見出し画像

美しき芸術の都市《ロシア・サンクトペテルブルグ》

ロシア第二の都市・サンクトペテルブルグに降り立った感想は

「“帝国”ってこういうことを言うんだ……」

でした。

でかい。あまりにでかい。なにもかもでかい。
同じ“帝国”とはいえロシア帝国と大日本帝国とは規模が違いすぎる。
戦争して勝てるなんて到底思えない。
そして、美しい……

なかでもロシア帝国当時の首都サンクトペテルブルグは「芸術文化の都市」と言われています。芸術・文化については首都モスクワよりも盛ん。そう、本当に、美しかった!

劇場、美術館、文学館、博物館、教会、宮殿……それらの密集するサンクトペテルブルグは、ロシアの芸術都市とも言われています。

当時、ただただ圧倒され続けたサンクトペテルブルグの記憶を、振り返ってみます。わたしはロシアのことについては一般的にくらいの知識しかないけれど、その日本とは違う文化、美しさ、巨大さ、強さ、繊細さをただ尊敬したい……!

①エルミタージュ美術館

"世界三大美術館"のひとつ『エルミタージュ美術館』。総収蔵数は300万点以上と言われ、約270万点の作品が、約1000の部屋に納められています。3日間ぶっ通しで見続けても見終わらない。

美術館は5つの建物で構成されていて、建物自体が世界遺産。メインフロアになっている水色の『冬の宮殿』はひときわ美しい。

『冬の宮殿』とだだっ広い宮殿広場を挟んで向かい。どこまで続くのか写真におさまりきらない大きく長い建物は、エルミタージュ美術館の新館『アルカ・グラヴノヴォ・シュタバ宮殿』。旧参謀本部。

宮殿広場ではやたら豪奢な人たちが。ちなみに一緒に写真撮ったらお金とられるやつ。

②血の上の救世主教会

『血の上の救世主教会(Храм Спаса на Крови)』。1881年、当時のロシア皇帝アレクサンドル2世がこの場所で爆弾テロで暗殺されました。聖堂は皇帝の死を悼み、事件現場の上に教会を建設したのが名前の由来。

日本には馴染み少ない建築で、おとぎ話のように感じるかもしれない……見えますかこのてっぺん!!!

玉ねぎ型のクーポラが特徴的。パステルカラーの色づかいは、ほぼロシア、北欧、日本のみで見かける感覚な気がします。

外観がとても印象的なので目を奪われてしまうけど……実は見どころは内観にあります。なんといっても、これ!!!

これ実は全部、モザイクタイル!!!
壁から柱、天井のすべてがイコン画で埋め尽くされています。

近くで見ると……

ほら!ぜんぶ!石を組み合わせたモザイク!!
建設当時の一流画家たちが制作に携わったそうです。モザイクの細かい色の違いで陰影が表現されています。細かすぎる手作業!!!

こちらも、教会入り口の綺麗な天井ですが……

モザイク!!!!!!!緻密!!!!!!!

しかし微細なのはモザイク画だけではありません。

見上げるほど大きな扉も、それ自体が大規模彫刻のような立体的な力作!!

この『血の上の救世主教会』は、あまりに緻密でロシア装飾建築の最高傑作とも称されています。

教会前の歩道では、パフォーマンスをする人も多かったです。

③聖イサアク大聖堂

"サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群"として世界遺産に指定されている『聖イサアク大聖堂』。高さ102m、面積が800平方メートルを誇る世界最大級の教会です。(てっぺんが太い灰色なのは工事中です。本当は細い……)

写真の下の方に人の頭がチラチラ見えるのがわかりますか?
そう、とにかく、ものすごく巨大な建物なのです!

聖堂を取り囲む柱廊には、48本の大きな円柱が立っています。の円柱は、なんと一本114トンもあるそう!!

④カザン聖堂

『カザン聖堂(Каза’нский кафедра’льный собо’р)』 。サンクトペテルブルクにおけるロシア正教の中心です。視界にはいらないくらい大きい……。向かいの大通りにもたくさんの文化建築が建ち並んでいます。

⑤芸術広場

『芸術広場』には、ロシア美術館やミハイロフスキー劇場、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーなど芸術に関する施設が集合していて、芸術文化の中心地。上野公園みたいな感じです!
どーんと中央に建ってるのは、詩人プーシキン像。

芸術広場で一番目立つ『ロシア美術館』。
世界遺産「サンクトペテルブルグ歴史地区と関連建造物群」に含まれる建物で、ロシア国内最大級の収蔵品数を誇る美術館です。約40万点にも及ぶコレクションの中には聖像画イコンや、移動派の作品など様々なジャンルの芸術を楽しむことができます。

周囲にはいろんな劇場やギャラリーが集合してるのですが、わたしが行った時には改修中だったりして建物の美しさが堪能できず……残念。

それでもさまざまな演目がおこなわれています。

通りを歩けばポスターだらけなのがテンションあがる!!!

他にもいろんなもころに行ったんですが、もうなにがなにやら……。通りをひとつ越えるごとに美しい文化建造物がありすぎて、けっきょく時間が足りない!街そのものも巨大で圧倒されます……

⑥マリインスキー劇場

『マリインスキー劇場』。
1783年に女帝エカチェリーナ2世の勅令によって開設された帝室劇場。ロシア帝国を代表するオペラ・バレエの中心施設でした。石造りでなので「石の大劇場」(ボリショイ・カーメンヌイ劇場)の名前で親しまれていたそうです。

船で……

海がすぐそばで、街中には広い川も流れています。船で周遊するのも楽しいです。

オレンジ色のこの宮殿は世界でも珍しい色なのだそう。船でガイドさんが「ここで不倫スキャンダルがあってね」と突然言い出した衝撃で詳しい解説が耳に入ってきませんでした……

橋の上から手を振ってくれた親子。

そして、サンクトペテルブルグのなかでもひときわ大きなネヴァ川へ……

急に視界が広くなり、海に乗り出したような気持ちになりますが、潮の香りはしません。遠くの岸に、また新たな宮殿や要塞、城壁などが見えて、近くで見上げるよりも街全体を俯瞰して感じられる船ツアーはおすすめです。

船から見た『エルミタージュ美術館』。数えてみたらバス12-3台分の長さ……やっぱりデカイ。

街角にて。

そのほか街で見かけたアレコレをいくつか……

コーヒースタンド。デザインが可愛い!(そして縦にでかい)。車輪がついているのでわかると思いますが、移動式です。ナンバープレートもついてます。車両扱い……?

街中に馬車!? 馬がいるのはいろんなところで見かけるんですけど、馬車!浅草や京都の人力車みたいな感じなんでしょうか。

軍施設。当然ですけど街中にも海にも軍関連の施設があるんですが、とにかく、でかい。広い。

マトリョーシカ……なぜか困り眉毛&アニメ顔。€929(約12万円)って書いてあるように見えるんだけど……マジで?

期待を裏切らない大量の酒。どれも度数がキッツいです。シュッとしたデザインのボトルが多い印象。

マスクたち。デザイン(頭上)がロシアらしいのが特徴的かな。

とにかく芸術と文化の規模が違う場所でした。いろんな国に行きましたが、ただただその規模感に圧倒されたのは初めてです。デカくて豪華で絢爛で微細で美しく、そしてどれもが冷たい印象のデザイン。

寒い国の巨大な"帝国"、でした。

おまけですが……

こちらは日本にもっとも近いロシアの都市・ウラジオストクでみつけたお土産(チョコレート)。どういう意図なんだろう……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?