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学校給食及び給食施設のあり方についてpart.1

一般質問


先ず初めに、小中学校及び特別支援学校等において、温かくて美味しい給食を日々提供して頂いていることを感謝申し上げます。
私自身が小学校給食の調理員をしていた経験から当時、加古川市に中学校給食が実施されていなかったので保護者や地域の方、また教員などの協力を得て、1日でも早く中学生に栄養の整った給食を食べてほしいと中学校給食の早期実現の請願を11年前とその翌年に合計約31,000人分の署名と共に市長と議長に提出した経緯があります。学校給食は、私にとって、とても深い繋がりがあります。
さて、学校給食法では、適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図り望ましい食習慣を養うこと。また食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深めることとあります。それ以外にも食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養い食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこととあります。
学校給食や給食施設においては、保護者の給食のご理解と共に残食についての課題や災害時に備えるなどの整備が必要だと感じていますので私なりの視点で加古川市に質問をしました。

学校給食における食育の推進状況について

 近年、食の大切さや安全性に関心を持ち、食材選びや調理方法などに拘りを持つ方が増える一方で、関心はあっても仕事や日々の用事に追われ、毎日理想的な食事を摂るということが難しくなってきている
のも現実ではないでしょうか。偏った栄養や過剰な食品添加物の摂取、朝食欠食など食生活の乱れや肥満・痩身傾向など、子どもたちの健康と発育にとても心配な状況があります。その中で、食を通じて地域の持つ特性等を理解することや、食文化の継承を図ること、自然の恵みや勤労の大切さなどを理解することはとても重要です。
 本市でも、食育については学校や教育委員会等で取組まれています。我が子が食べている給食を保護者が実際に食べることができ、栄養教諭からも食育や栄養面等を訊けるのが「給食試食会」でした。また、年に1度開催される給食展は給食の歴史年表や学校給食の必要性・栄養教諭・栄養士、調理員の役割や工夫を伝えられる貴重な機会でした。しかしながら、コロナ禍や学校給食会の解散により激減・消滅したように思われます。そこで質問しました。
➀本市の学校給食において食育推進の現状は。
②また、給食試食会や給食展は非常に大事な役割を果たしていると考えますが、開催継続に対する本市の考えと今後の予定は。

【答弁 教育総務部長】
➀食育推進については、給食を「生きた教材」として活用する為、郷土料理や行事食などの多様な献立を取り入れています。また、「給食だより」の配布や給食の時間に食材などのクイズなどを実施して、食材の旬や地産地消について児童生徒に関心を高めるよう啓発に努めています。
②給食試食会については、コロナ禍により開催を見合わせる学校が多くなっておりましたが、今年度は小学校28校中15校が開催し給食の試食や栄養教諭の講和を行っています。また、給食展は学校給食会の解散後は開催しておりませんが、日岡山学校給食センターで保護者を対象に給食の試食・施設の見学・栄養教諭の講和を開催しました。

学校給食における食育の推進状況について、井上やすこの意見・提言

食というのは人と人を繋ぐ最高の手段であると考えています。給食試食会を学校で行うことは、とても重要で加古川市ではコロナ禍から給食について「おいしくない」「安心安全なのか」など、マイナスな声が聞こえてきました。給食試食会は栄養面・給食コスト・食材の現状をお伝えして理解してもらう役割であり教育委員会・学校・保護者・生徒の接着剤だと思います。
保護者の心配な声は実際、試食会も少なくなってきて現状が分からない不安もあるかもしれません。
学校で一度、コロナでストップしてしまったものを復活するのは難しい学校もあるのでは?と教育委員会から校長会などで促すように要請しました。
また、給食展は子どもたちだけではなく、保護者やその周りの大人の方たちにも給食室で働く人たちや農家・運搬者などの関係者に対して勤労の感謝の気持ちを養うことができる場だと考えているため、その場を提供することも提言しました。

給食の残食処理及び食品ロス削減について

食品廃棄物・食品ロスの削減は、「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標の一つです。SDGsの目標に、「 つくる責任 つかう責任」 という項目があります。この目標には11項目の具体的なターゲットが設定されており、その3番目では、
「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」とあります。
 学校給食の残食は本市においても、事業系一般廃棄物でかなりの量が廃棄されているのが現状です。
 世界の貧困地域で食料の保存が出来ずに破棄されている問題とは全く違う形で、先進国では食べられる食品が大量に廃棄されているという現状に正面から向き合うことが重要です。そこでお聞きします。
➀給食において食べ残しの削減や食品ロス削減に繋がる取組みがあれば、詳細をお答えください。
②次に、大量の残食を有効活用が出来ないかお聞きします。
給食の残食をバイオガス発電用などに再利用をしている山形県天童市は年間に約100万円かかっていた処理費用を30万円削減した他、CO2の削減にも繋がっています。静岡県菊川市では、バイオガスで発電した残りかすを農業肥料として再利用しています。このような再利用を本市でも将来的に活用することへのご所見をお伺いします。
答弁 教育総務部長】
➀給食において食べ残しの削減や食品ロス削減に繋がる取組みとしては、児童生徒が苦手と思われる野菜などの食材を小さく切ったり、主食であるごはんを食べやすくするために、味付けに変化を付けた献立をたてることなどで食べ残しの削減を行っています。
また、児童生徒には、食育の一環として給食をしっかりと残さずに食べることで健全な心身の成長につなげ食生活や食習慣に向けた教育を実施している。給食配膳後に余ったものに対しては、担任教諭がおかわりを促す声かけを行っている。
②給食の残食をバイオガス発電用などに再利用することについては、現在、近隣に再利用処理施設がないため、小中学校の給食の残食は一般廃棄物として焼却処理しています。今後、引き続き施設の整備状況等について注視していきます。

給食の残食処理及び食品ロス削減について、井上やすこの意見・提言

今回はバイオマスや堆肥という形で提案させてもらいましたが、環境面やコスト面で難しいのであれば、給食の残食だけで考えるのではなく広い目で、下水汚泥(げすいおでい)の有効利用も教育委員会と環境部で研究していただき、あらゆる方法をさぐって頂くことを提言しました。

次回は、
オーガニック給食の可能性について
災害時の学校給食施設の役割について
災害時の学校給食施設の危機管理について
を報告します。







 



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