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「手先で作ったのバレるよ」ずっと前に言われた言葉がいまも脳裏に浮かぶ

新卒で入社したときに、もっともお世話になった先輩に言われた言葉。ここ最近脳裏に何度も浮かぶ。

もっといいものを作りたい、もっと取材上手になりたい、もっと構成できるようになりたい、もっと編集うまくなりたい。欲望と焦りで忙しかった20代の自分。はやく認めてほしいと願っていた当時。

そんな焦りと共に仕事を進めていた中、周りは私が作った告知(CM)を見て「上手」「よく作れている」と言ってくれたが、尊敬していた先輩からは「手先で作っている」と言われた。それが染みすぎて染みすぎて仕事の進め方がわからなくなった。スランプとも言うけど、考えまくり、悩みまくり、手も頭も全てストップして会社の最寄駅である表参道をわざと使わず、遠くの駅まで歩き、悩み、少し泣いた記憶がある。率直にバレた・・・って感じ。上手な人を真似して自分のもの風にしたが、所詮ハリボテだというのが、見る人にはわかるのだ。自分も情けなくて悔しくて恥しい。

周りは褒めてくれたが「(新人にしては)上手」であり、「(新人にしては)よく作れている」という評価だったのだのかも。

次回見せた時のリライトは相当緊張した。でも、ミスっていいなと思った。間違いを指摘されるのもいいなと思った。自分が成長する機会が現れたのだ。だから手を抜かずに、誰かが誉めなくても、馬鹿にしてきても愚直にやっていかないと。

新しい仕事をして、しかも社員数も増えた環境に身を置き、社会人生活が10年経っても感じる。手先でやっていないか、自分の考えや意見の元となるピュアな部分を、無駄な情報を削ぎ落として見る癖をつけないと。社会人10年から得た知見は味方であるが、時に垢である。そんな気づきがあってよかったなぁと感じた2022年の師走でした。

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