Photo by yoshizuka 伊豆の踊子 21 めー 2024年3月23日 22:29 道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追ってきた。 川端康成『伊豆の踊子』より踊子は十七くらいに見えた。私にはわからない古風の不思議な形に大きく髪を結っていた。 川端康成『伊豆の踊子』より「まあ!厭らしい。この子は色気づいたんだよ。あれあれ…」 川端康成『伊豆の踊子』より踊子が今夜汚れるのであろうかと悩ましかった。 川端康成『伊豆の踊子』より若桐のように足のよく伸びた白い裸身を眺めて、私は心に清水を感じ、ほうっと深い息を吐いてから、ことこと笑った。子供なんだ。 川端康成『伊豆の踊子』より踊子の髪が豊かすぎるので十七、八に見えていたのだ。 川端康成『伊豆の踊子』より私はこのことを忘れないだろう。 めー『ヤギの踊子』よりこの美しく光る黒眼がちの大きい眼は踊子のいちばん美しい持ちものだった。 川端康成『伊豆の踊子』より踊子が下駄を直してくれた。踊子は門口から首を出して、明るい空を眺めた。川端康成『伊豆の踊子』より二十歳の私は自分の性質が孤児根性で歪んでいると厳しい反省を重ね、その息苦しい憂鬱に堪え切れないで伊豆の旅に出て来ているのだった。 川端康成『伊豆の踊子』よりはしけはひどく揺れた。踊子はやはり唇をきっと閉じたまま一方を見つめていた。私が縄梯子につかまろうとして振り返った時、踊子はさよならを言おうとしたが、それもよして、もう一ぺんただうなずいて見せた。はしけが帰って行った。 川端康成『伊豆の踊子』より泣いているのを見られても平気だった。私は何も考えていなかった。ただすがすがしい満足の中に静かに眠っているようだった。 川端康成『伊豆の踊子』より私はどんなに親切にされても、それをたいへん自然に受け入れられるような美しい空虚な気持ちだった。 川端康成『伊豆の踊子』より伊豆に行ってきました。 ダウンロード copy #砂金取れました 21