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【詩】触れたい

わたしはもう
何者になることも
ないでしょう
目を瞑って
遠くの潮騒を聞いても
夏の森の
いのちの息吹に
耳をそば立てても
夜空の神秘に
インスピレーションの
明滅をみても
もうなにも
感じなくなって
しまいました
わたしは哀れで
ちっぽけで
虚しきもの
でももしもひとつだけ
願いが叶うなら
あの頃の
あの時に戻って
もう一度だけ
あの笑顔の
あなたの頬に
触れたい

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