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Designship2018:Day1 配信チケットで参加して、印象に残ったセッション内容まとめてみる

みなさん、こんばんは

名古屋でインハウスデザイナーとして働いております、nishitail(@nishitail01)と申します。

今日はついに!Designship1日目でしたね!みなさんいかがでしたか?

僕は今回は会場参加ができず、配信チケットでの参加でした。会場に行かれてる皆様に嫉妬の涙を流して・・・ない!そんな嫉妬は無用でございました。

配信参加という素晴らしい選択肢

配信の参加ってどうなんだろ・・・と少し心配がありましたが・・・いやはやなんとも!配信でも会場の熱狂が伝わってくるわ、視聴も非常にスムーズだわで、「配信チケット参加」自体のUXに関して非常に感動してしまいました。子供が生まれたばかりで、先週のdesignScrambleと連続して参加するのは、奥さんのワンオペ負担が多くなりすぎてどうしても参加できないなと思っていました・・・。そんな矢先、このような参加方法を準備いただけたdesignship運営の皆様には感謝してもしきれません・・・。

おかげて、家からのリモート参加でも、非常に多くの気づきを得られ、かつ娘を散歩に連れて行き、お風呂にいれ、寝かしつけるというマルチタスクを達成することができました。いやー充実した土曜日。でもほんとはやっぱ会場行きたかったな。

さて、本題。配信チケットで参加して、印象に強く残ったセッション内容をまとめて行きたいと思います。全てのセッション内容が非常に興味深く、様々なデザインのことを学ぶことができたので、他セッションが気になる方は是非色々なまとめ記事など読んでみてくださいね。

なんとか端的にまとめようと思っていますが、幾分気づきと学びが多すぎて、ちょっと長くなっちゃうかもです。気になるセッションの内容から読んでもらえたら嬉しいです。

◼️「魅力を伝えるストーリーのつくりかた・つたえかた」
◼️クリエイティブを競争力に デザイナーを10倍輝かせる組織作り
◼️ビズリーチのデザイン哲学
◼️ライブにイノベーションを起こすUXデザイン
◼️越境するデザイン


「魅力を伝えるストーリーのつくりかた・つたえかた」

きよえさん(mamari)

画像引用:Designship2018公式twitterより

mamariのデザイナーさんであるきよえさん、tiwtterなどでちょくちょくお見かけしていて、素敵な方だなーっと思っていましたが、登壇されているところをみて、なんというアイドル性と驚きました。お誕生日おめでとうございます。

mamariは、娘がまだ奥さんのお腹にいる時から奥さんも僕もヘビーユーザーで、妊娠初期の不安な時期を非常に助けられた素晴らしいサービスです。

きよえさんのセッションでは、主にブランドを継続させていくことにフォーカスされていたように思います。

・ブランドを語り継ぐことの大切さ
・10年続くブランドを作ること
・継続的に良いサービスを提供すること

mercariさんのリブランディングが話題になっている中、ロゴを作り直したり、アイデンティティを定義するだけでは足りないよ、継続的に良いサービスをつくり続けて、ブランドをつくり続け、次の人に受け継いでいく必要があるよと。

例として「老舗」と「スタートアップ」との対比でお話しされていて、そこに非常に共感を覚えました。

両者は当然重視する点が違うよね、というお話の中、もっとも重要で大きい違いは

「受け継ぐことの重み、覚悟の強さ」を持っているかどうか

であるとお話になっていて、頷きまくってしまいました。WEBデザインの分野では特に、ABテストで成果を出して数字にコミットすることを重視しがちな印象で、ブランドを受け継ぐ覚悟というのは希薄な印象があります。

対して老舗は弟子たちが受け継いでいかなかければ、「お店やブランドが無くなってしまうかもしれない」そんな危機感を持って、真剣に「老舗を受け継ぐこと」を目指していると思います。

とはいえ、スタートアップは人の流動も激しく、それこそ半年後にどんなチームになっているかわからない世界です。そういった世界で、どうすれば「覚悟」を持ってブランドを作っていけるのか?mamariでは下記のような取り組みを行ってらっしゃるとのこと

特に「目標とブランドをひもづける仕組み」の部分に共感。
経営課題の解決というビジネス目標と、ブランド目標とが合致していれば、デザイナーの取り組みそのものがビジネスに貢献することになります。これってものすごくデザイン経営的目線ですよね。

いかに周りを巻き込みながら文化や考え方を伝承し、それをどれだけ楽しく行うか。そんな取り組みがたくさん見え、勉強になったきよえさんのセッションでした。ここまでしっかりとサービス・ブランドを受け継ぐことを意識されているから、mamariのように「人を助ける」プロダクトが作れたんだなと感動しちゃいました・・・。

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クリエイティブを競争力に デザイナーを10倍輝かせる組織作り

佐藤洋介さん(サイバーエージェント)

画像引用:Designship2018公式twitterより

シュガーさん!!!と登壇された瞬間テンションが上がってしまいました・・・。大ファンです。コアラはタダ。

さて、シュガーさんのセッションでは「デザイン経営」の視点が強い内容だったかなと思います、designScrambleに参加されていた方は前回の内容からもう一歩踏み込んだ内容だなーっと感じられたんではないでしょうか。


改めて、なぜ今デザイン経営が注目されているんでしょうか?
バズワード的にもてはやされてる感のあるこの言葉ですが、時代がどういう変化を起こしつつあるのかをお話しされていて、納得感が強まりました。

◼️ユーザーの習慣が変化し、情報は「探す」から「選択」の時代へ変化してきた
◼️それぞれの企業が発信する価値・情報が均一化してきたから、優れたクリエイティブが企業の競争力になる時代になってきた

自分なりにまとめるとこういう部分でしょうか。スマートフォンの登場により、ユーザーの行動が「探す」から「多くの選択肢から選ぶ」時代になってきたと。そしてその「選択」の際、ビジネスモデルや価格では価値の差が付きづらくなってきてしまっている。そこで「クリエイティブ」の力が企業の商品やブランドの競争力そのものになってきているということかなと思っています、だからこそ経営資源の中でデザインが重要になってきています。

サイバーエージェントのミッションステートメントには、このようにクリエイティブに関する姿勢が言語化されているようです。本気でこのデザインという経営資源を活かそうという気概を感じますね。

ただ、「デザイン経営」を語る上で、気をつけなければいけないことがあって、それは

デザイン経営=デザイナーの決裁権ではない

ということです、ここにものすごく共感。デザイン経営を「自分の好きにデザインさせてくれよ」という文脈で使うのは非常にナンセンス。経営者を巻き込みながら、マーケターやエンジニア、営業、CSなど、全ての人の力とマインドを結集してブランドをつくり、ユーザーに最高の体験を届けることが「デザイン」することだと思っています。この考え方は非常に大事ですよね。信頼関係を築いていくこと、そのやり方そのものがデザイン経営の9割を占めると・・・。

そして、そのデザイン経営を実践していくため、3つのことを会社として意識されているとのこと。

環境の整備、メンバーへの浸透、そしてお互いの相互理解。

環境整備においては様々な取り組みがあるようで、すでにリリース済みのクリエイティブの改善提案をみんなの前で行う「デザイナーロワイヤル」や、デザインやWEBに関するテストである「デザインセンター試験」などを通して高いレベルのクリエイティブを作り上げるための環境を作っているそうです。

デザイナーの評価についても、技術をかなり重視されているそうで、陽の当たらないサービスに属しているデザイナーもしっかりと評価される人事評価の方針だそうです、かっこいいなぁ。

浸透、理解のタームの中で印象に残ったのは

・デザイナーは強く見えてセンシティブ。クリエイティブを否定されると人格を否定された気持ちになりがち

という部分で、実感もある言葉だなーっと思います。

デザイナー目線では「フィードバックは感想ではなく、批評であることを自覚する」こと。

フィードバックする目線では「感想ではなく、意図を伝える。」ことが重要だよねと。

僕たちデザイナーも指摘の意図を考え、汲み取る努力をすることが、デザインと経営の相互理解に対して非常に重要だなと思います。指摘の意図を考え、汲み取る努力をすることが、デザインと経営の相互理解に対して非常に重要だなと思います。

デザインも経営も、立場は違えど、目線の方向を揃えることはできる
コミュニケーションを諦めないことが重要であると締めくくられていました。

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ビズリーチのデザイン哲学

田中裕一さん(BIZREACH)

画像引用:Designship2018公式twitterより

designScrambleから本当に大好きになってしまったBIZREACHの田中裕一さんのセッションです、かっこいい・・・。

BIZREACHさんはデザインに対する温度感が非常に高い会社さんで、そのデザイン哲学には非常に共感を覚えています。

デザインフィロソピー、一種の理念のようなものでしょうか。

自社のプロダクトだけではなく、世の中の課題をデザインによって解決していこうという非常に大きなビジョンを感じます。素晴らしいです。

田中さんのセッションの中では特に

人材業界はデザインそのものが競合優位性になる

というところが響きました。BIZREACHは人材系のビジネスではかなり後発で、クリエイティブの力で勝負しなければ他社との差別化が難しかった。(まさにシュガーさんのタームで話されていたことと同じ・・・)

つまり、デザイン力の向上そのものが事業をドライブさせるために重要なポイントであったということですね。経営起点の課題をデザイン戦略で解決し、中長期の課題にコミットしていく。

デザインでコミットしていく対象もしっかりと定義されていて、かなり構造化されている印象。ここまですることで、経営側が経営資源としてデザインを認識できるんだなと非常に勉強になりました・・・。

とはいえ、ここまで高い目線の課題をメンバーに理解してもらうのは非常に大変なのではないか・・・実際に非常に困難な道だったのではと思います。だからこそ「デザイン哲学」で、経営課題へのアプローチ姿勢について、「デザインの文脈」に翻訳し、デザイナーの言葉としている。田中さんの素晴らしいお仕事の成果ですよね、すごいです。

BIZREACHさんの今後のデザインへの取り組み方、非常に気になります。しっかりと追いかけていきたいと思います。

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ライブにイノベーションを起こすUXデザイン

柘植秀幸さん(YAMAHA)

画像引用:Designship2018公式twitterより

今回の1日で、非常に驚きと感動を会場に巻き起こしたのは柘植さんのセッションではないでしょうか!

恥ずかしながら、YAMAHAさんの取り組みについてはほとんどキャッチできておらず、レベルの高さと、もしかしたら世界を変えてしまうのでは?というドキドキワクワク感でいっぱいのセッションでした。

まさにUXデザイン!というところで、リアルサウンドビューイングという取り組みをされているそう。ライブビューイングといって、映画館などでライブの映像をリアルタイムで配信し、遠方の型でも一緒にライブで盛り上がれるというサービスです、最近よく聞くようになってきましたよね。僕も学生時代、映画館でバイトしていたことがあって、何度か見たことがあります。

そのライブビューイングの未来を大きく変えるかもしれないYAMAHAさんの取り組みが「リアルサウンドビューイング」です。

YAMAHAさんの凄まじい技術力で、楽器そのものから音をだす装置が開発されているそうです。つまり、ライブの音を「スピーカー」からではなく、映画館に設置されている「実際の楽器」で演奏するというのです。なんじゃそりゃ!すごすぎる!

セッションでは実際の映像も流れていましたが、ライブで演奏している映像を透過スクリーンで映していて、さらに臨場感が増していました。

そして、さらに感動したのが、この取り組み、技術の先に

音楽を無形文化財として保存できるようにしたい

という尋常ならざるビジョンを持っていらっしゃるとのこと。

その時代のプロが演奏した実際の音を、文化財として残すことができる・・・。演奏データさえ残せれば、何年経とうとも、実際の音を後世の人間が聞くことができる・・・。こんなすごい取り組み初めて見ました。感動です。

これこそ本物のUXデザイン。WEBデザイン以外のお話も聞くができるのがDesignshipの醍醐味ですね。

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越境するデザイン

田川 欣哉さん(takram)

画像引用:Designship2018公式twitterより

さて、いよいよDAY1最後のセッションです。

いつもtwitterでつぶやきを拝見していて、実際のお話を聞いてさらにファン化しました。田川さんがみてらっしゃるデザインの未来は非常に明るく、希望に満ちているなと感じさせる力がありました。

田川さんのセッションで印象深かったのは

◼️デザインドリブンイノベーション
デザイン主導によるイノベーション、人間にフォーカスした問題解決を行っていく

この言葉です。デザイン主導でイノベーションを起こしていくこと。

第一次産業革命から、現在のデータやAIを活用した第四次産業革命まで、常にデザインと産業革命は連動してきていました。車の大量生産が実現し、品質管理と、顧客に届ける情報の質向上という課題が発生したことから、プロダクトデザインとグラフィックデザインが生まれた。このように、デザインは世の中の課題を解決するために常にアップデートを続けてきたとのこと。

そして現在では、非常に複雑に絡み合った世の中の課題に対して、テクノロジー、ビジネス、そしてクリエイティブ、その3つを掛け合わせなければ問題解決は実現できない状況が多く生まれてきています。

これまでのマスプロモーションなどの成果指標のように、デザインの成果は数字に置き換えられていたけど、インターネットの進化によりさらに人間ひとり一人にフォーカスできるようになってきたことで変化が起こっていると思います。数字だけでは見えないもの、判断できないものが出てきたと。ユーザーの心理や、感情について、ブランドを通して世の中に価値を伝えていく方法など、経営判断しきれない課題が出てきているのではと思います。

実は、ユーザーとのコミュニケーションにおいて、一人のユーザーと向き合うという技術、能力は過去の革命でのアップデートを通して、デザインという世界に蓄積されていました。いつも企業や個人の課題に対して、向き合い、アウトプットを続けてきたデザイナーだから、ビジネスやエンジニアリングと連携し、たくさんの問題を解決できる可能性が生まれてきたんです。

だからこそ、デザイナー自身も
今までのデザインの文脈で語られた「絵作り的な視点」だけではなく、様々な視点を持つことが重要だと思います。

あるときはデザイナーのように考え
あるときマーケターのように考え
あるときはエンジニアのように考える

様々な視点を持って、世の中にどんなインパクトを与えていくのか、どんな世界を作っていくのか、考え、実現していくことが重要だと思います。

田川さんはその考え方を

DESIGN THOUT LEADERSHIP

と表現していました。世の中のあらゆる問題に対して、どうすれば解決できるのか・・・わからないことだらけですよね。こういった問題に対して、どのような姿勢であるべきかドラッカーの言葉を引用して、語られていました

私たちはイノベーションの時代に生きている。このような時代にあって、実際的な教育が育てなければいけないのは「まだ存在していないような仕事・はっきりとは定義されていないような仕事」にこそ取り組むような人間なのだ

まだ見えていないこと、違和感としてしか感じられていないこと、どうすれば良いのかもわからないこと。そういうことって学校の中や、仕事の中にもたくさんありますよね。デザイナーとして、常にそういった問題・課題にアンテナをはり、課題を解決するためにあらゆる力を総動員して向き合うべきなんだと、セッションのお話から気づきました。

田川さんのセッションは、本来非常に複雑なお話だと思うのですが、なぜか心で理解できる、共感できる、そんなセッション内容でした。とはいえ、なかなか僕自身うまく言語化できていなくてもどかしい・・・色々な人と議論して理解していきたいなと思います。

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さて、いかがでしたでしょうか?

ここまで読んでいたき、感謝です!長いのに・・・本当にありがとうございます!

本当にここ最近デザインの世界は非常に盛り上がってきていますね。きっと、日本全体でデザインの力を使って解決したい問題がたくさんあるのだと思います。そしてその問題に対して、本気で解決したいと考え始めた人たちがこういったイベントを生み出しているのだと思っています。

まだ僕自身、Designshipなどのイベントの価値を受け取っているだけですが、届ける側に立ちたいと強く思います。頑張ろう。

DAY2楽しみですね!また明日をワクワクしながら待ちましょう〜!


普段はtiwtterでデザインについて色々と呟いてます。
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