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水心子正秀の成長記録


ここに僕の親友である水心子正秀の成長記録を認めていくことにする。

なぜ、そんなものを書くのかって?

それは彼に必要な事だからさ。


この本丸に着任してはや半年。

少しずつここでの任務にも慣れてきた。

政府での仕事とはまた違った大変さがあるけれども、ここでの生活はなかなか興味深いことが多いよ。

閑話休題。

僕はだいぶ慣れてきたこの本丸での生活だけれど、一方水心子はなかなか上手くいっていないようだね。

彼はもともと不器用だから。

別にここで友人を作れと言っているわけではないんだ。

ほかの男士たちも、任務を遂行するためにこの本丸に身を置いているわけだしね。

有り体に言えば、"同僚"なわけだし。


ただ、孤立するのは好ましくない。

任務に影響が出るからね。

でも、それだけじゃないんだ。


分かりにくいかもしれないけど、水心子自身がほかの男士たちとの接触を求めている。

身体的接触というよりは、心の触れ合いをね。

彼は分かりにくいかもしれないけど、とても愛嬌のあるいいやつなんだ。

いつも傍にいる僕が言うんだから間違いはないと思わないかい?


だから僕は、ここに水心子正秀の成長記録を書くよ。

水心子が少しずつ、この本丸に打ち解けていけるように。

この記録を見て、こんなこともあったねとみんなで笑えるように。


温かく見守ってくれるかな?

水心子が変わっていく様を。

楽しみに待っていてくれるかな?

君のもとへ水心子が駆けていくのを。



今回はここまで。

出来るだけ詳しく書いていきたいけど、ナマモノだからね。

いったいどんな成長記録が出来上がるやら。

まあ、お楽しみに。


それではおやすみ。

また明日。


令和二年 八月十一日

源清麿  拝



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