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コミュニティの中で生きるということ。

今週は、「アオイエ」というコミュニティハウスに取材に行ってきました。
アオイエは全国12箇所に拠点がありますが、今回伺ったのは下高井戸にある一軒家。そこでは9人の若い男女が共同生活を送っていました。
最近はテレビ番組などの影響もあって、他人同士がひとつ屋根の下に暮らすシェアハウスもだいぶ一般的になってきたと思います。
私の無料塾に来てくれるボランティアの若い子の中にもちらほらシェアハウス暮らしがいます。

アオイエさんで伺ったのは、ただ部屋をシェアするというだけでなく、「コミュニティ」であるということを大切にしているというお話。
家族ではないから深く干渉し合うことはないけれど、でもお互いに夢を語り合ったり、悩みを相談し合ったりしながら、いろんな人の価値観に刺激を受けて成長できる場がここ……というお話でした。

そういえば、似たような場所があるな……と思ったのが、そうそう、我が家じゃんw
今回のトップ画像は、1年前の冬に我が家で行った中学生たちの冬期講習の様子。朝から晩まで勉強をして、みんなでごはんを食べて帰る、という5日間の冬期講習でした。
こういうイベント的なときだけでなく、私の家は一室を無料塾に通う受験生たちが勉強できるように開放しています。本棚には参考書や問題集、辞書がズラリ、部屋の片隅に積み上がった段ボールにも寄付でいただいた問題集がどっさり。通称、「塾部屋」です。
ここに平日学校の後に勉強しに来た子には夕食を出して、一緒に食べることにしています。
子どもだけでなく、ボランティアの仲間たちと鍋をやったり飲み会をやったりすることもあります。

ここに来た生徒たちとは、いつもの塾のときとは違ったいろんな話ができるんです。家族のこと、友達のこと、学校の先生のこと、部活のこと、恋愛のこと、みんないろんなことを話していってくれます。聞いていると、自分が中学生のときはどうだったかなぁと考えたり、ときには親や先生の気持ちになって考えてみたり、普通に暮らしていたらあまり考えないようなことをたくさん考えさせられます。「今はそういう時代なのか」とか「そういう大人も確かにいるね」なんて、気付くこともたくさんあります。こうやって、私もこの部屋でたくさんの刺激を受けている。
生徒たちも勉強がてら、ここでいろんなことを話して何か気付いたり、考えるきっかけにしたり、してくれてるんじゃないかなぁと思っています。
まさに、互いに成長し合えるコミュニティがここにできてるという感じ。

大人になっていくと、こういう場所ってどんどん減っていって。私の場合は行きつけのバーがいくつかあるからまだいいのかもしれないけれど、そういうお店にも行かなくて、会社と家の往復とか、子育てとお仕事に手一杯とか、そういう大人たちの多くは、気付かないうちに閉塞感を感じてしまっているのではないかなぁと思います。
相談できる人がいないというのは、相談できる場所(コミュニティ)がないということでもあって。そういう閉塞感の中で、何か躓きがあったときに、どこに助けを求めたらいいんだろう。今すぐ誰かに聞いてほしいということがあったり、誰かと会ってどうでもいい話をしていたら忘れられるのにと思ったり、そんなときに行く場所がないと、何かいろいろなことに歪みが生じてしまうこともあるんじゃないかなと思います。

だから、無料塾や子ども食堂は、コミュニティとしての機能を意識しておくことがとても大切なんだと思います。
コミュニティハウスにたくさんの若者が集まってきているように、今私たちに必要なのは、そういう日常生活の中にある人とのつながり、当たり前のように誰かといられる場所なんだろうなと。

そういえば……、去年の夏には、新しくできたシングルマザー専用のマンションの説明会に行ってきたのでした。
そこはマンションの中にキッチン付きの広い共有ルームがあって、お母さんが働いている間に子どもたちがそこで勉強したり、くつろいだり、ごはんを食べたりできるのだそう。マンションに住むお母さんたち同士の交流の場にもなれば、という話でした。
今は高齢者専用のシェアハウスもちらほら出てきています。若者だけでなく、いろいろな人が互いに助け合いながら住める場所が増えていったらいいなと思います。

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