その体温が伝わるなら

作品には作者の魂が宿ると思う。

さて、コミケに行ってきたお話。

夏コミ3日目に行ってきた。10年ぶりくらいのコミケ、今回はお目当てがあったので勇気をだして。

コミケ。それは同人誌即売会の聖地。
その名に相応しく、人で溢れて熱気がすごい。
本屋では出会えない作品の数々に圧倒される。
人波を掻き分けながら目当てのサークルを見つける。

これください

ありがとうございます

交わす会話などこの程度。
でも本を手渡された瞬間あっと思う。
ああ、この人がつくってるんだ、と。

色んな理由で作品をつくり、売っているのだと思う。
どんな想いでも形になったそれにはすごく熱がこもっているように感じられて、はっとする。

元々目に見える(視認できる)モノに比べて見えないものは苦手で。本は紙が良いし、音楽はCD、お金もできれば現金使いたい派。
デジタルなものは何故か"あるんだけどない"状態になってしまって、大切にできないような気がして。
そこにつくった人がいないわけではない、それを知ってる、でも忘れそうになる。

直接売り買いできる場は、作り手を意識するという意味で原点に戻れた気がした。
同じ人間がつくっているんだと思ったら尊敬の念しかない。
文字を書く人も、絵を描く人も、モノを作る人も、すごい。
形にできるって、すごい。
形にできたらそれは誰かに何かをきっと伝えられるから。

本を買わせていただいたサークルの皆様、私は皆様の作品で楽しい時間を過ごせています。

話が少し戻るけれど、デジタルが悪いって話をしたいわけじゃない。
デジタルだから距離なんて関係なく作品を届けられる。
デジタルだから、(作品にとって余計な情報になりかねない)作者の情報を排除できる。
嵩張らないし、劣化しない。
良いところ、いっぱいある。

便利なデジタル世界だからこそ、たまーに、こんな機会があるから良いのかもしれない。
つくる人がいて、手にする人がいる。
どちらも同じ、人だってこと、お互いに忘れないでいたい。

余談。
今回、数年前から好きで好きでいたサークルさんに買いに行ったのです、初めて。
大好きな作品の作者の方にありがとうが伝えられて、一言二言の会話だったけれど、鳥肌がたつくらい、震えました。
忘れられない体験をありがとうございました。

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