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加古川市に対して「不登校について」議会で一般質問を行いました。

不登校児童生徒、フリースクールや民間施設への支援の在り方について


 全国的に不登校児童生徒が依然として高水準で推移し、生徒指導上の喫緊の課題となっています。本議会においても一般質問で度々取り上げられ不登校児童生徒へのきめ細やかな支援を求めてきたものと認識しています。
 不登校になる原因がハッキリしている場合もあれば、本人にとっても全く分からず、不登校でなくなった後から「そういえば、アレが原因だったのかな」と、ふと思う場合もあるようです。どちらにしても心に負担を負いながら学校生活を送っています。
「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、全国の国公私立小・中学校における不登校児童生徒数は、16万4528人と、平成25年度調査から6年連続で増加しています。
令和元年10月に文科省が出した通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」の内容に加え「教育の機会確保法」が民間施設との連携が必要と求めていることなど、そして実際にフリースクール等の民間施設を居場所としている子どもたちが増えてきていることなどを踏まえ、兵庫県教育委員会は令和2年3月に「不登校児童生徒を支援する民間施設に関するガイドライン」を策定。各市町にもガイドライン(基本方針)の策定や見直しを呼び掛けています。
隠れ不登校の数は入っていませんが本市の昨年度不登校児童生徒数は小学生83人、中学生294人となっています。その中で「わかば教室」に在籍している割合は小学生は8.43%、中学生11.56%、決して多い割合ではありません。私の周りでは加古川市が行っている「わかば教室」や「アタック・ゴー」の存在を知らない不登校生徒の保護者さんもおられました。現状として自宅で過ごしたり、フリースクールなどの民間施設を利用している児童生徒が大部分となっています。本人に最適な居場所の確保。必要な教育が受けられる学習環境。そして費用面などでも当事者、保護者は苦渋の選択を迫られている方が多いのではないでしょうか。
また、兵庫県内の公立小中学校が新型コロナウィルスによる休校を経て6月1日に再開してから夏休みに入るまでに、感染不安を理由に登校できない児童生徒数が全41市町中23市町に少なくとも254人。加古川市では小中学校で18人いたことが神戸新聞の取材で分かっており、その中で登校できない児童生徒への対応は自治体によってばらつきがあるようです。
 そこで不登校児童生徒、保護者、そしてフリースクールや民間施設の支援の充実が今よりもさらに図られることを期待する想いで質問させていただきました。

Q 1.加古川市の民間施設に関するガイドラインについて

 県が今年の3月に「不登校児童生徒を支援する民間施設に関するガイドライン」を策定しましたが、本市では、令和元年11月に策定した「民間施設についてのガイドライン」の見直しはされたのでしょうか。

A 1.教育指導部長答弁

 平成22年11月に策定した「民間施設についてのガイドライン」を令和元年11月に見直しました。その後、令和2年3月に兵庫県教育委員会が「不登校児童生徒を支援する民間施設に関するガイドライン」を策定しましたが本市との比較をしましたが変更箇所がないことを確認しております。

※再質・答弁

 加古川市のガイドラインには図示したものがないことを指摘しました。加古川市の回答はそれは考えてはいなかったが、今後、県の図示したものを参考にしていきたい。また加古川市は非常に早い段階でガイドラインが策定されていたにもかかわらず、県のガイドラインの自治体例として選ばれなかったのかという質問に対して、「令和元年まで学校復帰を目的とする」という文言が抜けていなかった為に選ばれなかった要素があったと答弁した。

Q 2.当事者や家庭及びフリースクールやその他、民間施設への支援について


 不登校児童生徒の受け皿を一つの目的とするフリースクールやオルタナティブスクールなどがあり施設体制は多種多様ですがフリースクールに係る必要な費用は、平均月額で3万3000円に上り、それに加え入会金があるところや、交通費、教材費なども必要なので負担は軽くありません。そういった負担の大きさゆえに民間施設の存在は知っていても在宅にとどまってしまうケースもあります。不登校になっている我が子の受け皿があるのに費用面であきらめてしまったと保護者さんからお話をお伺いしました。また、生徒数に応じた施設への補助があれば、授業料を少しでも減額できる可能性もあるが、今の状態では厳しいと、民間施設の方の切実な想いもお聞きしました。
 上越(じょうえつ)市などではフリースクールに通う児童生徒に対して入学金や授業料を助成しています。本市でも民間施設に通っている児童生徒に対する助成や施設側への補助が必要だと思いますがご所見をお伺いします。

A2.教育指導部長答弁

 フリースクール等の民間施設に通っている不登校児童生徒に対する入学金や授業料等の助成については現在考えていません。しかし、通学定期の割引を受けることができるよう支援しております。
また、フリースクールに係る費用が高額であることは認識しており、不登校児童生徒やその保護者への支援の在り方について検討すべき課題であると考えています。
 そこで、本市児童生徒が通っているフリースクール等の民間施設との連絡会を実施し、支援の在り方について研究していきたいと考えております。
施設側の補助については、フリースクール等の民間施設は、児童生徒を広域に受け入れていることから、本市単独で施設への助成を行うことは多くの課題があることから、今後、国や県の動向を注視しながら研究していきたいと考えております。

※再質・答弁

 公立学校に通えない児童生徒が民間施設を居場所として求めており、交通費が支給されているとはいえども加古川市が独自で交通費を支給しているわけではなく交通費の学割という内容でしかない。今後、民間施設を否定するものでないのであれば、学費等を支給すべきだと考えるが、可能性はあるのかないのかという質問に対して、激的に今までとは状況が変化し民間施設などを必要化されている。本市としても他市町の状況を研究していきたいとの答弁があった。
 また、民間施設の連絡会等で当事者や保護者の意見は取り入れていくのかという質問に対し、民間施設の連絡会で意見交換はしていく予定だがまだ、当事者や保護者の意見を聞くに至っていない。しかしながら学校で当事者や保護者の意見を聞いているという答弁があった。

Q 3.ICTによる学習活動を出席扱いにすることについて


 6月の定例会において本市では令和2年度中に端末を小中学生に1人1台配布されることが可決されました。昨年の岡田議員の一般質問でもありましたが、ICT学習活用により自宅で授業が受けれると授業の流れも分かりますし、取り残された感も少しは軽減できると思います。そこでお聞きしますがICTの活用をもって出席扱いとしてはどうかと思いますが計画などがあるかお聞きします。

A3.教育指導部長答弁

 文部科学省の通達に準じて、本市においても一定の要件を満たす場合、ICTによる学習活動を出席扱いしています。
 具体的には、保護者と十分な連携が取れること、学習の理解度を踏まえたプログラムを実施すること、必要に応じた対面指導を行うことなど、総合的に判断することとしています。
 しかし、出席扱いとすることで家庭に引きこもりがちとなる期間が長期化しないように支援を続けていく必要があります。
 なお、今年度、市内において1件の申請があり、出席扱いとしているところです。

※再質・答弁

 加古川市は今年度中に児童生徒に1人1台端末を配布するということだが、不登校児童生徒が授業の背景を見れるなど、今よりも進化するのか。という質問に対して、担任と対面で話し合いをするということなどに使えるが、それが今すぐ授業をリアルタイムに見れるのがいいのかどうかについては今後考えているところである。と答弁があった

Q4. 不登校を経験した生徒への進学支援及び就職支援の在り方について


 今、中学3年生はまさに高校進学や就職に向けて必死に努力を重ねているところです。不登校を経験した生徒に対しても、それに配慮した進学支援及び就職支援が必要と思いますが、どの様に行っているのか、又それに関する課題などありましたらお答えください。

A4.教育指導部長答弁

 中学校においては、メンタルサポーターが別室での学習指導や定期テストの受験ができるよう配慮し、また、教員が欠席時にはポストインや希望生徒を対象に生徒の完全下校後の補充学習などを行なったりしながら学力保障に向けた支援や心のケアに努めています。
 一方、課題としては、学校生活を十分に経験できず、対人スキルを含めたコミュニケーション能力を育む機会を不足することや、支援を行う為の時間が十分に確保できない事です。
 このような生徒に対しては、キャリア形成も含めて進路相談の中で自分の良さを見つめたり、将来の夢を描いたりできるよう教師、保護者が話し合い、生徒個々の課題や希望に即した進路先の情報を提供しております。

※再質・答弁

 不登校児童生徒の評価物の提出ががない場合、評価ができないといった課題があると思うが、改善をするべき点として大人目線なのかこども目線なのかで、大きく変わると思うが、生徒の進学・就職に対しての意見などの相談が教育委員会には入っているのか。という質問に対して、学校に来ていない分、情報が手に入らないといったこともあるので、個別で面談といった形を取っている。

Q5. 新型コロナウイルスが不安で登校できない児童生徒への対応について


 新型コロナウイルスに関しては先行きがみえない状況となっています。神戸新聞は7月下旬、夏休みまでの登校できない児童生徒数を各自治体ごとに分けて調査しており、登校できない理由として「持病のある高齢者と同居している」「自分や家族に基礎疾患がある」とのことでした。この場合、出欠の取扱い、授業の対応は自治体によって様々で、その中でも登校できない児童生徒への対応について工夫している市町がありインターネットのウェブ会議システム「Zoom」の利用や放課後補習の機会を設けるなど、授業を受けられるよう配慮が行われたということでした。そこで、お聞きします。
 本市では、緊急事態宣言解除後の一定期間、感染が不安で登校できない児童生徒を欠席扱いにはしないという対応がされていました。現状として感染終息という出口が見えないばかりか第2波に続き第3波の懸念がされています。今後、自分や家族、友人たちのことを心配し登校できなくなった児童生徒の出欠の取扱いはどうなるのか。そして、今までに感染不安が原因で登校できない児童生徒への授業の配慮はあったのか。また、今後、その理由で登校できなかった場合の配慮として計画があるのか。お答えください。

A5.指導部長答弁

 感染の不安・心配を理由に登校できない児童生徒については、保護者の同意のもと、学校長の判断で欠席扱いとしない事としております。
 学習面においては、担任が課題等を渡し、家庭の協力のもと学習を行い、その学習成果は担任が受け取り添削し、付箋を付けて助言を行うなど分かりやすい指導を行ってまいりました。
 今後、新型コロナウィルス感染症が理由に登校できない児童生徒に対してはこれまでに行ってきた家庭訪問や手紙のやり取りに加え、ICT環境を活用していくなど、個々に応じた支援を行う予定としてます。
 登校できない児童生徒にとって居場所づくりができるように、更なる環境整備に努めてまいります。

※井上やすこ意見

 部長はコロナが不安で休んでいる不登校児童生徒は今はいないと答えたが、年間30日、学校を休むと不登校となるが、30日以内の休みでは不登校とは言わず隠れ不登校として数字には入らない。わたしのところにはコロナが不安で休んだという話が入ってきているが不登校ではなく不安で休んでいる生徒はいると考えている。今後、コロナに関わらず、いつパンデミックがくる可能性があると先を見据えて学習などの準備はしていくべきである。

井上やすこ提言

 不登校対策につきましては、学校はじめ関係機関が連携して日々取り組んでいると思います。登校できなくなってしまった子どもと保護者の不安というものは計り知れないものがあります。「学校」という施設がもっている機能を超えたところに問題解決の糸口があるのではないか?という視点に立つ時期に来ているのではないのでしょうか?
先日、民間視察を見学に行って印象に残ったことは本来、通うべき学校に通えなかったこども達が、その施設には毎日元気に通い、明るい表情で学んでいた姿です。
 反面、今こうしている時も悶々とした思いを抱えながら自宅ですごしているこども達が大勢いるわけです。その子たち総てが民間施設を選んで通うべきだと言っているのではありません。居場所の確保として、学校以外の選択肢も用意しておく責任があるのではないかと思うわけです。
 実際、他市では民間施設や不登校児童に対して補助金があります。それは保護者や不登校児童生徒などのニーズでありますから是非、加古川市でも調査を重ねていただいて実現させていただきたい。
 また、不登校の生徒も進学についても課題はしっかりと向き合っていただき解消していただきたいです。

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