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〜『激ヤバ』にサインしてあなたのお名前書いてあなたにお渡ししたい!の会〜 に参加した日のお話

先日5月12日、ランジャタイ伊藤幸司さんの著書
『激ヤバ』が発売された。

伊藤さん渾身の初エッセイだ。

『激ヤバ』の発売を記念して、翌日5月13日には
サイン本のお渡し会が開催された。


サイン会のイベント名はタイトルの通り
〜『激ヤバ』にサインしてあなたのお名前書いてあなたにお渡ししたい!の会〜


KADOKAWAさんの公式ツイートによれば、『〜』は伊藤さん案とのことだが、イベント名そのものも実に伊藤さんらしいタイトルだなぁと思った。


そしてそのお渡し会に奇跡的に当選したのだ。

最初はメールが来ているのに気付けずに
(なぜかメールが別フォルダに振り分けられていた。)
てっきり落選しているものだと思い
「当選された方、伊藤さんによろしくお伝えください!」とのんきなツイートをしていた…笑

その後、改めて別のメールフォルダを見ていると
そこには紀伊國屋書店さんからの当選メールが届いていた!

整理券番号の時間を確認すると
なんとか日帰りで行ける時間帯だったので
家族に了承を得て、慌てて往復の飛行機の予約をした。

と同時に、伊藤さんに会えるんだ!
伊藤さんに目の前で名前を書いてもらえるんだ!
伊藤さんに『激ヤバ』を手渡ししてもらえるんだ!
と色んな思いが込み上げてきて、急に緊張してきた…


それからあっという間に2週間が経ち
ついにお渡し会当日を迎えた。

出勤日と同じ時間に起き、身支度を済ませ
最寄りの駅から空港へ向かう。

日帰りだったので、荷物も最低限に抑え
リュック1つで行けたのが幸いだった。


雨が不安ではあったものの
無事に羽田空港に到着。

…が、ほっとするのも束の間
自分にはこれから魔の時間が待ち受けている。

極度の方向音痴…ましてや大都会東京……。

果たして自分1人だけで無事に書店まで
たどり着けるのだろうか…
と不安で不安でいっぱいだった。

いや、新宿駅までは行けるのだが
問題は新宿駅に着いてから。

スマホのナビがいつも使いものにならない。
方向が全く合ってなくて、いつもへんな場所に
連れて行かれる…。

だが、さすが大都会東京!
ど田舎人間でもちゃんとたどり着けるように
案内の看板が徹底されている。

事前に大まかに調べていた改札口を無事に通り
目的の出口を目指してとにかく上を見ては探し
その通りに歩くと無事に書店にたどり着けた。


ほっと一息ついてから
整理券をもらうために書店の2階に行き
受付を済ませ、店員さんから軽く説明を受ける。

整理券には本名と伊藤さんに実際に書いてもらう
下の名前(ひらがな)が記されていて
いよいよ現実味が帯びてきて心拍数が上がる…。

集合時間まで1時間ちょっとある。
外は雨が降っていたが傘を持っていなかった自分は
どうしようもなく、書店の中を見て回ったり
書店を外から見てみたくて濡れない程度に外に出た。


あっという間に時間は経ち、いざ集合場所へ。

集合場所にはすでにイベント参加者であろう
方々が十数名はいた。

自分もその中に混ざり、スタッフさんの指示を待つ。

ついにスタッフさんからの声が掛かる。
スタッフさんに案内されるままに階段を駆け上がる。

階段の途中で、前の整理券番号を持っている
参加者の方の姿が見え、その後ろに並ぶ。


緊張と階段を駆け上がった疲労で息が上がる…。
マスクを少しだけ緩め、深呼吸を2回ほどする。

その後も1段、1段と少しずつ階段を上り
会場前の廊下に到着した。

廊下にはこれから手渡してもらう方々が並んでいる。

会場の奥からすでに手渡してもらった方が
少しの間隔を開けて1人、また1人と出てくる。

出てくる方々はマスク越しであるが
笑顔の方や、緊張した面持ちの表情の方などさまざま。


自分は全身が震えるほどの緊張を保ったまま
廊下を1歩、また1歩と少しずつ進む。

震える手でスマホを顔の前で持ち
もう片方の震える手で前髪を直す。


いよいよ会場の中へ入る…。
何名ものスタッフさんがいる…。

会場に入るとすぐにプレゼントBOXが置いてあったので
事前に書いてきた伊藤さん宛のお手紙をBOXに入れた。


会場の中はものすごく静かだった。

ものすごく静かだったけど
パーテーションの向こう側にいると思われる
伊藤さんと参加者の方の声が全く聞こえない。

聞こえないからものすごく不安になった。

みんなどんなことを話しているんだろうか。
伊藤さんはどんな様子で受け答えしているんだろうか。

全く分からなかった。

ただ終わって出てくる方が笑顔だったり
興奮のあまり事前に預けた荷物を忘れて
そのまま帰ろうとしている方もいた。


いざ荷物を預け
次が自分の番というところまでやってきた。

スタッフさんから
「この整理券を手前のスタッフに渡してください」
と指示を受ける。

その数秒後、それではどうぞ!と案内される。


いよいよそのときがやってきた……!!!!!

おそるおそる入っていくと、そこには
アクリル板越しに座る伊藤さんが真っ先に見えた。

(わぁ〜マジで本物だぁ〜♡♡♡)
と思いつつも、緊張のあまり一瞬で目を逸らし
事前のスタッフさんの指示通り、手前のスタッフさんに
「よろしくお願いします」と言い整理券を渡す。

(ここで伊藤さんに「よろしくお願いします」
と言い忘れたことに後悔が残る…。)

手渡した整理券をスタッフさんが伊藤さんに見せ
名前を確認した伊藤さんが無言で名前を書いている。

どんなに緊張してテンパっていても
伊藤さんが名前を書いている時間はその姿を
目に焼き付けようと決めていたので
ただただ書いている姿を見つめていた。

名前(ひらがな)に"さんへ"と書く時間は
普通に書けば3秒ほどで書けるだろうが
伊藤さんはとにかく1画1画をものすごく丁寧に
ゆっくりと書いている。

自分はその姿を眺めていたので
沈黙の時間が流れる。

伊藤さんが最後の文字、"へ"を書き始めたころ
ハッと我に返り、おそるそおる
「あの…(以下略)」と自分が絶対に言おうと決めていた
言葉を伊藤さんへ向けて発した。

あまりの緊張で声は地声より高くなり震えていた。

伊藤さんはすでにサインを書き終え本を閉じ
自分に渡すために自分の方へ本の向きを変え
両手で『激ヤバ』を持っている。

一瞬伊藤さんの手元を見て
(うわっ!これはまずいな)
と思いつつも、何とか伝えたかった言葉を
最後まで伝えきった。

言葉を発している間、伊藤さんは
『激ヤバ』を両手に持ったまま
自分の目を見てしっかりと話を聞いてくれていた。

また、スタッフさんは自分の言葉を決して遮ったりせず
そっと隣で自分が言い終わるのを見守ってくれていた。

涙が出そうだった…。


伊藤さんは何とか言い切った自分の顔を
アクリル越しにまじまじと見て
「わぁ〜嬉しい♪ありがとうございます!(一部略)」
と優しく微笑みながら返してくれた。

いつも画面越しに見る伊藤さんの優しい表情だった。

そのあと伊藤さんがアクリル板の下の
空いている隙間から両手で『激ヤバ』を
差し出して自分に手渡してくれた。

両手で受け取りながら、最後の力を振り絞り
「ありがとうございます!
これからも応援しています!」
と伝えると、伊藤さんは再び
「ありがとうございます!」と返してくれた。

その間わずか10秒程度のできごとだ。

だけども自分にとってはものすごくゆっくりとした
時間が流れ、かけがえのない10秒だった。


そのあとの荷物を受け取り、会場を出て
帰りの廊下を歩いているときの
記憶がいまいち残っていない。

自分は預けていた荷物をいつ受け取ったんだろう?
と今になってふと疑問に思う。

そのぐらい終わった直後の自分は
ふわふわしていたんだろう。

記憶にあるのは、今来た道をまた戻り
空港に戻らねば!という使命感を
強く抱いたときだった。

スタッフさんから受け取ったであろう紙袋に
伊藤さんから手渡してもらった『激ヤバ』を
見返すことなく入れ、リュックにしまい
羽田空港に戻ることで頭がいっばいだった。


だが、行きとは違い、帰りは改札さえ通ってしまえば
あとは目的のホームに行くだけだったので
これなら余裕で羽田空港に着けるな♪
と安堵の気持ちでいっぱいになり
気付けばあっという間に空港に到着していた。

そこでようやく伊藤さんが手渡してくれた
『激ヤバ』を紙袋から出して、伊藤さんが書いてくれた
自分の名前とサインを交互に眺める。


(あぁ…あの時間は夢じゃなかったんだな…)
と、マスクの中で思わず顔がほころんでしまう。


その後、帰りの飛行機、電車の中で
繰り返し伊藤さんの朗読ボイスを聴きながら
無事に家に到着。

家を出て、家に帰り着くまでの時間は
ちょうど12時間程度だった。
(ちなみに東京の滞在時間は4時間ちょっとだった…。)



伊藤さん、KADOKAWAさん
この度は素敵なイベントをありがとうございました。


参加された全ての方にとって間違いなく
最高でかけがえのない日になったと思います。



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