【小説】 オレンジを、半分ずつ【後編:A】
勤務初日は、オリエンテーションが主だった。
昼休みには、昨日飲み会で仲良くなった女子、海堂さんと食堂でランチをした。
「昨日、楽しかったね」
「うん。みんな個性的だったよね」
「ねー。海堂さんのタイプの人はいた?」
「あたしのタイプは…いたような、いないような、だねえ」
「えーなにそれ気になるー」
「山村さんは?」
「私は…いたのかも」
「どういうこと?」
私は海堂さんに、夢の話をした。
昔から同じ、奇妙な夢を見ること。昨晩、ついにぴったりの片割れを発見したこと。