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人見知りの僕は目線下げ街を歩く。そして、こんな僕と繋がってくれてありがとう。

僕は人見知りである、どのくらいかと尋ねれたら君が想像している100倍は人見知りであると答えるだろう。今、右手に握りしめているスマホを介して繋がる事の出来た人々にも僕は人見知りを発動してしまっている。気が付いている人もいると思うが、僕は殆ど自分から話しかけに行ったことがない。大抵は向こう側から親切にも話しかけてくれたりするので僕はそれに下手な日本語で返すという流れでしか基本話せないのだ。

しかも、ここ最近自分の中の人見知りの度合いが急激に上昇している。

嫌だ、このままじゃ人間として何かが終わってしまう。

だから、今日は引き籠り休日を無意味に食い尽くすことに嫌気がさし、暗く、そして人間味がしない部屋を飛び出して僕は数か月前の文章で見た街に飛び出した。

外に出る。玄関を軽やかに通り抜け、雑踏とした季節を肌で感じ、天上をみれば清々しいほどの晴天がこちらを見下ろしていた。街を流れる風の匂いも肌触りも気が付けば変わっていて僕は少しの寂しさが込み上げた。しかし、数十歩を道端に刻み込んだところで途轍もない肌を切り刻んでくる寒さのせいでそんなことはどうでも良くなっていた。

「寒い、。やっぱり冬だわ。」

今は一応昼に分類されるであろう午後の2時なのに寒い。

寒さを紛らわせるべく、僕は時折やって来る強風に抗いながら街を歩いて行った。

すると、前方から長袖で身を包んだ中年男性が子犬を連れてこちらにやってきているのが見えた。怖い。僕は人見知りでしかも街中で他人とすれ違うのが苦手なのだ。僕は咄嗟に目線を避けるように下を向きイヤホンを付け、そしてお気に入りの曲を聴きながらステップを踏み鳴らし歩く。

本当はこんなことはしたくない。
人とすれ違うたびに目線を下げて紙で顔を覆いかぶせタイミングを伺い顔を上げ再び歩き出すことを。凄く阿保らしくてあきれてしまう。

でも、僕の体にはそれが完全に染み付いていて擦っても擦っても消える事のないものになっている。
どうせなら体に良い物が染み付いてくれたらいいのになと思ってしまう。

そして、僕は後方に消えていったあの人の顔を想像しながら、そして目の端で捉えた愛くるしい子犬の顔を思い出しながら、今日得た自分に対する憤りを握りしめ、前方に伸びる人影を踏みしめつつ、おかしな歩き方で悲しくも街を後にした。

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