見出し画像

台湾の調理家電、大同電鍋

電鍋、ご存知ですか?

【大同電鍋】
それは台湾において一家に一台以上はある家電と言われているほど普及率の高い電気鍋のこと。

「あーら、こういうの、昔ウチにもあったわよォ~~」

そんな声が聞こえてきそう。昭和30~40年代頃の日本では、東芝がこのような鍋を発売していた。みのもんたが言うところの「昔のお嬢さん」な私でさえ、まだ産まれていなかったころだ。

ぽってりした姿で
「私、これしかできませんけどね!とりあえずこれ押してね!」
と言わんばかりにチャームポイントのスイッチをアピールしている。
では、これを「ポチ」すると何がおこるのか。

煮る・蒸す・炊く・温める

画像1

本体(外鍋という)に水を入れて、食材を入れた内鍋または耐熱容器を置いて「ポチ」っとするだけで、煮る・蒸す・炊く・温めると、これだけのことができる。もっと言ってしまうと、「焼く・炒める」をやってしまう人もいる(が、推奨はされていないもよう)
「ポチ」すると、本体内部のヒーターが熱くなり、外鍋に入れた水が蒸発し、その蒸気で食材を加熱するというしくみ。
そこについてやレシピなどは今後詳しく話していきたい。

日本と台湾にあった同じものが、今の日本には無くなり、台湾ではいまだに愛され続けている。この差はなんだろう。

日本において炊飯器は独り立ちし、各社がより美味しいご飯になるよう追求し進化を遂げてきた。

あなたが炊きたいのは普通のお米ですか?それとも無洗米ですか?玄米ですか?
では、炊き加減はいかがいたしますか?普通ですか?かためですか?カレー用ですか?それとも炊き込みご飯ですか?フィッシュオアチキン?

質問攻めにし希望にあわせた仕事をきっちりする。

対し台湾では、炊飯だけでなく色々な調理ができる便利家電として、ずっとそのままの姿で愛され続け、今に至っている。

台湾人にとって、数十年前の登場時の姿こそがすでに完成型だった

無くてはならない家電のひとつとなり、それゆえに「一家に一台」と呼ばれるほど普及した。
家庭だけでなく、屋台や料理屋、コンビニ...それぞれの料理のために働く電鍋たち。そこに居て当たり前、と言わんばかりに、風景に溶け込んでいる。
--------------------------------------------------------------------------------------

画像2

↑台湾で一番好きなお店にある電鍋。
ここのおばちゃん達は私の顔を見ると「アァ~大同電鍋~!」と手を振る

--------------------------------------------------------------------------------------

台湾と日本は、似通った部分がいろいろある気がする。だけど、日本人は新しい物好き、台湾人は昔のものを大事にする、そういう国民性の違いがあるように感じる。車だったり、建築物だったり。もちろん、考えの個人差はあるだろうけど。

昨今の日本人の人気旅行先ではトップクラスの台湾。旅先で見た電鍋のある風景が印象に残った方も多いのではないだろうか。SNSや口コミで日本でもじわりじわりと知名度が上がってきた印象だ。

かつての日本のように、「ポチ」っとし、蓋をカタカタ言わせる家庭が少しずつ増えてくるんじゃないかな。
「恥ずかしながら帰って参りました」なんていう名言があるけど、
堂々としたその姿を日本のあちこちで見られることが、もしかしたら私の夢かもしれない。


Mimi(電鍋料理研究家)
桃鍋企画 https://www.facebook.com/momonabekikaku/
大同電鍋愛好会in日本 https://www.facebook.com/groups/550257328436570/

--------------------------------------------------------------------------------------
光文社 月刊Mart1月号 本日発売(2018.11.28)大同電鍋特集です(∩´∀`)∩
電鍋で簡単に出来るレシピを提供しております。よければご覧ください。
--------------------------------------------------------------------------------------





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?