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夜空はなんで暗いのかという話

ぼんやりとYoutubeを徘徊してたら「オルバースのパラドックス」というお話を見つけました。これがとても面白かったので簡単に紹介します。

当たり前の考え

夜に空を見上げてみると、たくさんの星たちが燦燦と輝いています。とっても綺麗です。綺麗な星空を求めて旅行に行く方もいると思います。長野県の阿智村なんかは有名なのではないでしょうか?私も行ってみたいです。

暗い暗い黒色が明るい星を際立たせています。なのですが、

どうして夜空って暗いんだろう?

って一度や二度、疑問に思ったことはないでしょうか?私はありません。

夜空が暗いのは当たり前。その中で星がある部分だけ輝いているんでしょ?

多くの人がこのように考えると思います。私もそうです。

ただ、どうやらこの問題はそんなに簡単な話ではないみたいです。まずは、「暗い部分があるのは変じゃないか?」と言われはじめた際の考え方を説明します。

夜空が暗いのはおかしい

このように、疑問を持った人の考え方を紹介します。

まず、前提として宇宙というものは果てしなく広がっているとしましょう。果てしなくというのは本当に果てしなく無限遠まで広がっているということです。

とすると、

「星が存在しない部分は存在しない」

ことになります。日本語が難しいですが、夜空を見上げればすべての方向に、遠かれ、近かれ星がある、ということです。

動画で紹介されていた例を用いれば、無限に広がる森の中で、適当な方向に矢を放ちます。ただし、この矢は減速しません。とすれば、必ずどこかで木に当たるよね。ということです。

どこにでも星があれば、暗い部分は存在しないはずです。

確かに、と思う反面、こう考える人もいると思います。

「遠くの星は光が弱くなって地球からは見えないだけじゃね?」

と。私も同様に思いました。でも、どうやらそれも違うみたいです。

仮定が増えますが、宇宙において一様に星が存在してるとしましょう。このとき、地球から半径 r における面積要素は r の2乗に比例して増加します。当然、含まれる星の数も増えます。地球に届く光の量はといいますと、r の2乗に反比例します。結局のところ、それらが打ち消しあい宇宙全体で同じ明るさになるそうです。

難しいことを言いましたが、要は、遠くになればなるほど見上げた角度において、対象となる星の数が増えます。数が増えれば明るさも増えます。明るさが増えたので遠くまで光を届けることが可能となります。

ということです。

「じゃあ、なぜ暗いのか」に対する新論

前節で「暗い部分があるのはおかしい」理由を述べました。ここで「暗いのは当然」という考えを持った人が現れました。

その人曰く、

宇宙には無数のゴミが漂っている。
そのゴミが光を遮っているから暗くなる。

というものでした。そう言われればそんな気がしてきます。

「そのとおり!」と言いたいのですが、どうやらそれも違うようです。

ゴミが光を遮っているとすれば、そのゴミは光を受けてだんだんと熱されてきます。長い時間をかければ、とっても暖かいゴミができあがります。そして、そのゴミは元の光と同様な光を放つようになるそうです。

そのゴミの光を遮る新しいゴミが、、、と繰り返されて、結局は光は地球に届いてしまいます。

どうして暗い部分が存在するのか?

核心に迫っていきます。

この問題にはどうやら、「光の速さ」と「ビッグバン」が密接に関係しているようです。

「宇宙は膨張し続けている」って聞いたことはありませんか?これはその通りで、宇宙は私がこれを書いている現在も休まず膨らんでいます。

時間の経過により膨らむということなので、昭和の宇宙は令和の宇宙より小さかったということになります。では、遥か昔に戻りましょう。だいたい140億年前です。

過去に戻るとどんどん宇宙は縮んでいきます。縮みきったとき、宇宙は一つの点になってしまいます。この点が宇宙の始まりであり、俗にいう「ビッグバン」ってやつです。

ここから宇宙はどんどん大きくなりました。

さて、今度は光について考えます。光は1秒で地球を7.5周も周れるほど速いそうです。時速にして10億km/hらしいです。

そんなにも速い光ですが、膨張する宇宙の広さにはかないません。光が全力で走っても1年かかってしまう距離というのが定義されています。1光年というやつです。私はポケモン赤・緑のニビジムのトレーナーから教えてもらいました。「時間じゃない距離だ」ってやつです。

とすれば、夜空を見上げた時、私が見ている星というのは、1光年先の星が1年前に放出した光ということになります。1億光年先の星であれば1億年前の光になります。

とすると、私たちが見ることのできる星って限界があると思いませんか?宇宙が生まれて140億年なのだから、140億光年先の星は見えても、200億光年先の星は見ることができないのです(厳密には宇宙は膨張しているため、もうちょっと先までみえるみたいです)。

観測できる宇宙(光)は有限

これが「夜空はなんで暗いのか」に対する解答となります。どこで矛盾があったかというと「宇宙は無限に広い」という点です。宇宙に明確な始まりがあり、今現在も終端の状態に至っていないのです。

おわりに

最初にも述べましたが、この問題は「オルバースのパラドックス」とよばれ、19世紀にドイツ人の天文学者のオルバースから名づけられました。とはいうものの、最初に指摘したのは彼ではないようです。

一見当たり前なんだけど、昔の偉い人はよくこんなことを思いつきましたね。理由としては「宇宙は有限だから」なのですが、もしかしたら5000兆年先で、宇宙が終端状態となり、本当に無限遠から光が届くようになれば、黒一つない夜空が見られるかもしれません。

もし興味を持っていただけたら、参考にさせていただいた動画も併せてご覧になってください。図を交えて非常にわかりやすく解説されているので、この記事の10倍は理解しやすいです。Youtubeで「オルバースのパラドックス」と調べると出るかと思います。

長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
誤り等ありましたらご指摘いただけると助かります。

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