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星降る夜に、かかる虹
丘の上にある、まぁるい公園からは、海が一望できた。
ゆっくりと沈む太陽が、海を朱に染めている。
「ほら、おいで」
手を伸ばすと、愛猫のとろろが、ピョコンと私の腕に飛び乗ってくる。
3キロ近くあるとろろは、私の腕の中にすっぽりとおさまった。
冷たい空気。吹く風が体温を奪っていくけれど、とろろを抱っこしている腕の中は温かい。
とろろを抱き抱えながら、私は少しずつ暗くなっていく海を見つめる。
普段
まんまるの優しさを繋いで
真夜中に目が覚めると、窓から見える月は、いつもまんまるだった。
隣に眠る圭のことを起こさないように、静かにベッドから降り、ベランダに出る。
冬がすぐ近くまで来ているせいか、空気はひんやりと冷たく感じられた。
圭と一緒に暮らすようになってから、7年が過ぎた。
何度か圭にプロポーズをされているけれど、私はその答えをずっと先延ばしにしている。
その理由はただひとつ。
どんなに愛していても、圭に依存