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リーダーシップ

本日は日曜日。日曜朝といえば・・・ワンピースですよね?(笑)私は、ワンピースを中学時代からアニメ・漫画で見ていましたが、、、まさか社会人になって「ワンピースって現代に求められるリーダーシップそのものだなぁ」と考えることになるとは。

ということで、今日はリーダーシップの話をしようと思います。(連載の最終回に関わってきます)

そもそも、リーダーシップとは何でしょうか。世の中に様々な定義がありますが、「他者に影響を与える」ということは共通認識なものとなっているようです。「あの人はリーダーシップあるよね」といったときに思い浮かべる人は、他者の”行動”に影響を与えていませんか?例えば部活動でのミーティングのときに、今後の方向性を語る人、なんていうのはわかりやすいかもしれません。第90回選抜高校野球優勝の大阪桐蔭 中川元キャプテンは、帽子に「主将力」と書いていたそうです。チームの方向性を語り、毎日チームがよりよくなるにはどうすればよいか、を考え、伝え、メンバーを引っ張っていたようです。彼が上級生からいただいた言葉に「キャプテンが変われば、チームが変わる」という言葉がありますが、リーダーシップそのものだと思います。

少し話が脱線してしまいました。人事領域を専門にする人にとって、重要なのはここからです。それはつまり、リーダーシップをとる人(とれる人)ってどんな人?、どんなリーダーシップが求められるの?ということです。これがイメージできるから、人材選抜や人材配置、等に活用できますからね。というわけで、いくつか理論がありますので、紹介しつつ現代・(業界によっては近い将来?)に特に求められるリーダーシップの在り方を考えてまいりたいと思います。

①個性の理論 リーダーの「個性」に着目する理論です。この理論の前提として、リーダーには、独特の資質や人格が必要だ、ということがあります。イメージするのは、いわゆるカリスマ型リーダーシップではないでしょうか。

②行動の理論 リーダーの「行動」に着目する理論です。部下やメンバーに対する行動スタイルが組織のパフォーマンスに影響する、と考えるものです。スタイルは、大きく3つあります。①仕事重視、従業員重視 ②ルール等の設計重視 ③人間関係を重視するものです。この研究が進む中で、「PM理論」や「マネジリアル・グリッド」の考えが出てきています。

③コンティンジェンシー理論 その名の通り、状況によってリーダーの個性・行動の有効性が異なるというものです。この研究が進む中で、「フィードラー理論」や「パス・ゴール理論」、「SL理論」の考えが出てきます。

④交換理論 動かす側と動く側の間で、互いに利益となる"何か"を交換することで、他者は動いてくれる、というものです。これは、リーダー側だけではなく、相手側にも何かしらのメリットが必要だという点、つまり、「誰が部下か」によって対応・関係性が変わってくるというのがポイントになります。具体的に交換するものは、リーダー側からは「お金や昇進、昇格、褒めること」などがあります。これに対し、部下からは「リーダーが期待する水準以上のパフォーマンス」で報いることになります。

⑤信頼性蓄積理論 リーダーの影響力は、過去の言動によりフォロワーかどれだけ信頼を集めることができたか、で決まるというものです。ここでポイントになるのは、リーダーとフォロワーの「同調性」とリーダーの「有能さ」になります。

⑥リーダーメンバーエクスチェンジ理論 ④と⑤をさらに深掘りしていったものです。ここでは、リーダーと部下の関係性について、好循環の関係(イングループ)と悪循環の関係(アウトグループ)の出現メカニズムを前提としています。リーダーから高評価を与えられる人は、さらに頑張り、パフォーマンスを上げてリーダーの期待水準以上の成果を生む、ということは直観的にイメージできると思います。これが好循環です。一方正反対に位置するものが悪循環です。ただし、ここで重要なのは誰とでもイングループの関係性が築けることが可能だということを説明していることです。その手法として、「アクティブリスニングの実施、アクティブリスニングで引き出した課題に対してリーダーが意見を押し付けないこと、部下への期待をシェアすると」が研究成果として挙げられています。

⑦トランスフォーメーショナル理論 行動理論の1つに分類されますが、重視されるのは、ビジョンと啓蒙です。ようはビジョンを掲げ、自組織の魅力を伝え部下を啓蒙し(カリスマ)、新しいことを奨励し(知的刺激)、部下の学習や育成を重視します(個人重視)。よく、「変革型リーダーシップ」や「ビジョン型リーダーシップ」なんて言われるものは、こちらに該当します。また、「カリスマ」という文言が出てきますが、これは①「個性」の理論でよく言われるカリスマ・リーダーシップとには違いがあります。それはフォロワーの自立性です。①はフォロワーが盲目的に追従しがちになりますが、ここでは、個々に自立性をもっています。

⑧シェアード ①~⑦までは、特定の一人がリーダーシップをとることを前提(垂直関係)にしていましたが、これはメンバーが各々リーダーのように振る舞い影響をあたえる(水平関係)、ということです。全員がリーダーとしての役割・当事者意識をもつことになります。

④以降の話って、すべてワンピースの話にみえてきませんか?(やっと、出てきた感)ワンピースの何がすごいかって、かなりリーダーシップ理論を取り入れてることです。交換理論でいうと、例えばルフィは海賊王になりたいが、自分で何でもできるわけではないので、料理ができる人を欲します。一方、サンジはオールブルーを探し、世界中の海を見て回りたいが、こちらも船もなければクルーもいない状態です。この利害関係が一致していることからルフィが勧誘に成功したことを説明できます。また、ルフィは新しい仲間を引き入れる際、相手の抱える問題に同調しつつも、その問題解決に向けた戦いの中、あるいは言動で自身の有能さも見せつけ、十分な信頼関係を築き上げています。その後のエピソードでは、さらに信頼を積みあげていますよね。さらに、海賊王になるというビジョンを掲げつつも、日頃の鍛錬や知識・技術の吸収は各自に任せています。そして、ルフィ以外のサンジやゾロ、1人1人が自立性をもって、動いているようにみえますよね。すごい!

現代に求められるリーダーシップという視点からみるとどうでしょうか。現代をⅠ環境変化の激しい時代 Ⅱ人材の流動性が激しい時代 Ⅲリモートワークの時代 という捉え方をした場合を考えてみてください。このような時代にあっては、⑦や⑧が求められるリーダーシップの在り方にみえてこないでしょうか。それはつまり「組織への帰属意識が高まり(Ⅱの解消)、管理を重くしなくとも各々が組織の方向性に向かって成果をあげ(Ⅲの解消)、さらに新しいことを吸収しつつ成長する(Ⅰの解消)」ということです。環境変化に適応できない組織は淘汰される、とよく耳にしますが、まさに上記のような組織の土台が形成されていることで、現代、次代に対応した会社が形づくられていくのだと考えます。

最後になりますが、「組織の方向性を指し示す」、なんて簡単に記載していますが、そもそもそれが指し示している「つもり」になっているだけで浸透していない会社も多いのではないでしょうか。あるいは、もっと細かいところでいくと管理職の部下に対する接し方によって、「部下の自立性が失われている」なんてこともあるかもしれません。求められるリーダーシップの体現、組織づくり、には時間を要するかもしれません。ただ、奇しくもコロナの影響がさらに上記のようなリーダーシップの在り方をあるべき像とする方向に加速させることは容易に想像できます。自組織の現状を把握し、組織の在り方、リーダーシップの在り方などをこの機会に見直すのもいいのかもしれません。

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