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煌めく街にも溺れない強い人間に僕はなりたい

煌めく夜の街にごった返す人々をに縫い踊るようにかき分けて裏の道に入っていく、そこに広がるのは光と男と女だけで飽和した道が続いていた。

僕はそこを練り歩いた。大学に入学するために田舎か上京していた僕にとって、この街は刺激が強すぎたようだ。何処も彼処もホテルや如何わしいお店ばかりでホテルには男と女が何組も吸い込まれるように入っては出てくる。
僕はセックスという物を知らない。だから、日本にある一つのホテルだけでセックスが何十回も行われていることに驚きを隠せなかった。

そんなことを考えながら薄気味の悪い路地裏に続く階段を見つけた。明らかに怪しい。目を細めて奥のほうを見ると薄くピンク色の電気を帯びた看板がチカチカと手招きしているのが見えた。危険なのはわかっている。けれど、僕を駆り立てる興奮の渦を止めるものはなかった。十数年ぶりに沸き上がる探求心の奴隷となって裏路地へと浮足で進んで行った。

額に微量の汗が流れて落ちていく、汗が落ちるごとに興奮のギアが上がっていく1から段々と2へ3へギアチェンジする。自分の体の火照りを手に取るように感じる。しかし、足が段々と震えだす。先ほどまであった探求心はとうに消え失せ代わりに恐怖が空間ごと支配していた。ここはやばいと確信した。都会に慣れていない初心者の僕ですらそう感じた。冷静さを取り戻そうと深呼吸をして排気ガスで溢れた酸素を吸い込んだ。そして、僕は冷静さを取り戻すことに成功すると同時に裏路地から一目散に飛び出した。

それから僕は一心不乱に走り呼吸を荒げながら、なんとかして家の前の道までたどり着いた。今日は七夕。けれど、この煌めく街の空には星も川も何もなかった。地元では広大な自然と美しい星と共に織姫と彦星は年に一回の愛を確かめっているのだろう。今、僕は大都会の海に溺れかけて涙が川のように流れ頬伝い家の前の道に零している。

僕には都会は向いていないのかもしれない。

けれど、僕は学びにわざわざ田舎から来たことを思いだした。そして、僕は都会を背に足踏みを鳴らしながら家に入っていった。

入ってすぐに手荷物をベットに投げ捨てて、狭い部屋の片隅に積み重ねてあったノートを引っこ抜きワンページだけ強引に破ってペンを紙に対して走らせた。

「煌めく町にも溺れない強い人間に僕はなりたい」と。

そして、願い事を書いた紙を持ちながら故郷の天の川を朧げに思い出し僕は寝床に着いた。

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もっちもち

[16歳]惰性で生きてきた学生。高校生やってます。 誰かの暇つぶしになれたら幸いです。 フォローして頂けると嬉しいですー! 相談などはこちらにTwitter→[https://twitter.com/momotiti5?s=09 ]

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