旨回答しました。

石座検討のやりとり①

 オプションから候補に挙げた石座は覆輪留め、渦模様、ジオの3種。

 なおカボションNGだったジオは上のリンクの右から3番目のリングの石座が該当します。実はこのリングが私が購入できた最初のkitohiさまのアクセサリーです。

 残る覆輪留めと渦模様ですが、この時点では私の中では覆輪やや有利。渦模様は「私のイヤーカフ」とだけ考えると最高に可愛いのですが、背景にある概念を考えるとちょっとフェミニンに寄りすぎるかなとも思ったのです。

 ひとまず渦模様は枠が石より大きくなりすぎないかが気になったので枠とダイヤの比率を確認したい旨お願いしました。

石座検討のやりとり②

 カボションダイヤが無事にkitohiさまのところに到着し、渦模様の枠の想定幅を見せて頂きました。これはバランスがいいな、と思ったら覆輪留めだと加工リスクが高くなるとのこと。肉眼じゃ判らなかったけどクラックかぁ……ダイヤは硬いけど割れるからなぁ……。

――というわけでかなり悩んだ結果、石座はリスクの少ない渦模様に決定しました。この時のこちらからの返信が年を越すほど遅くなってしまい今でも恐縮の至りです……。


イヤーカフ完成まで

 デザインが決定したら後は完成まで待つだけです。

石留め前の最終確認

――かと思いきや石留め直前の最終確認連絡が来ました。なんてご親切な! すき!

 ここでOKを出したところで制作費をお支払い。今度こそあとは待つだけです。

完成①
完成②
完成③

――すてき! 本当に素敵!!

 完成画像が送られてきた時はほんとハイテンションでした! 渦模様がゴッホの星月夜の星の光のよう!

 これが私にとっての北極星、なんて贅沢なんでしょう。

届いたイヤーカフ

 イヤーカフは可愛らしい花と一緒に我が家に届きました。実物を目にしてみると、シルバーの石座の影響でカボションダイヤの黄みが抑えられ、白さが強調されたように見えます。

 また実際に着けてみるまではと密かに恐れていた着用感、これもすんなり耳の穴周縁の軟骨に引っかかってくれ、しかも長時間経っても全然痛くなりません。最高です。


届いてから

 イヤーカフは毎日左耳に着けています。今日は出社日でマスクとの併用に戦々恐々だったのですが(花粉症は既に辛い)、マスク着脱時に紐がイヤーカフに引っかかって大惨事、といったことも起きてません。今後は着けたまま寝落ちしたりお風呂に入ってしまったりしないよう、何より落としたりしないよう気をつけなければなりませんね。

 本記事の作成にあたりDMでのやりとりスクショの掲載を許可してくださったkitohiさまに深く御礼申し上げます。

――で、結局誰の概念なのかって?
 自分からは言いません、今は、まだ。

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