会社員を経て、知識ゼロから起業!合同会社LoL 黒田健太さんに聞く「はじめの一歩」の踏み出し方
自分の人生は自分で決めたい。
だから起業する。
合同会社LoL代表の黒田健太さんは高専を卒業後、そのまま就職。“起業”とは無縁だったと話します。
会社の一員として働く自分にモヤモヤを感じ、「今の環境を変えたい!」という思いで選んだ道が「起業」でした。
会社で働きながらコツコツ勉強を続けた黒田さんのお話を伺うと「知識ゼロでも、勉強や経験を重ねたら起業できる!」と勇気が出てきます。
起業に興味はあるけど、なかなか一歩を踏み出せない人や不安を抱えている人こそ、黒田さんの歩みはヒントになるはずです。
長期的な目で見て、事業内容を決めた
――LoLでは、どのような事業をされていますか?
タピオカ屋と、脱毛サロンを経営しています。
タピオカ屋は、2019年12月に津山店、2020年4月に問屋町テラス店をオープンしました。
脱毛サロンは2020年12月、岡山駅の近くで「Men’s ZERO」を始めました。男性・女性問わず脱毛でき、ひとつの店舗にセルフで施術できるスペース・人が施術するスペースと両方あります。
――「タピオカ屋」と「脱毛サロン」……。まったく違う分野で事業を立ち上げたのですね。
当時はどの分野で起業しようか考えていたのですが……。
長期的に会社を続けるために、事業を安定させるのを最優先にしました。
2019年夏はタピオカがかなり流行していて、岡山でも長時間並ばないと買えなかったんです。「作ればお客さんは集まる」とわかったうえで、まずはタピオカ屋を選びました。
店を始めたのは流行のピークから約半年後でしたが、夏の熱狂はなくても「岡山ならまだ波は来るだろう」と思いましたね。
――とはいえ、タピオカがお好きだったのでは?
実はそうでもなくて(笑)
起業する前は「アンチ・タピオカ」くらいの気持ちでした。
タピオカ屋は1年後までに5店舗くらい作って売却するつもりでしたが、2店舗作った今、店舗を増やさずにいます。コロナウイルス感染症の影響で、飲食店での事業拡大に難しさを感じたからです。
別の事業を考えた末、辿りついたのが“脱毛”でした。
脱毛をするのが当たり前になっているので、「人口は減るけど『脱毛したいと考える人口は増えていく』」と考えたんです。ある程度成長できる業界で事業を作っていく方が、会社を長期的に続けられますよね。
生き生きしている起業家に憧れた
――黒田さんのお話から、「会社を運営すること」そのものに強い興味をお持ちなのかなと感じます。
たしかに、自分の人生は自分で決めたいと思って起業したので、会社の代表としていろいろ挑戦できてうれしいです。
僕は一度会社員を経験していて、入社して1ヶ月くらいで「おもしろくないな」と感じ始めた過去があります。
どうにかして会社から脱しようと考えて、株・FX・仮想通貨などを独学で勉強し、実践していました。いろいろやってみた結果、起業するしかないんじゃないかと思ったんです。
――独学ですか?!どのように勉強していたのか気になります。
本を読むことは多かったです。本を読んだり、インターネットで調べたり。
特別なことはしていないですよ。
ただ勉強すると、ますます会社を脱したい思いが強くなりました(笑)
例えば、僕が働いていた会社で株の話をしても、同じ目線で話せる人がいなかったんです。もう「自分の道は自分でつくろう」と決意しましたし、その方が、自分がやりたいと思う生き方だなと思いました。
――株・FX・仮想通貨と学んだ黒田さんが、起業の道を選んだ理由はなんだったのでしょう?
今振り返れば、周りにいた起業した人が生き生きしている姿に憧れたからだったと思います。
まずはLoLの共同代表である、同い年の出資者。彼は以前から自分の力で仕事をしていたんです。会社に属するわけでもなく、「自分が決めた道で稼ぐ」姿が羨ましかったのを覚えています。
また、起業する直前にhomingという津山の創業スクールに通っていました。会社で働くだけでは関われなかった方々と出会い、視野が広がるきっかけになりました。ビジネスに興味がある人との日々は刺激的で、独学とは違う良さがありましたね。
やっぱり「どこに自分の身を置くか」で、生きやすさがまったく違うと実感しました。
人の行動は単純ではない
――起業して特に大変だったことはなんですか?
最近ぶつかった壁は、脱毛サロン「Men's ZERO」の集客です。
苦戦したからこそ“人は「安いから」や「良いものだから」という単純な理由で行動しない”とわかりました。
店舗を始めた当初は、セルフで行う脱毛スペースのみを構えていたんです。「脱毛は高いから、セルフで安くできたらお客さんが来るんじゃないか」と思っていました。
だって、やりたいことが安くできたらいいじゃん!って思いませんか?!
――そうですね……。私も脱毛をしましたが、値段のハードルは高かったです。
そうですよね!
でも、実際セルフでやってみたら、あまり人が集まらなかったんですよ。当たり前ですが「人の行動には、行動を起こすための思考があって、その思考にも段階がある」と気づいた瞬間でしたね。
例えば、セルフエステで想像してみてください。「セルフエステに行く人はどういう人なんだろう?」と。
答えは「人が施術するエステは高い」と思っている人です。かつ、「値段が高い」という発想は、実際に体験しないと生まれないんですよ。
「人が施術するエステに行く⇒『エステは高い!』と実感する⇒安くできるならセルフのエステに行きたい」という思考の段階があるんです。
同じことが脱毛にもいえます。
加えて脱毛のゴールは「毛をなくす」こと。店舗がいくつあっても、最終的なゴールはみんな一緒なんです。
店舗に行って高い金額を提示されても「他店と比較するのも面倒だし、どうせ脱毛できるならここでやろう」という発想になるんです。
そう考えると、セルフ脱毛に行く人はかなり限られてきます。
「安いから人が来る」という発想は安直でしたね。
――「思考には段階がある」。ここでお話しなければ思い起こさなかった気がします。それを今は、どう乗り越えようとされていますか?
Men's ZEROは「人が施術する脱毛」にもシフトしています。
今、同じ店舗内に「セルフスペース」と「人が施術するスペース」を両方作っているんです。「人が施術するスペース」を設けた瞬間にお客さんの数が増えたので、需要があると思いました。
現在、新店舗オープンの準備をしていて、人が施術する脱毛サロンを開店予定です。内装にもこだわっているので、ぜひオープンしたらお越しください!!
起業はいいことしかない
――知識ゼロから起業されて、苦労の連続だったと思います。反対に、起業してよかったと思うことはなんですか?
よかったこと……しかないでしょう!失敗してもプラスしかないと思います。
――言い切りましたね!!
起業すると、自分でできる幅が広がりますよね。
会社の作り方も、銀行からの融資の受け方も、マーケティングの仕方も最初はわからないので、自分で学んで経験していくしかないんです。
大変そうに聞こえるかもしれないですが、会社員時代より経済面も精神面もプラスになると思います。
出会う人の数もかなり増えましたね。
出会いの数だけインプットの質や量も変わってくるので、本当にプラスしかないです。
――人とのつながりの大切さは、どんなときに感じますか?
会社をやっていくうえでのつながりは、2種類あると思っています。
「事業者同士のつながり」と「お客さんとのつながり」。
事業者でいうと、つながりから他の事業を展開できたり、お客さんになってくれたりと本当に助けられています。
特に問屋町テラスの方々とは仲良くしてもらっていますね。
お客さんとのつながりを感じたのは、タピオカ屋でカップホルダーイベント(※)をやったときでした。
僕から「カップホルダーイベントをやります!」と言ったわけではなくて、お客さんからやってほしいと言われたんです。
韓国アイドルに詳しいスタッフは誰もいなかったものの、やってみると想像以上にお客さんが来て驚きました。新たなお客さんとの出会いもあったし、新たな集客方法を知れたきっかけでもありましたね。
(※カップホルダーイベント:韓国アイドルの誕生日をお祝いするイベント。ファンのリーダーである「マスター」がカップホルダーを作って店舗へ持ち込み、買った他のファンたちと誕生日を盛り上げる。ファンがアイドルを育てる韓国ならではのファン文化)
ひとつの事業に捉われず、事業拡大を目指す
――今後やりたいことを教えていただけますか?
まずは人が施術する脱毛サロンを岡山県内に4店舗くらい作って、事業を拡大していきたいです。
目指すは3年後に年商10億。自分で生き方の選択肢を広げるためには、稼ぐことも考えないとなと思います。
でも「この業種で一生がんばろう」とは考えていなくて。
その時々で自分にできそうな新事業を立ち上げていき、やりたいことが見つかればそちらに進んでもいいかなと思っています。
――「これがやりたい!」という意思も、もちろん大事だけど、考え方をシフトしていく柔軟性も大事というか。
違う分野に着手するのもいいですよ。
色々な事業をやった結果、やりたいと思うものが見つかればいいのではないでしょうか。
ゼロから勉強したい人こそ、長期目線で起業を
――最後に、起業に興味がある人へメッセージをお願いします。
僕は起業が身近にあったわけではなく、本当にゼロから自分で勉強しました。経験してわかったのは、会社・事業内容両方をゼロからスタートするのことの大変さです。
だから、はじめは三番煎じでもいいと思っています。「東京で流行しているタピオカ屋を、岡山でオープンする」というのが一例です。
“まずは成功している人の真似をする”
真似をしてわかることもたくさんあるし、その方が安定して事業ができるはずです。
やりたいことをやるのは、誰かのマネをしてからでも遅くはないと思います。ゼロから勉強したい人こそ、ぜひ長い目で起業を考えてみてください!
編集後記
社会人を経て、知識ゼロから起業した黒田さん。
「自分の人生は自分で決めたい。だから起業する」という決断は、生き方の選択肢のひとつを「起業」にしていいんだ、と気づかせてくれました。
はじめの一歩を踏み出すのは、誰もが勇気を必要だと思います。
大きな一歩でなくていいのです。「小さな一歩でも、誰かが歩んだ道での一歩でも、前に踏み出したら必ず道は開ける」そう教えていただきました。
黒田さんのように長期的な視点を持てたら、焦らず着実に前進していけそうですね。
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(黒田さんよりコメント)
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